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大は小を兼ねない靴の話

うまくいかない靴選び

 これまで靴を探す時「試着して痛くない靴」「キツくない靴」を疑問なく選んできた。それなのに、いざ履いて歩くとつま先が痛くなる。かかとがパカパカ外れる。何回も歩かずに履かなくなった靴は数知れない。

 お店に行ってスタッフさんと相談し、きちんと試着して選んだのに失敗する。家で試着できる靴の通販を利用してゆっくりじっくり試して今度こそと思っては失敗する。
 試着で痛くならないのに、履いて歩くと痛くなるのは何事か。試着は自由と言われても、正しい靴の試着はどうやってすればいいのかわからない。

 ここ何年かは、ほとんどの日々をスニーカーで過ごしてきた。毎日自転車での送り迎えも終わり、子供も抱っこなどと言わなくなってきたので、遠慮なくヒールのある靴を履きたい。スニーカーだって好きだけど、そろそろ違う靴も履きたいのだ。

足の3D計測

 というわけで、足の形を3D計測をしてもらいに行って来た。自分のサイズや特徴がわかれば、多少は靴選びがマシになるかもしれない。
 せっかくパンプスを選ぶので、普通の靴下ではまずいと思って、ものすごく我慢をして手持ちのヒール靴(歩くと痛くなる)とストッキングを履いていった。冷静に考えたら、スニーカーにストッキングで良かったのかもしれない。ぶかぶかならその上に靴下を履けば良かった。それに、靴下で行った時はだいたい試着用のストッキングをもらえるのも意識の外だった。変な気合の入れ方をしていたと思う。

 計測すると、足のサイズはこれまでと変わらなかった。靴が脱げやすいので、かかとが小さいのではないかと思ったが標準サイズだった。
 予想と違ったのは靴幅である。2Eだと思ったらDだった。

 スタッフさんには、これでは合う靴が無かったのもわかると言われた。私もびっくりだ、Dなんてサイズ聞いたことがない。
 2Eの下、Eのさらにもう一つ下のサイズだそうだ。と言われてもピンとこない。とにかく2つもサイズが違うものを履いていたと言うことだ。これはショックだ。本当は23.5cmなのに24.5cmを履いている感じだろうか。単位はともかく、どう考えてもぶかぶかだ。

 パンプスは足に対してつま先とかかとしか引っかからない。そのため靴幅があっていないと脱げるのは当然のことらしい。
 そして、履いた時にちょっときついくらい、自分の足が靴に入ってピッタリするくらいのテンションでないと、靴は履くうちに伸びるため最適なサイズではないのだそうだ。
 これまで問題なく履けたのは、ストラップのある靴だっただろうと言われた。確かに歴代の履き潰すまで履けた靴はストラップがあるものばかりだった。ストラップがあれば多少幅が広くてもカバーできるらしい。あれはただの飾りではなく機能的にも有能な物だったのだ。

 これがピッタリした靴の履き心地か、と試着させてもらった靴の感覚を忘れないでいようと思った。そして、靴幅Dで、甲が薄めの靴をを選んでもらった。これで明日から虐げられていた両足の指たちも回復すると思う。楽しみだ。

敗因検討

 これまで、スニーカーと同じ選び方でヒールのある靴、足の甲が見えるような靴を選んでいた。これがまずかったんだと思う。
 スニーカーはマジックテープや靴紐で足の甲を自分のサイズに合わせられる。多少の足の形の違いはそこでカバーできるんだろう。それがないパンプスは、サイズ選びがスニーカーより数段シビアになってもおかしくない。

 自分が考えていたよりも、足の長さに対して足の幅が狭かった。それではつま先側に簡単に足がずれ込んで窮屈になるのは当たり前だ。靴がゆるいと思って小さいサイズを選んでも、縦横比の問題でピッタリにはならないんだと思う。

 ピッタリした靴ときつい靴の境目はわかりづらい。しかし、ピッタリした靴は歩きやすい。歩きやすいためには、足から離れない程度のピッタリさ、キツさが必要なのだろう。しかし、この境目ってわからない。今回計測しなかったら、あるいはあの店員さんじゃなかったら、ここまで納得のいく靴選びができたかわからない。

 今回、3D計測で客観的な数値が出たこと、それを参照した上でのスタッフさんのコメントに救われたと思う。これが自動計測だけで自分で選んでね、だったら選べなかったと思う。
 コンピューターよ、お前に足はないだろう。とは言わないけど、やっぱり商品知識のある専門家、の前に靴を履いて歩いている人、それも1日立ち仕事の人の言うことは説得力があると思った。

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