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#53 Dustin Poirier vs. Benoit Saint-Denis のプレビュー

対戦カード概略

対戦概要 :BSDが大物食いで一気に駆け上がるか?ダイヤモンドが意地を魅せて再び輝くか?
ランキング:ポワリエ#3、サン・デニ#12
オッズ  :ポワリエ+145、サン・デニ−175
参照   :

Dustin Poirierについて

スペック

年齢:35
身長:175
リーチ:185
スタンス:サウスポー

戦績

29-8-0 (1 NC)
勝利内訳
・KO:15
・一本:7
・判定:7
敗北内訳
・KO:3
・一本:3
・判定:2
直近戦績
Loss - Gaethje KO
Win - Chandler SUB
Loss - Oliveira SUB
ファイター印象
>ホットソース大好き。イケメンストライカー。ATT所属。マクレガーと3度戦った男。

SWO

強み:①ボクシング技術、②カウンターギロチン、③カーフキック
弱み:①TDD、②やや打たれ弱い、③年齢
機会:①ボクシング技術、②カーフ、③経験
脅威:①サイズの差、②相手の勢い、③テイクダウン

コメント

 元ライト級暫定王者。もともとはフェザー級。血気盛んな印象がありましたがライト級に上げ経験を経て、以前よりは落ち着いた印象を見せます。
 元々人気選手ではりますが、フェザー級から続いたマクレガーとの因縁の対決へを経てさらなる人気を得たと思います。直帰の対戦相手もゲイジー、チャンドラー、オリベイラとトップどころばかり。そしてここにきて相手はサン・デニ。もっとネームバリューがありやりやすい対戦相手候補もあったのではないかと思ったりもしますが、この対戦を受けたところがまたかっこいいなと感じます。
 スタイル的にはストライカー。優れたボクシングテクニックを持ち、サウスポーからスイッチしながらパンチを繰り出していきます。パンチのコンビネーションが印象的でラッシュ時で相手を追い詰めることができます。また、カーフキックも強力でマクレガーの足を破壊したのが最も印象的。
 どうしても打撃の印象が先行しますが、柔術は黒帯。極めたところは見たことありませんが相手のタックルに合わせたカウンターギロチンをたまに仕掛ける印象があります。
 TDDについてはやや問題があるように感じます。特にケージ際につめらてダブルレッグで寝かされる印象。もちろん他のライト級選手に比べて極端に劣るとは思いませんがヌルマゴメドフ、オリベイラといったトップクラスの選手にはTDから一本負けを喫してしまっています。・・・まぁこの二人には他の多くの選手もやられているので仕方ないともいえるのですが。
 ストライキングが強いのは間違いないのですが、ややガードが甘くなる点、打たれて効かされる場面を見ることがあります。特に直近のゲイジー戦ではまさかのハイキックでKO負け。年齢的なものもありちょっとダメージが心配。また、ラッシュで仕掛けるシーンが印象的ですがやや出力し過ぎて失速するようにも思われます。
 攻撃的でタフなサン・デニ相手というのは年齢と経年ダメージ的な意味で不安要素。どのような戦いを見せるか期待と不安が入り混じります。

Benoit Saint-Denisについて

スペック

年齢:28
身長:180
リーチ:185
スタンス:サウスポー

戦績

13-1-0 (1 NC)
勝利内訳
・KO:4
・一本:9
・判定:0
敗北内訳
・KO:0
・一本:0
・判定:1
直近戦績
Win - Frevola KO
Win - Moises KO
Win - Bonfim SUB
ファイター印象
>フランス人。今勢いのあるストライカー。

SWOT分析

強み:①プレッシャー、②ミドルキック、③柔道黒帯
弱み:①少々パンチが雑、②ガードが下がりがち、③長いラウンドの経験が少ない
機会:①若さと勢い、②テイクダウン、③タフさ
脅威:①経験値の差、②相四つのためミドルキックが刺さらない、③相手のボクシング技術

