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ムジカ・ピッコリーノ(NHKーE)♡

「姫、4月から、ムジカ・ピッコリーノ、新シリーズですよ!www」

「ほう、お前の好きな、藤原さくらc キャストされてるなぁ!」

「シエリcっていう、ちょっと激しい仔の役みたいですよ。楽しそう!」

「この番組、ええな!」

「姫も好きですか!?」

「子ども向けだが、子ども向けの番組ってのは、本当は難しいんだよね。」

「ふむ!?どういうことでしょうか?」

「キャストが凝っててね。その、なんていうのかな?演奏家、作曲家などアーティストとして第一線活躍されてきたベテランと中堅、そして、小学生、中学生くらいの子をミックスして、やってるんだよね。」

「それがどういうことになるんですか?」

「この人たちで、”子ども向け”番組を作るって、じゃあ、お前なら、どんな風にしたいかな?」

「うーん?俺は、音楽の専門家でないから、そのところはきちんとはわかりませんけど、しかし、”とにかく、俺たちのいい演奏を聴け!どうだ、すごいだろ!?”では、ダメな気がしますね。」

「といって、ごまかしたり、適当に端折ったり、やっつけのいっちょ上がりみたいなことをすると、子供が聴くとむしろ害になる。」

「そうですね、さまざまなレベルで、最初の一歩的な教育は、シンプルなものでいいから、きちんとした例を誤魔化さず、端折らず、キチンとやってみせることですね。」

「そうなんだよね。テクニカルな細かいことを全て、段階的に詰め込んで、一気にやると、初等教育にならない。」

「ああ、シンプルな例でいいから、ある部分の全部を見せて、感じさせるようなことが必要とか、そんなような意味ですかね?」

「うん、なかなか言葉にしづらいけどな、はじめっからテクニカルに難しいものを見せて、どうだ!見たか!! うるさい事はいいから、とにかく、こうやれ!」

「それやると、大体の仔は嫌いになりますね。」

「といって、お前ら、この程度でいいだろ、ほらよ!」

「それは、その先を見たいという意欲をなくしますね。みんな、その程度ならできるけど。」

「そうなんだよね。題材をキチンと選んで、で、全体を見せる。で、いい加減な説明をしないことが重要なんだよ。」

「もちろん、それで全てではないにしても、ある段階をクリアしたら、トータリーに達成感があって、その先にさらに進むことができる、進もうとする意欲が湧いてくるようなプログラムが大切なんだよね。その点、この番組をはじめの頃から手がけておられるプロミュージシャンの方々の対談が残ってるので、貼っとく:」


「ある段階をクリアして、先へ進む、進むと、さらにそこでは、さらに複雑だったり、難しかったり、でも、本質を見誤らない何かがある、その繰り返しをプログラムとして提示することが大切なんですね。言われみれば、そうか?」

「口で言うのは簡単だけど、さまざまな分野でそう言うものを創造し、実際に運用して、成果を出すってのは、それはそれで、また、アート自体をクリエートするのとは、別の難しさがあるんだよね。」

「で、少し、大きな話をしてみると、古代ローマでは、市民に”叡知”を求め、理想をいえば、そのような叡知に至った人間たちには市民権を認めた。そしてそれは整理・発展をし、中世には、7自由科と言うものを定めて、”大学”を作って行くんじゃよな。」

「その7自由科ってなんですか?」

「文法学・修辞学・論理学あるいは弁証法の3学科(Trivium)と数論・幾何学・音楽・天文学の4学科(Quadrivium)じゃな、今でも、西欧やアメリカでは、普通の大学に音楽学科があるぞ。」

「ギリシャ・ローマの人たちは、直観的にだろうけど、音楽の重要性を認めていた。っていうのも、それは脳みその構造と関わっていると同時に、シンプルな自然現象の法則にも縛られているからね。」

「言われてみれば、音楽と数学には似た面がありますね。例えば、音楽にしても数学にしても、純粋なその分野で著しい才能のある人ってが、たまに出てくるけど、12、3歳くらいで、その分野の”大人たち”で、知らない人がいないってくらいの腕を見せたりしますね。」

「純粋数学も、12歳で、ハーバードに入って、3年後くらいには、Ph.Dとっちゃうみたいな子がね、いるよね。」

「シンプルな構造に気がついて、段階的にクリアして行けば、次へ進める。理解と実践、特に、細かい運動を司る脳の構造まで込めて、脳がそれに適している度合いが、著しく高いと年齢にあんまり関係なく、どんどんできて行くところがあるんだよな。」

「社会学とか経済、法律とか政治学、そういうのは、年齢が上がっていって、机上のことや純粋な技術だけではなくて、いろいろなことを”学んで”行かないと進めない部分があるのと対照的ですね。」

「ローマってのはダテに大帝国を作ってないんじゃよ。人間の自我とか、理性とか、まあ、脳の基礎機能じゃな、その機能にとって大切な叡智と呼べるものは何かについて、直観的な理解があったんじゃな」

「ふむ。なるほど、良い課程で学ぶことの重要さがわかった気がします。」

「細かい屁理屈とか、ある種の選抜試験に受かるためのテクニックみたいなのは、それが必要になったら、努力すればいいんじゃけどな。それ以前のはじめの一歩には、そういうこととは違ったそういう本質に段階的に進んでいける道が明示的に与えられているといいんじゃよね。」

「その、この番組には、そのようなことをやって見たいという試行錯誤が感じられるってわけですか?」

「そうとも言えるな!とにかく見てて面白いけど飽きない。」

「見ている子供も大人も、自分のレベルに応じて楽しめて、で、多分じゃけど、作ったりやったりしている方々にも、何か気付きみたいなものがあるように思うんじゃよね。」

「なるほど、素晴らしい!」

「道は一本ではないけどな。」










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