youtubeばかり見ている子供たち。遊びすぎやネット利用の制限管理について

仕事柄、土曜日に個人宅に訪問する機会がある。なので、小学生ぐらいまでの子供と親の過ごし方を見かけることがある。で、びっくりする!! TVに映したyoutube動画、はしゃぎ声のゲーム実況を多くの子供たちが見ているのだ。それも仕事が終わるまでずっと。子供にとっては、楽しい遊びの一種でしかないし、親にしてみれば良くない部分もあるけれど、経済的にも時間的にも楽だからと甘えてしまうyoutube。

今回は、youtube動画を見てばかりいる子供やその周辺や影響等いろいろと整理してみる。



親世代が子供の頃の遊びすぎ問題とは違う

まずyoutube視聴を考えていて感じたことは、親世代が子供の頃の”遊びすぎ”とは事情がかなり異なるということだ。自分もいっぱい遊んできたけれど、それなりに今やってるし今の子供も、将来はそれなりになるだろうという見込みは甘いのかもしれない。

親世代が子供の頃の遊びと言えば、外の身近なモノで遊ぶ。公民館へ行く。友達の家に行く。漫画や本を読む。家でゲームをする等だろう。しかし、それは現在の子供世代のyoutube視聴やスマホ遊びとは、遊び時間の管理が自然にできていた点で異なる。従来の遊び方であれば、暗くなる⇒家に帰る、漫画や本を読む、ゲームをする⇒飽きてきて新しいものをねだる。親がダメと言うという風に、限度があった。

一方、youtube視聴は、オススメの動画でタダでどんどん見続けることができるし、家の中でも車の中でもどこでもできるので、制限歯止めがない。

スマホゲームやスマホのネットサーフィンもyoutube視聴もすべて同じ根深い問題をはらんでいる。それは、ネットワーク接続によって無限でかぎりなく無料の外の世界に開かれているということにある。これまでの遊びすぎ問題より根が深い。




youtube視聴問題の、構図整理

遊びすぎの問題

⇒時間配分と、動画を見続けるという行為の是非

経済的負担が軽く、親におねだりすることもなく、次の動画を押すだけで手軽に際限がなくいつまでもできてしまう。あるいは無料ゲームをDLし続けてそれなりにどんどん新作を遊べてしまう。しかし遊び時間が長くなればなるほど、学習時間、睡眠時間、運動時間が削られることは明白である。そして受け身である動画を見るだけという行為を続けることにもどんな影響があるのだろうか。


ネットワークの影響問題

⇒悪情報、悪影響、(性的・暴力・非行的)、ネットリテラシー不足の、晒され炎上、デジタルタトゥートラブル等

動画やネットの情報が、子供の心の発達にどれだけ影響を与えるかははっきりしていない。暴力的なものをみたから暴力的な子になるわけではないだろう。しかし、年相応や体の発達に合った、あるいは発達の順序に適したタイミングで相応の情報を与えられた方がいいことは明白である。

個人情報の漏洩、裸写真やキワドイ写真を送信させてからの脅迫、唆されて犯罪行為に手を貸したり等、お金の損失だけで済む話ならまだかわいい方かもしれない。心に残る傷を負うケースもあるだろうし、知らず知らずのうちに悪に染まることや悪をやらされること。そして、そういったトラブルすべてがテジタルタトゥーとして、ネット上に残り続けて一生消えないかもしれない。





解決策(親が考えること)

youtubeに対するモヤモヤを整理できた。それは、すごく当たり前にいわれていることだったので、なんだか恥ずかしい。まぁつまり、遊びすぎや動画見すぎの管理制限と、ネット利用環境の管理制限についてである。

というわけで、自らの見解を交えながら解決策を今後の為にまとめておわりとする。



★時間配分について やりすぎない対策をする。

ずっと遊んでていいといわれたら、楽しくてずっと遊んでしまうのが子供だろう。中には、やることやってから遊ぶ(夏休みの宿題は先に終わらせる)みたいなタイプもいるだろうけれど・・・。ここでよく考えないといけないのは、ただやみくもに制限をかけてもしょうがないというところである。子供時代にゲーム機を隠された友人は、大学生となり親元を離れてから、反動からか毎日ゲームに何時間も没頭していた。家庭をもって子供ができた今も、彼はそこそこゲームをしている。制限したことでゲームへの欲求が強くなったのかもしれないし、もともとゲーム好きという性質は、生涯変わらないのかもしれない。わからない。

