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債券について

おはようございます。
キツネの目と申します。
本日は「債券」について記載していきます。
よかったら参考にしてください。


債券とは

 


 債券とは、発行者(企業、国、金融機関等)が資金を調達するために発行するもので、借用証書に相当するものです。
発行者はお金を借りることになるので、基本的に金利が発生し、期限が到来したら返済しなければなりません。

・債券発行体が投資家に対し、債券に利子を付与して発行する。
・投資家は債券発行に伴い金を払う。
・償還期限になると額面金額で償還される。

・債券の特徴


  • 収益性

あらかじめ約束された一定の利子が支払われる。
(発行以後変更されないので安定した収入が期待できる)

  • 安全性

償還期限が到来すると、額面金額が返還される。
基本的に、債券相場が上下しても償還期限まで保有していれば額面が帰ってくる。

  • 流動性

償還期限までに換金したい場合は、流通市場で売却できる。
ただし、売却価格はその時点での市場価格となり額面ではない。


・保証や担保がついた債券


通常の債券は無担保で発行されますが、一部政府の保証や担保が付いた債券もあります。

・政府保証債
元本利子の支払に対して、政府の保証がついている債券

一般担保債
発行者の全財産から、他の債権者に優先して弁済をうけられる債券

物上担保債
発行者の保有する特定の財産(土地、工場など)を担保に付けた債券


・債券の種類

 債券は、いくつかの種類に分類できます。
日本国内か国外か、発行者が国や地方公共団体か民間の事業会社かによって分類され、さらにその中でもいくつかの種類に分類されます。


内国債
・公共債 国債
、地方債、政府関係機関債、地方公社債
民間債 金融債事業債(社債)、特定社債、投資法人債

外国債 
・発行体、発行市場、発行通貨のいずれかが日本以外のものである債券


・国債


国が発行する債券を国債といいます。
国が発行するため、信用度が最も高く、発行量も一番多い債券です。

【国債の種類】
・超長期国債(20年利付、30年利付、40年利付)
20年、30年債は、価格競争入札(コンベンショナル方式)により公募
40年債は利回り競争入札(イールドダッチ方式)により公募

・変動利付債(15年)
利率が年2回の利払日ごとに変動する
価格競争入札により公募

長期国債(10年利付)
日本の債券市場の中心銘柄
価格競争入札により公募

・中期国債(2年利付、5年利付)
価格競争入札により公募

・国庫短期証券(2ヵ月、3ヶ月、6ヵ月、1年/TDB)
日本政府(財務省)が短期の資金繰りのために発行する割引債の一種
割引方式で発行

・個人向け国債(3年固定、5年固定、10年変動)
購入者を個人に限定した国債
利払いは半年ごとの年2回
購入単位は、額面1万円から1万円単位
発行後1年経過すればいつでも国の買取による中途換金が可能
(ただし、直前の利子の一定割合が差引かれる)

・物価連動国債
元金額が物価に連動して増減する
利子は想定元金額に表面利率を掛けて算出するため、額が増減する

・ストリップス国債(分離適格振替国債)
元本部分と利金部分を分離して別々に流通させることができる証券
利付債の元本部分と利札部分が分離され、それぞれの部分がゼロクーポンの割引債として販売する

※価格競争入札と利回り競争入札
価格競争入札

 クーポンがあらかじめ提示されていて、入札者は購入債券の価格を提示する。入札価格の高いものから落札されていく方式。

利回り競争入札
 入札者は利回りを提示して、利回りの低い入札から落札していき、入札金額が発行額限度に達した時点で入札を終了し、落札者全員に最も高い入札利回りを一律に適用する方法。

なお、国債は発行根拠法によって、次のように分類されます。

【国債の分類】

・建設国債
公共事業費
出資金及び貸付金の財源にあてるために発行される国債

赤字国債(特例国債)
歳入不足を補うために発行し、公共事業費以外の歳出にあてる資金を調達するための国債
赤字国債は原則禁止されているが、特別の法律を成立させて発行していることから特例国債という

