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#62 Edson Barboza vs. Lerone Murphy のプレビュー ~バルボーザ vs. マーフィー。ストライカー対決を制するのはベテランの経験か?それとも無敗の勢いか?~

対戦カード概略

 UFC Fight Night: Barboza vs. Murphyのメインイベント。ベテランストライカー、エジソン・バルボーザと無敗の英国ファイター、リローン・マーフィーの対戦です。UFCで脅威の30戦目を迎えるバルボーザはハイライトリールに残るような後ろ回し蹴りによるKOが印象的なファイター。元々ライト級も連敗を経てフェザーに落としたベテランです。対するマーフィーはイングランド出身ということもあるのかウェルター級王者のエドワーズの雰囲気も感じさせる選手。ちょっと特徴が掴みにくいのですがUFCデビュー戦をドローだったものの以降は5連勝。ここで名前のあるバルボーザは大きなチャンス/転機になる試合かもしれません。オッズはわずかにマフィーを支持。バルボーザはベテランの意地をみせ無敗の選手の壁となるか?

ランキング:バルボーザ#12、マーフィー#NR
オッズ  :バルボーザ+125、マーフィー−150
参照   :

Edson Barbozaについて

スペック

年齢:38
身長:181
リーチ:191
スタンス:オーソドックス

戦績

24-11-0
勝利内訳
・KO:13
・一本:2
・判定:9
敗北内訳
・KO:4
・一本:2
・判定:5
直近戦績
Win - Yusuff
Win - Quarantillo
Loss - Mitchell
ファイター印象
>強烈な足技が印象的。特にホールキックKOは衝撃の一撃。

SWOT分析

強み:KO力のある蹴り技、進化したボクシングテクニック、TDD
弱み:プレッシャーにやや脆い、強力なレスラーには漬けられる傾向、年齢
機会:相手がスロースターター、相手をTDできるかもしれない、圧倒的な経験の差
脅威:相手の運動能力、相手の強力な打撃、組の展開で差が出ると厳しい

コメント

 ムエタイストライカー。ブラジル出身ですがATTでの練習を重ねています。この選手を語る際には印象的なKO勝利とセットになると思います。何より印象的なのはテリー・エティムを失神させたホイールキック。また、負けはしましたがケビン・リーを千鳥足にさせる一撃もヒットさせています。そしてダリウシュを仕留めたカウンターの跳び膝蹴り。相手のジャブへのカウンターという神技で、相手の攻撃を読みきっての一撃。ロー、ミドルキックも破壊的なパワーを持っており、さらにはボクシング技術も向上させています。決してレスリングや寝技の印象がある選手ではありませんが堅実で防御的なレスリング技術を持ち合わせており、強力なレスラーのテイクダウンをなんとか凌ぐ能力を持ち合わせています。ただし一流のレスラーや組み伏せることができる選手に苦戦することには変わりありません。
 明らかな弱点としては強烈なプレッシャーを持つ選手には押し込まれがちである点が挙げられると思います。最大の強みである強力な打撃、特に蹴り技を生かすためにはある程度の距離が必要で、相手も当然それをわかっているので死に物狂いで距離を詰めてきます。ただし、以前はそのような相手の前に出るプレッシャーに明らかに手を焼いていたものの、直近のユサフ戦では前に出てくる力強い相手に1Rは手を焼くものの徐々に巻き返し、スタンドで上回り、最終ラウンドにはTDも決めてしまうというベテランらしい戦いを見せました。

Lerone Murphyについて

スペック

年齢:32
身長:175
リーチ:187
スタンス:オーソドックス

戦績

13-0-1
勝利内訳
・KO:7
・一本:0
・判定:6
敗北内訳
・KO:0
・一本:0
・判定:0
直近戦績
Win - Culibao
Win - Santos
Win - Amirkhani
ファイター印象
>ちょっと特徴を掴みづらい選手。ただし不気味なポテンシャルを感じる。