コメント

 敗戦はUFCデビューのウェルター級の対戦のみ。将来を期待されるフランス人ファイターです。柔道黒帯、柔術茶帯の実績を持ちます。バックボーンは軍人。ブライアン・スタンやティム・ケネディを思い出しますね。
 攻撃性が高く非常に強気な選手という印象があります。常に前に出ていく強烈なプレッシャーを持ち、ミドルキックとパンチで前に出ていきます。ケージ際まで追い詰めた相手をパンチラッシュとTDの二択で追い詰めていく攻撃が印象的。
 直近の三試合も強烈なプレッシャーで相手を詰め、攻撃をまとめて仕留めています。フィニッシュ力が非常に高く、キャリアで判定負けが一度もありません。柔道バックボーン故なのか、フィジカルが非常に強そうで、組が強いのは勿論、打撃で前に出る原動力にもなっている気がします。UFCデビュー戦のザレスキ戦もウェルターの相手にもかかわらず組負けることがなく、体の強さを感じさせました。
 また、タフさも印象的でザレスキ戦はあわやKO負けの場面から驚異的なタフさを見せ、疲れた相手に再び強打で襲い掛かる闘志の強さも見せました。人気が出るのも納得の戦いぶり。
 スタイル的にはストライカーに分類されると思うのですが、テクニカルな。というよりは身体的な強さを背景にした推進力が強さの根源になるのだと思います。よってより打撃が優れる相手と戦った際にどうなるのか?という点が気になります。ラッシュ時もあまりにも攻撃的でがっつりガードが下がっている点が目立ち、優れたストライカー相手ではよもやカウンターで打ち抜かれるかも。。。
 組もテクニカルというよりはフィジカルの強さを感じさせ、疲れた際/ピンチの時に組に行ける選択肢があるのは素晴らしい一方、ちょっと首を突っ込んでタックルに行く場面が見られ、カウンターギロチンとか大丈夫なのかな。。。と気にはなります。
 今回の対戦相手はキャリア史上最強の相手。しかも初の5Rでどのようなパフォーマンスを見せるのか?それともこれまで通りなのか?楽しみです。

試合内容について

勝者予測

 勝者予想は、不安な面はありますがポワリエです。後半ラウンドKO。もしくは効かせてからの一本勝ちを期待します。この二人の対戦で判定は無いかな?と思います。

予測/考察

 ポワリエにとって最も重要なことはサン・デニのプレッシャーに負けケージ際まで詰められることだと思います。体格に勝る相手に押し込まれ、打撃と組の二択を迫られるとかなり厳しくなってしまうと思います。特にケージ際でTDされると防げず、立ち上がることも困難になるのでは?
 一方で打撃技術の優位性は明確にポワリエだと思います。お互いに蹴って殴れるファイターですが、ポワリエのほうがパンチ技術に優れ、お互いサウスポーの相四つで向き合った際、効果的に蹴れるのがポワリエのカーフになると考えます。また、体格では劣るもののリーチは同じポワリエとサン・デニ。スタンドでしっかりとポワリエ。ラフなラッシュにはカウンターも刺さるかもしれませんし、パンチで効かせて雑なタックルに来たサン・デニにカウンターのギロチンが決まるような展開になれば胸アツですし期待します。(ATT勢のギロチンが見たい!!)
 ポワリエの最大の懸念点は、前戦のKO負け、そしてサン・デニとの年齢差。思った以上に落ちてしまっていればサン・デニのプレシャーと勢いに飲まれてしまう可能性もあるかと。また、どの段階であってもTDの脅威があることは否めません。
 個人的な期待も込めて、ポワリエがその輝きを再び見せてくれることを期待しながらこの対戦を観戦したいと思います。

終わりに

 本興行は翌月の超豪華UFC300に勝るとも劣らずの超豪華カードが並んだ大会だと思います。取り上げたポワリエvsサン・デニ、メインのオマリーvsヴェラは当然の事、メインカードはすべて見逃すことができない対戦ばかりですし、MVPおnUFCデビュー戦が設定されています。さらにプレリムもブレイズvsアルメイダのとても興味深い対戦、ガムロットvsRDAの熱いグラップリング対決。テコンドーメダリスト=デスパイネのUFCデビュー。そして個人的に好きなファイター=ジョアンウッドの復帰戦もあります。
 第一試合からすべて観戦となるとなかなか厳しくはありますが、久々にできる限りすべてライブ観戦をしたいと思える興行。楽しみたいと思います。

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