原口炭鉱・栄元炭鉱・原口鉱業・原口鉱業所・原口家についてのメモ

本記事は小規模炭鉱の史跡として有名な原口炭鉱(旧仁保炭鉱)と、その関連事項について調べたことのメモです

筆者は原口炭鉱を一時所有していた原口鉱業の創業者である原口元六(もとろく)の曾孫であり、本記事では、ネットで検索できる客観的な情報と、親戚から直接聞いた主観的かつ断片的な情報と照合して、おそらくこのあたりが事実であろう、と結論づけた情報について取りまとめる。

簡単な家系図を置いておく。
原口元六┬栄弘(田川郡川崎町会議員)-正弘(川崎町長)
    └栄和(よしかず、栄元炭鉱共同創業者)
原口栄和┬長男
    ├長女―筆者
    ├次男
    └三男

まず最初に、ネットでイマイチ不明瞭だが非常に重要な情報として、原口炭鉱に関連する「原口」と名の付く事業所には「原口鉱業」と「原口鉱業所」の2つがある。100%の確定情報ではないが、これはおそらく完全に別の主体である。

https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/mitougou/fukuoka.files/JigyousyoIchiran_7526_201209.pdf

なんか「エイコウタンコウ」となっているがこれはおそらく間違いで、正しくは「エイゲンタンコウ」である その下の「仁保炭鉱」も「ニホンタンコウ」となっており、ガバガバである

栄元炭鉱を創始し、仁保炭鉱を買収して原口炭鉱と改名したのは「原口鉱業」であり、これは原口元六とその息子の栄和が創業した事業である。
この原口鉱業は典型的な炭鉱成金で、最初に一発当てたあと規模を拡大したが、何らかの形で失敗して炭鉱事業を放棄している。
「石炭が出なくなった云々」程度の話を伝聞しているので、原口炭鉱の閉山とも関係があるとは思われる。

ところが、その後、原口鉱業の所有していた原口炭鉱や栄元炭鉱を「原口鉱業所」という事業主体が所有していた形跡がある。また、その所長として「原口秀雄」なる人物がおり、彼は「炭鉱国管疑獄」という、当時国会でも取り上げられ、かなり問題になった大規模な汚職事件で逮捕されているのだが、この「原口秀雄」を、私も、私の親も、親の兄弟も知らないのである。少なくとも、筆者の把握している、原口元六から連なる家系図に「原口秀雄」は存在しない。(もしかしたら把握していない場所にいるのかもしれないが、筆者が「親戚」として認識している範囲に存在しない)

ゆえに、現時点では、筆者の曽祖父と祖父が創業した「原口鉱業」の廃業時、どこかの遠い親戚が鉱山の権利を買い取って設立したのが「原口鉱業所」であり、原口秀雄はその系譜と考える。原口元六はその名の通り六男なのだが、その兄弟について筆者には情報がないので、ありえる話だと思う。

また、原口元六と栄和について、炭鉱事業に失敗したが完全に一文無しになったわけでもなく、立派な屋敷と土地は残ったし(しかも祖母によると、まだいくつか鉱山的な土地の権利が残っているらしい、後々負動産として面倒になりそう)、その後は残った従業員を養うために人材派遣業を始めており、昭和45年に会社法人として設立されたそれは現在でも栄和の長男(筆者の伯父)が経営している。(そっちはそっちで色々あったみたいだけど本件とは直接関係ないためここでは詳しく書かない)
ゆえに、炭鉱廃業時にある程度のお金を工面できていると考えられ、炭鉱の権利などと引き換えに負債を償還したと推測する。

https://kokkai.appri.me/content/2113
https://kokkai.appri.me/content/2113

そもそも筆者がこれらを真面目に調べ始めたのは、この「原口秀雄」によるところが大きい。
炭鉱成金と伝え聞くうちのじじいが掘った炭鉱ってどんなんやろ? と興味本位で「原口炭鉱」とぐぐったところドンピシャで存在しており、しかし母や叔父に聞いても「知らん、それはうちと別の原口や」と言うので、へー、と思っていたのだが、その後またもや興味本位でもう少し詳しく調べてみると、やはり「原口炭鉱」の「原口」はうちのじじいの「原口」なのだった。ところが、それだけでは終わらず、なにやら別に「原口秀雄」なる知らん人が登場し、しかも逮捕者やんけ。誰やこいつ。どないなっとんねん。

「原口炭鉱」についてネットで分かる、まとまった情報は
・仁保炭鉱を原口鉱業が買収して原口炭鉱となった
・原口秀雄が炭鉱国管疑獄で逮捕されている
の二点だけである。前者は確実にうちのじじいなのだが、しかし後者は見ず知らずの他人なのである。この事実はネットには1mmもないので、第三者から見ると、うちの親類からなかなかの犯罪者が出てるように見える、これはけしからんということで、母や伯父・叔父、祖母からちょこちょこ機会があるごとに聞き取りを行うようになったのである。

2011年ごろ、祖父栄和と筆者

栄元炭鉱について:原口鉱業の創業者である曽祖父(元六)と祖父(栄和)の名前から一文字ずつ取って名付けた この時点ではまだ個人事業としてやっており、その後どこかの時点で会社を設立した模様

https://www.city.buzen.lg.jp/tamokuteki_pdf/tagawa-kasugajinjyanoiwato.pdf

原口鉱業の創始について:炭鉱ブームでみんなめっちゃ山掘ってるのを元六が見て「山から流れ込んでる池にめっちゃ溜まってるんちゃう?」と思ってでかい池を含む土地を買って水を抜いた(と言えば聞こえが良いが、どうもダイナマイトで爆破したらしい)ら池の底にゴロゴロ溜まってて露天掘り状態で一攫千金、その金で事業を拡大したとのこと

当時の筑豊の炭鉱の実像:大資本(要するに三井)が大金を投じてめっちゃ調べて掘った穴(ここは確実にでかい鉱脈あるで~)の真横の土地を買って掘り進める、当然中で穴がぶつかる、大乱闘になる(あ~~これはヤクザですわ)
上記の手法を原口鉱業がやってたかどうかは定かではないが、どうやら当時の原口鉱業は三井から定期的に一定のお金を受け取っていたらしいので、何らかの何かがあったのかもしれない

朝鮮人労働者について:祖母「朝鮮戦争で逃げてきたから、住むとこと仕事も与えて使ってやったんばい、感謝されこそすれ、なんか文句言われる筋合いはなかっとね」

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