SWOT分析

強み:運動能力、KO力、スクランブルから挽回する能力
弱み:スロースターで序盤にピンチを迎えがち、TDD
機会:フィジカルで圧倒する可能性がある、近い距離で有利、無敗
脅威:打撃技術で劣る可能性がある、長いラウンドの経験の差、TDされる可能性がある

コメント

 無敗の選手。ですがちょっと印象に欠ける選手に思っています。同郷のウェルター級王者=レオンエドワーズにちょっと見た目もファイトスタイルも似ている気がします。堅実でやや地味な戦い方もなんだかんだでしっかり勝ち切る力を持つ。何より無敗であることがその強さの証明なのだと思います。
 どちらかというとストライカーに分類されるファイターだと思います。基本はオーソだと思いますがスムーズなスイッチを見せ両側から強力な打撃を放つことができます。なんとなく体のバネを感じさせる柔らかな動きで運動能力の高さを感じさせます。TDされてもスクランブルから立ち上がる強さを見せますがこれも身体能力のたかゆえなのかと思ったりします。
 弱みとしてスロースターターの傾向であると思います。UFCデビュー戦のvsツフゴフでは序盤にダウン、そこからパウンドをまとめられる大ピンチ。また、勝利したもののvsアミルカーニでは1R TDからトップキープされ圧倒されてしまいました。まぁ2R早々に膝蹴りで失神させるという殺傷能力の高さを見せつけるのですが。。。また、全体的にややTDされがちという点も不安点ではあります。初の5Rで疲れた後半、どのような戦いを見せるかも不確定要素になるかと。

試合内容について

勝者予測

 勝者予測はバルボーザです。個人的にもバルボーザを応援しています。5Rのメインイベント。ベテランらしく無敗のプロスペクトを弾き返すような判定勝利を予測します。 

予測/考察

 この戦いは強力な打撃を持つ危険なストライカー同士の試合になります。この試合がスタンドのKOで終わっても不思議ではありませんがバルボーザがそのような派手な試合にはさせない巧みさを見せるのではないかと思います。 
 おそらくマーフィーが前に出てプレッシャーをかける。バルボーザが距離を保ちつつ蹴りで戦い、パンチにはカウンターを狙う。そんな打撃戦を予想します。距離が遠い限りは流石にバルボーザがコントロールするのだと思います。一方で詰まった距離で組になった際、どちらが優れるのかがこの試合の結末を大きく左右するのでは。組力でバルボーザが遠い距離の設定を優先しつつ近くなれば組んでしまえる戦い、なんならTDもできちゃうのでは?そのまま判定をものにする戦いを予測します。一方でマーフィーの運動能力やフィジカルが想定以上の場合、バルボーザの弱みである圧をかけられた時の脆さが顔を出し非常に厳しい展開になることもあり得ると考えます。個人的には前者の展開を予測し、楽勝ではないものの近い距離でもしっかり対処をしつつ打撃技術でバルボーザが有利に試合を運び、後がなくなり疲れたマーフィーを後半RにTDしてベテランらしく支配する。そんな展開を考察します。
 ただ、無敗の地味な選手が一気にライジングしていく際にとんでもない激勝を挙げることもままありますのでそんなタイミングが今回来ると一気にマーフィーの今後に期待が高まるかも。。。

終わりに

 本興業ではメインイベント以外では連敗脱出を目指すヤネスの試合、UFCデビューの無敗フランス人ファイター=ウマル・シーの試合なんかが注目すべきものになると思います。特にライトベビー級の大型新人ウマルには注目度が高いのではないでしょうか?現在のUFCライトヘビー級トップランカー陣は確かに強いもののいずれも選手も穴があるように思われ、連勝で一気に駆け上がれば数年後には王者。ということもあるかもしれません。まずはUFCデビュー戦、どのようなパフォーマンスを見せるか楽しみにしたいと思います。 

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