金融商品取引所
おはようございます。
キツネの目と申します。
本日は「金融商品取引所」について記載していきます。
よかったら参考にしてください。
・金融商品取引所
金融商品取引所は、内閣総理大臣の免許受けて金融商品市場を開設する金融商品会員制法人又は株式会社をいう。
・取引参加者
取引所金融商品市場における有価証券の売買及び市場デリバティブ取引は、当該取引所金融商品市場を開設する金融商品取引所の会員又は取引参加者に限り、行うことができます。
・取引参加者の種類
(1) 総合取引参加者
有価証券の売買を行うことができる者
(2) 先物取引等取引参加者
国債証券先物取引、指数先物取引、商品先物取引、有価証券オプション取引、国債証券先物オプション取引及び指数オプション取引ができる者
(3) 国債先物等取引参加者
国債証券先物取引及び国債証券先物オプション取引ができる者
(4) 商品先物等取引参加者
商品先物取引及び商品先物オプション取引ができる者
(5) 外国為替証拠金取引参加者
取引所外国為替証拠金取引(FX取引)を行うことができる者
なお、東京証券取引所の取引参加者は、総合取引参加者の1種類だけとなっています。
・市場区分の見直し
・プライム市場・スタンダード市場・グロース市場
東京証券取引所は、従来、市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQ(スタンダード及びグロース)という5つの市場に区分されていました。
しかし、これらの市場区分においては、下記のような問題点が見受けられていました。
1.市場第二部、マザーズ、JASDAQの基準が重複しているなど、各市場区分の基準が曖昧となっている。
2.新規上場基準は非常に厳しい反面、上場廃止基準が非常に緩やかであるため、上場後に積極的な企業価値の向上を促す仕組みが伴っていない。
上記のような問題点を解消し、国内のみならず海外の投資家にとって魅力的な市場を提供することを目的に2022年4月4日に、「プライム市場・スタンダード市場・グロース市場」の3つの市場に再編されることになりました。
各市場のコンセプト
・プライム市場
多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資者との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場
・スタンダード市場
公開された市場における投資対象として一定の時価総額(流動性)を持ち、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備えつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場
・グロース市場
高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗の適時・適切な開示が行われ一定の市場評価が得られる一方、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの市場
・取引所上場規程
金融商品(証券)取引所で株式等(有価証券)を売買するには、その株式等がその取引所に上場されていなければなりません。
上場の対象となるのは、金融商品取引法上の有価証券に限られます。
株式・国債証券・地方債証券など(小切手・約束手形は除く)
上場するには、発行者からの申請が必要(国債を除く)
上場が認められるには、上場審査基準をクリアしなければなりません。
この基準は金融商品(証券)取引所ごとに異なります。
・取引所上場のメリット
有価証券上場のメリットには、発行者にとってのメリットと投資家にとってのメリットがあります。
発行者(会社等)のメリット
資金調達が容易になる・多額の資金調達も可能になる
信用力が高まる
知名度が上がる
投資家のメリット
売買の機会が拡大する・換金性が高まる
資産価値・担保価値が増大する
発行者の経営や財務に関する情報が入手しやすくなる
・上場規程
各取引所で上場基準は異なりますが、ここでは東京証券取引所を例に見ていきます。
上場基準には形式基準と書類や質問による実質審査があります。
・有価証券上場規程
形式審査
3つの市場区分(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場)のうち、ここでは、スタンダード市場への新規上場について確認しておきます。上場審査については、最初に下記の形式要件すべてに適合することが必要です。