結論を言えば、子供に合せたやり方を考えるしかないと思う。自分で気づいて自発的に自己管理できる子(そんな子はほぼいない)なら、自主性に任せて親はほとんど何も手を出さなくていい。失敗して自分で変えよう!と思わないと変えない自我の強い子(人から言われてだと聞かない子)なら、小さな失敗を与えたり自問自答させるように誘導する必要がある。話を聞く素直な子なら、素直に説得する。自分で気づかないし、失敗してもヘラヘラしてるようなら、もう自力を諦めて、ただの時間管理を取り入れてもいいだろう。誰かが口をすっぱく言わないと動き始めない子だっているのだから、要所要所で親が手を引くことも必要だ。子供の性質をよく観察しよう。




★動画を見ることの是非

youtube動画を見続けることの是非。個人的には、動画を見ることのプラスよりマイナスの方が多いと思う。TVよりも自分の興味関心分野を絞って見ることができる ⇒ 好奇心の発達に繋がる。日常にはない映像で、新しい世界や知識の扉になる等。プラスの側面はあるかもしれない。また、動画の学習時間効率は高いと思う。小説を読むよりも映画で見る方が短い時間で済む。映像の方が、情報を詰め込めるし活字より理解が助かる部分は多いからだ。

しかし、プラスの側面は、子供のレベルと動画のレベルが合致していて同じ方向をしっかり向いている場合に限られていると思う。例えば、理科の学習映像として作られた魚の解剖の様子。サバイバルで魚料理をするときに色々解説しながら解剖調理する様子。凄腕の料理人が早さと美しさをもった解剖調理する様子。どれも魚を解剖する様子かもしれないが、その映像に含まれるメッセージや情報はかなり異なるだろう。そして、それを見る側の子供の気持ちや好奇心の正体もかなり異なる。

魚の解剖と一口に言っても、魚の構造を知りたいなのか。色々な魚の構造を比較したいなのか。魚と他動物の比較をしたいなのか。可食部の少なさを知りたいなのか。動物を切るという刃物の方に興味があるのかもしれない。多分、子供自身が自分の興味関心を明確に理解しているケースの方が稀で、なんとなく面白そう、なんかちがうけどまぁ面白い。なんか違うなぁ・・・。違う動画へいこ。と芽生えた興味関心の種は、十分に育つことなく、わかった気になって面白い気になって、それで終わりだろう。

ディスカバリーチャンネルやナショナルジオグラフィック等、明確なテーマ、明確な切り口がある動画を、その理解水準に達している子が好奇心で見るのは好ましいことだと思う。しかし、ほとんどはモヤモヤした興味に、面白さや見栄えの良さという砂糖をたっぷり塗られたモヤモヤした答えのyoutube動画で満足して、お茶を濁して終わりだと思う。親が子供の様子を見て、本当に知りたい事をよく観察する必要がある。(youtubeにもしっかり説明解説や子供の学習に適した動画はあるかもしれないが、そんな極マイナーな動画は埋もれていくばかりで見ることはないと思う。)




★インターネットからの悪情報

子供にとってネットの悪い情報とは、以下の3点だろう。

1、性的な情報、異性や性への早熟な発達

母親に連れられて女湯に入った男の子やその逆パターンは、性の発達に影響があるのだろうか、いやないだろう。性的なものに興味を持ち始める時期をまず見極める必要があると思う。まだその時期でなければ、そういう情報状況に遭遇しても理解できない・わからない情報として処理されて、なんの影響もないと思われる。

性的なものに興味をもって、性的な動画を見る。そういうコンテンツに触れる。個人的にはこれも別段悪くはないと思う。多少早いとしても、興味を持ったのなら、それが、その子の時期なのだろう。自分の性的嗜好は、物心ついたときから変化してないし、むしろそういうコンテンツに触れて自分の興奮を言語化していく中で、自己理解がすすむだけなので、性的なものに触れることは問題ないと思う。

さて、子供がネットで性の知識情報を得ることで問題なのは、事実と誤った認識事実をうのみにすること、その事実や認識を他人との関わりで披露したり、他人に与える影響を理解せずにその行動をしてしまうことだ。

