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ワル(元ヤン)が社会で成功する現象について

関連した記事を読んでなんか違うなぁと思ったので、整理しておく。仮説である。



その1 対人力仮説

コミュ力

ワルや元ヤンはコミュ力が高く人の懐に入りやすい。何故か。ヤンキーのコミュニティが理不尽だからであり、そこで鍛えられるからである。

社会的な規範や良識があるマジメ集団は、無駄な下ネタやセクハラも言わないし、パワハラなことも、上下間系や暴力や威圧で人に接っすることもない。しかし、ワルは違う。粗野で雑で乱暴だ。そのなかを生き抜くために、上手く相手に話を会わせたり気に入られる技術が鍛えられるわけだ。

薬をしてるとか、犯罪行為を多々しているとか、気の短いとか怒らすとヤバイ先輩とか、そういう本当にヤバイワルがいて、自由な一匹狼のワルもいて、最後はそのまわりで群れているワルがいる。ヤバイワルは、粗野なだけで、喧嘩自慢するだけで大成もなにもない。一方で、素行不良、学業不良等にはみ出したワルだが、その粗野な群れのなかで協調性を培ったワルは、どんな立場や威圧的な人やらとも上手くやる術を手にいれ、それが社会に出て役に立つのだ。



自信と度胸

ワルはヤバイことをした体験経験から、副産物的な効果として度胸や根性(自信や少しのことではへこたれない)を手にいれる。あのときのことと比べたら、あれを俺は乗り越えられたんだから…と。その動じない様子が、頼りになる。信頼される結果をまねくことにも繋がりやすい。




威圧的な効果、相手を怯ませる

ワルになるようなやつは、基本的に腕っぷしが強い、からだが大きい。背が高い。無法地帯でものをいうのは、目に見える強さだからだ。バスケ選手はみな身長が高いのと同様で、そのルールに向いている人が集まるので、ワルは、大きくて強そうな威圧的な容姿を持つ。ただやみくもに威圧していたら嫌なやつでしかないが、社会人になって相手から舐められないとか、舐めた態度をとらせない等の交渉力に優位に働く。


というわけでこれらの対人力の高さから、ワルは、社会で成功しやすい。




余談 体育会系と一緒

読んでいて気づいた方もいるかもしれない。ワルの対人仮説はまんま、体育会系と同様である。理不尽な上下間系をやりとおした対人能力。キツい練習をやりとおした体力や根性等々、そして運動をするできるのだから、普通の人より肉体的に恵まれていて、からだの大きな威圧的な要素も持ち合わせている。

ただし、ワルと体育会系は詳細は異なる。理不尽さへの対処が愚直や服従といった従うことで乗りきることが多い体育会系は剛の技である一方、ワルは、気に入られて受け流す柔の技だ。また、ワルの度胸ためしよりも過酷でハードで毎日鍛えた体育会系の肉体の方が努力と根性を備えていると思う。

硬派で逞しくて寡黙で、でも頼りになるみたいなまっすぐな強さが体育会系だとすれば、軟派(ナンパ)で、気が回ってそこそこ体が大きくてどっしり構えている。なんか頼りになりそうな雰囲気もあるみたいな強さがワルだろう。





その2  社会への憤りと挑戦仮説

社会への不足感

別の記事でも色々書いているが、社会に何かを生み出す人というのは、社会に不足を抱く人である。目が悪い人が眼鏡を作るし、もっと美味しいラーメンを自分なら作れると思えば、ラーメン屋をやる。今の社会に足りないものを、自分ならこうする!といって生み出す訳だ。

ワルの場合、社会的な規範からの逸脱が、ワルとなるわけだが、それは裏を返せば、現在の体制や社会への憤りを抱えているとも言い換えられる。つまりは、社会への不足感を感じていて、新しい何かをしようとする下地があるのだ。



逸脱への抵抗の少なさ(リスク過小、行動力高め)

警察のお世話になったり、停学を食らったり、授業をサボったり。借金をして踏み倒したり。ワルは社会規範からの逸脱を経験する。そこでここまでしても意外と大丈夫というラインが拡張されていく。言い換えるなら、1度でも援助交際やワンナイトや盗撮をすれば、その次にそれをするハードルが下がって躊躇しなくなるようなものだ。

これをしたら大変なことが起きるかもしれない。周りと違うことをするのに勇気がいる等々、そういうもろもろで二の足を踏んでしまうマジメ集団よりも、逸脱に対しての抵抗が少なく、リスクを過小評価したりもして、行動力が高くなることもあるだろう。




ボスへの憧れ、ナンバー1への憧れ、野心家

ワルが格別野心家であるとは思わない。しかし、多少は通常の集団よりもその割合は高い気がする。○○高校で一番であるとか。序列何位とか。ボスやトップに君臨するとか。そういうことを気にするわけだ。

で、少し書いた。社長とは、その会社を大きくするとか会社の為に身を捧げるという姿勢が必要であり、それは言い換えるなら野心家であるといってもいい。なにかすごい能力や資質に恵まれて社長になるわけではなく、王様に憧れて王様になるような、人の上に立つべくして立つというか、人を動かすべく動かすのだ。なので、ワルが社長になる確率は一般人よりも少し高い気がする。


というわけで、やりたいことを見つける、それを実際にやれてしまう、野心でやり続けやりとげようとしてしまう、そういう姿勢をワルは持っているので、社長になって成功する確率が少し高いのだと思う。





終わりに

当たり前だが、ワルに”なれば”成功するという話ではない。今の社会では、ワルが成功しやすい特性を持っているという話で、鶏と卵のような話、因果相関関係を含んだ話なのだ。わかりやすく言い換えれば、社会はバスケとかそういうあるスポーツとそこまで大差があるものではなくて、それに向いた例えば身長が高い人が得をするというわけだ。向いている人が、向いている中で鍛えられて頭角をあらわすということなのだ。

で、少し書いたけれど、じゃあワルの反対にマジメに生きることって何だろうと思ってしまう。マジメとは自分の為のマジメと、他人の為のマジメがある。誰かの為のマジメは自分を殺すことで損をして馬鹿をみるだけだ。しかし、自分の為のマジメや誠実さを貫いても、いい方向に繋がるのかははなはだ疑問だ。


最後は投げっぱなしだが、ワルについて今回はこの辺で。

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