①株主数400人以上
②流通株式
流通株式数2,000単位以上
流通株式時価総額10億円以上
流通株式数(比率) 25%以上
③事業継続年数
3か年以前から取締役会を設置して、継続的に事業活動をしていること
④純資産の額
連結純資産の額が正であること
⑤利額の額
最近1年間における利益の額が1億円以上であること
⑥虚偽記載又は不適正意見等
a. 最近2年間に終了する事業年度に係る有価証券報告書等に「虚偽記載」なし
b. 最近2年間(最近1年間を除く)に終了する事業年度に係る財務諸表等の監査意見が「無限定適正」又は「限定付適正」
c. 最近1年間に終了する事業年度に係る財務諸表等の監査意見が原則として「無限定適正」
d. 次の(a)及び(b)に該当するものでないこと
(a)最近1年間に終了する事業年度に係る内部統制報告書に「評価結果を表明できない」旨の記載
(b)最近1年間に終了する事業年度に係る内部統制監査報告書に「意見の表明をしない」旨の記載
⑦株式事務代行機関の設置
当取引所の承認する株式事務代行機関に委託しているか、又は当該株式事務代行機関から株式事務を受託する旨の内諾を得ていること
⑧単元株式数
100 株となる見込みのあること
⑨株券等の種類
市場区分の変更申請に係る内国株券が、次のaからcのいずれかであること
a.議決権付株式を1種類のみ発行している会社における当該議決権付株式
b.複数の種類の議決権付株式を発行している会社において、経済的利益を受ける権利の価額等が他のいずれかの種類の議決権付株式よりも高い種類の議決権付株式
c.無議決権株式
⑩株式の譲渡制限
株式の譲渡につき制限を行っていないこと又は制限を行わないこととなる見込みのあること
⑪指定振替機関における取扱い
指定振替機関の振替業における取扱いの対象であること又は取扱いの対象となる見込みのあること
⑫合併等の実施の見込み
次のa及びbに該当するものでないこと
a.市場区分の変更申請日以後、同日の直前事業年度の末日から2年以内に、合併、会社分割、子会社化若しくは非子会社化若しくは事業の譲受け若しくは譲渡を行う予定があり、かつ、申請会社が当該行為により実質的な存続会社でなくなる場合
b.申請会社が解散会社となる合併、他の会社の完全子会社となる株式交換又は株式移転を市場区分の変更申請日の直前事業年度の末日から2年以内に行う予定のある場合(市場区分の変更日以前に行う予定のある場合を除く。)
実質審査
上記の形式基準に適合したものについては、発行者に関し、下記の実質審査を行うこととされています。
①企業の継続性及び収益性
継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること
②企業経営の健全性
事業を公正かつ忠実に遂行していること
③企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性
コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能していること
④企業内容等の開示の適正性
企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること
⑤その他公益又は投資者保護の観点から東証が必要と認める事項
・上場廃止基準
東証に上場されている株式の上場廃止については、下記の項目による上場廃止基準に基づいて行われます。
以下の項目の1つでも該当した場合は、上場廃止となります。
上場維持基準への不適合
銀行取引の停止
破産手続、再生手続又は更生手続
事業活動の停止
不適当な合併等
支配株主との取引の健全性の毀損
有価証券報告書又は四半期報告書の提出遅延
虚偽記載又は不適正意見等
特設注意市場銘柄等
上場契約違反等
株式事務代行機関への委託
株式の譲渡制限
完全子会社化
指定振替機関における取扱い
株主の権利の不当な制限
上場会社による株式の全部取得
株式等売渡請求による取得
株式併合
反社会的勢力の関与
その他
ただし、上場廃止基準に該当する恐れがある場合や発行者から上場廃止申請が行われた場合、直ちに上場廃止になるわけではなく、一定期間監理銘柄に指定することができます。
これは、投資家に上場廃止(の恐れ)の事実を周知させ、その期間にも売買ができるようにするためです。