壁ドンすれば女の子はうっとりして、キスしてOKみたいな情報を正しいと認識するのは危険だ。それを実際にやらかしたあとの、恥や後悔は、場合によってはとんでもないことになる。性的なことや愛情表現は親が普段からお手本を見せればいいと思う。それとなく話せばいいと思う。そういう男と女のお手本を知っていれば、変だなと思ってうのみにしないだろう。



2、暴力、恐怖、グロ(2度見たくないような画。気持ち悪さトラウマ。)

今でも忘れられない、ツタヤのホラーコーナーの、恐怖の人○シ○○○イというタイトルの映画。何の気なしにとった小学生時代の自分を呪いたい。でも、大人になってから見た○○○人間とかのタイトルとパッケージの恐怖画像もトラウマだし。極力は防ぎたいけど、子供か大人かどうかは関係ない話だと思う。


3、親が悪とみる価値観の肯定、賛美するような情報

タバコをばかすか吸う。格好よく吸う。

差別的動画

ケンカ、暴力的解決

それは正しくない、マネしてほしくないという価値観、それを肯定的に紹介したり、当然のものとして提示する動画は親から見れば好ましくないだろう。でも、この辺は、普段から親がお手本としてみせていることだろうし、常日頃親から漏れている価値観だと思う。なので、たばこはよくないよねと思ったりそういう行動をしていれば、子供にも伝わるだろうし、それでも子供が興味を持つのなら、それはその子の個性かもしれない。親がそういう嫌だと思う価値観を子供に常日頃から教えて話しておくこと。そういう映像を題材に話すことが重要だと思う。




★ネットリテラシー教育

・個人情報の漏洩阻止

・犯罪への加担阻止(悪事やよくない事の教育)

・本当の意味では匿名ではないこと。いつどの自分が見ても恥じない振る舞い。

ネットリテラシー教育とは上記3点だと思う。ただ、この辺は従来の子供への教育とそこまで変わりがないと思う。誰しも小さい頃、知らない人についていってはいけない。名前を教えてはいけない。家を教えてはいけない等と言われてきたと思う。それの延長で、ネット上でも知らない人に自分の事を教えてはいけないよと普段から話しておけばいいと思う。

お店のものを盗んじゃいけない。タバコを吸わないかと誘ってくる友達は悪いやつだから断ろう。この辺も子供の頃に言われて育ったことだ。今ならば、写真を送ってという奴は大概悪いやつだから、送っちゃダメだよと追加すればいい。口酸っぱく何度もネットからつながる悪について話そうと思う。

最後は、やや子供の頃より延長拡大した話かもしれない。昔は、悪いことすれば絶対捕まるんだよと教えられてきた話に加えて、将来の自分が見ても格好悪いとか、恥ずかしいと思わないかどうかの視点をよく伝えておけばいいと思う。人を馬鹿にした書き込みとか、ぶっ○○すとかそういう汚い言葉を使うことが本当にいいのか、口を酸っぱく教えればいいと思う。デジタルタトゥーなんて言葉よりも、ずっとわかりやすい。





終わりに

youtubeばかり見ている子供ってやばくないか!?という疑問から始まって、よくある話に落ち着き、そして、そんなに大げさな話ではなかった。

昔の自分も、同じような教えをしっかりもらっていたことに気づいた。それをネット環境に合うように、時には拡大拡張して教えるようにすればいいだけの話だ。お手本を見せればいい話だ。

ただ、思い返してみて自分はそういう躾やモラルは、祖母からよく教わっていたことに気づく。両親が共働きだったせいだろう。小学生低学年ぐらいまでは一人で出歩けないので、祖母がべったりついてまわった。その普段の日常の節々で、そういう言葉がけをされて、してもらっていたんだと思う。youtube問題は、youtubeというツールによって引き起こされた問題ではなく、忙しい両親が子供に関わりお手本を見せたり、躾や道徳を語る時間を十分に確保できないことが問題の本質のように思えてしまった。つまりは、何も知らない子供に、初めての道具を持たせたら、そりゃとんでもない目も当てられない使い方をするよねって話。子供が社会に触れるとき、その毎に、親が良く見守って手を抜かずに、教え導こうと思った。


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