借換国債
国債の償還のための借換えに必要な資金を確保するために発行される国債

財投債
財政投融資の財源にあてるために発行される国債


・地方債


 都道府県や市町村などの地方公共団体が発行する債券です。

【地方債の分類】
全国型市場公募地方債
発行できるのは、一部の都道府県すべての政令指定都市
広く一般投資者に公募される

銀行等引受地方債
特定の市中金融機関など、少数の者に引受けてもらうもの
市や区も発行している

住民参加型市場公募地方債
一般的に、発行者が定めた地域に在住・勤務している個人や団体向け
すべての都道府県および市町村が発行可能

交付地方債
地方公共団体が事業に必要な用地買収に際して、その地主などに現金にかえて交付するもの


・その他の公共債


・政府関係機関債(特別債)
独立行政法人、地方公共団体金融機構などの地方共同法人及び日本政策金融公庫などが特別の法律に基づいて発行する債券

・地方公社債
地方公共団体が設立した公社などが発行する債券


・民間債


・金融債
金融機関が特別の法律の根拠に基づいて発行する債券(利付金融債と割引金融債がある)
募集発行と売出発行の2種類ある

・事業債(社債)
民間事業会社が発行する債券

・特定社債
「資産の流動化に関する法律」で定めている金銭債権、不動産など譲受け、資産担保証券として発行するもの

・投資法人債
投資法人が発行する債券で事業債の一種


・外国債


・円建外債(サムライ債)
国際機関や外国の政府・地方公共団体及び事業会社が、日本国内市場において円貨建てで発行する債券

ユーロ円債
日本国外で
発行される円建債券

・外貨建債
(ショーグン債など)
外国通貨建てで発行される債券

・その他の金融商品

・CP(コマーシャルペーパー)

優良企業が無担保で短期の資金調達のために割引方式で発行する有価証券
約束手形の一種

・CD(譲渡性預金証書)

金融機関が発行する譲渡可能な預金証書(自由金利)


・債券の条件

・債券の額面


債券の発行体から投資家に交付される債券の券面に記載されている金額のことです。
・債券はこの額面の整数倍で取引されます。
・償還の際はこの額面金額を受取ります。


・債券の単価

 通常、債券の価格は額面100円当りで表します。

 例えば、「額面金額10万円」で「額面金額100円当たり発行価格が100.15円」の債券を購入するときに必要なお金は、100,000円÷100円×100.15円=100,150円となります。

 このとき、この債券の単価は100.15円ということになります。
額面と単価を間違えないように注意しましょう。

※専門用語
オーバーパー:額面が100円超
パー    :額面が100円
アンダーパー:額面が100円未満


・債券の利率



債券の利率は、額面に対する1年当たりの利子の割合です。
購入価格に対する割合ではないので注意して下さい。

例えば額面100円で年間利息が2円の債券なら利率は2%です。
なお、この利子の割合をクーポンとかクーポン・レートと呼びますので覚えておきましょう。

・利付債

クーポン(利子)がついている債券


毎年、利子を受け取れる。
期間満了日に元金が償還される。


・割引債

 割引債とは、発行される債券の額面が割引されて発行される債券です。
例えば額面100円の債券が発行時点では95円で発行されるというものです。満期日には当然額面である100円で償還されますので、割引債に投資をした投資家は額面と割引価格の差額である5円を収益として得ることができます。
その代わり通常利付債にはある期中の利子(クーポン)がありません。

クーポン(利子)が無いかわりに額面より安く発行する債券


・償還


 償還とは債券の返済です。
償還期限になると、発行体から債券保有者に額面金額が償還されます。

 原則として償還期限に償還(最終償還)されますが、期限前に債券の一部を償還(期中償還)することもあります。期中償還には、償還の時期と金額が決められた定時償還と、発行者の都合で行える任意償還があります。


本日はここまでにします。
債券がどういったものなのか。
債券にはたくさんの種類があることを理解していただければ幸いです。
次回も引き続き「債券」について記載していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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