さらに、上場廃止が決定された場合は、投資家に周知したうえで、整理銘柄に指定します。
・優先株の上場審査基準・廃止基準
優先株等を上場させる場合は、普通株と異なる基準が設けられています。
上場基準
・普通株式を上場していること
・株主数、流通株式数、時価総額の基準を全て満たしていること
・剰余金配当が見込めること
・企業内容等の開示を適正に行えること
廃止基準
いずれか一つに該当する場合は上場が廃止される
・株主数、流通株式数、売買高、優先株等としての存続期間満了など
・普通株が上場廃止
・転換社債型新株予約権付社債券の上場基準・廃止基準
転換社債型新株予約権付社債券も上場させることができ、この場合も転換社債型新株予約権付社債券の上場審査基準が設けられています。
上場基準
・普通株式を上場していること
・発行額面総額が20億円以上であること
・新株予約権の行使の条件が不適当なものでないことなどを定めています
廃止基準
いずれか一つに該当する場合は上場が廃止される
・株主数、流通株式数、売買高、優先株等としての存続期間満了など
・普通株が上場廃止
・業務規程
・取引区分
有価証券の売買には、立会市場による売買と、立会市場以外の売買があります。
立会市場における売買
売買立会いによる売買
普通取引
売買成立日から起算して3営業日目に決済する取引
(国債は2営業日)
例:売買=火曜日→決済=木曜日
当日決済取引
売買成立日に決済する取引
発行日決済取引
有償株主割当増資が行われる際に発行される新株式について、その新株式が発行される前の段階で行う売買。
権利落日から証券保管振替機構における新株式の新規記録日の2営業日前まで取引され、決済は売買の約定日に関わらず発行日決済取引の取引期間の最終日から起算して3日目の日に一括して行われる。
売買立会による売買以外
過誤訂正等のための売買
やむを得ない事由で、正しく売買できなかったときに行う売買
立会外分売
金融商品取引所の立会時間外を利用して、大株主などの所有株を多くの投資家にあらかじめ決められた価格で売却する場合に行われる
・立会市場以外の売買
立会市場以外の売買とは、東京証券取引所の市場のうち、立会市場以外の市場である「ToSTNeT市場」において行われる有価証券の売買のことをいいます。
ここでは、つぎの4つの取引が行われています。
単一銘柄取引
バスケット取引
終値取引
自己株式立会外買付取引
※決済
証券が市場で取引された場合に、取引された証券の引渡しと、売買代金の支払を行うこと。
※ToSTNeT(Tokyo Stock Exchange Trading NeTwork System)
東京証券取引所の立会外取引。
立会市場に上場する、内国株、外国株、ETF、REIT、転換社債型新株予約権付社債(CB)は、ToSTNeT市場にも上場します。
・外貨による金銭の授受
有価証券の売買における代金などの金銭の授受は基本的に円貨で行うことが前提です。
ただし、取引参加者同士が同意した場合は、外貨での授受も可能になります。
・配当落ち、権利落ちの売買
配当落ち
配当を受ける権利がなくなること。
(配当落ち日=株主の権利確定日=この日に株主名簿に登録されている株主が配当を受け取る)
権利落ち
株式分割や新株を引き受ける権利がなくなること。
配当落ち・権利落ちした株式は、配当等の分だけ価値が下がるとみなされ、株価に影響を与えます。
このとき、権利確定日の前日(1営業日前)から、配当落ち・権利落ちとして売買します。
・現物取引と信用取引
・現物取引
一般的に株式取引というと現物取引を指します。
買う側は自己資金の範囲内のお金を支払い、売る側は保有している株式を渡します。
普通にイメージする取引です。
・信用取引
信用取引とは、資金を借りて株式を購入したり、株式を借りて売却する取引のことをいいます。
信用取引を行う場合は、証券会社に一定の保証金を預けます。
保証金は、実際に借りる資金や株式の一部に相当する額でいいので、信用取引では自己資金の何倍もの取引が可能になります。
信用取引には次の2つの種類があります。
制度信用取引
品貸料などの取引条件については取引所の規程に従い、取引所が指定した銘柄のみ取引ができる制度です。
一般信用取引
証券会社と顧客が合意した内容に従って行う取引です。
・売買立会
売買立会(ばいばいたちあい)とは、証券取引所内で証券会社が売買取引を行うことをいいます。
単に立ち合いともいいます。
東京証券取引所の株式の売買立会時間は、前場が9:00~11:30、後場が12:30~15:00までです。
・取引の方法
・売買呼値
呼値とは、株式や国債を注文するときの値段のことです。
呼値には単位があり、取引するときにはその単位で注文する必要があります。
例えば、呼値が10円単位だった場合、6,000円の株式に注文を出そうとしたら、6,010円とか5,990円といった10円刻みの注文を出すことになります。このとき6,005円の注文はできません。
・売買単位
株式の売買では、単元株制度というものがあり、1単元の株数を決めている会社の株式は、1単元の株式数で売買します。
例えば、1単元が100株としているA社の株式を買う場合、100株、200株・・というように100株の整数倍で売買を行います。
なお、1単元の株数を定めていない会社の株式は1株から売買できます。
また、国債の売買単位は、額面5万円です。
・注文方法
売買注文の方法には、指値注文と成行注文があります。
・指値注文
指値注文とは、売買価格を指定して注文をすることです。(いくら以下で買う。いくら以上で売る。)
メリットとして、自分の希望価格で取引ができる点があります。
一方、デメリットとして、価格が折り合わないと売買が成立しないというデメリットがあります。
・成行注文
成行注文は、売買価格を指定しないで注文することです。(いくらでもいいから買う。売る。)
メリットとして、値段を指定しない分だけ売買が成立しやすいです。
デメリットとして、自分の思った金額で売買が成立しないことがあげられます。
・取引の原則
証券取引所における株式の売買には、重要な原則があります。
その重要な原則とは、成り行き注文優先の原則、価格優先の原則、時間優先の原則の3つです。
・成行注文優先の原則
成行注文優先の原則とは、成行注文が指値注文に優先して成立するということです。
同じ株式の売買では、値段を指定していない注文から優先して成立します。
・価格優先の原則
価格優先の原則は、同一銘柄に複数の注文がある場合は、低い売値が高い売値に優先し、高い買値が低い買値に優先するというものです。
つまり、買い注文を出している人は高い価格での注文から順に約定されていき、売り注文を出している人は安い価格での注文から順番に約定されていくということです。
どちらが優先されるかを判断するコツとして、自分が、それぞれ売り手、買い手の立場に置き換えた時に「自分に不利な方が優先される」と覚えておく。
・時間優先の原則
時間優先の原則は、早く発注したものが優先するというものです。
同じ価格で複数の注文がある場合、早く注文した方を優先して取引を成立させます。
・値段の決め方
取引所での取引では、板寄せ方式・オークション方式(ザラ場方式)というものがあります。
・板寄せ方式
利用されるタイミング
・立会開始時、終了時
・売買中断後の再開時
・特別気配・連続約定気配の表示時
約定価格の決まり方
売り注文と買い注文から、一定のルールで価格を算出し、成立した取引は全て単一の価格となる。
・オークション方式
(ザラ場方式)
利用されるタイミング
・立会開始時、終了時
・売買中断後の再開時
・特別気配・連続約定気配の表示時
以外の間の時間帯
約定価格の決まり方
価格優先の原則、時間優先の原則に従い、合致したものから順に約定する
取引所が始まる時点では、様々な注文が出されていて、この状態から取引を開始させるには、最初の値段「始値」を決める必要があります。
このとき板寄せ方式によって値段を決めます。
・板寄せ方式
板寄せ方式は、次のルールで値段を決めます。
成行注文の全てが約定する
約定価格より高い買い注文と安い売り注文が全て約定する
約定価格における注文は、売り注文または買い注文のいずれか一方すべてについて約定する
・値幅制限
証券取引所は、株価の過度の乱高下を防止するために、値幅制限を設けています。
値幅制限とは、株価が1日に変動できる上下の範囲を制限するものです。この制限値幅の限界まで上昇することをストップ高、下落することをストップ安といいます。
本日は以上となります。
次回は「株式」について記載していきます。
よかったら参考にしてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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