絶対階級学園 感想 ネタバレ

 三国恋戦記でお馴染み、Daisy2さんの新作乙女ゲーです。2年ぶりに乙女ゲー買いました。事の発端は、先日部屋で埃をかぶっていたPSPラディアントレッドちゃんが目につき、VitaminX(大好きなゲームです)をプレイ。ひと通り再プレイし乙女ゲー欲が高まったので、何か面白いのないかなーとAmazonでボーっと探していた時に目についたのが、絶対階級学園でした。

 思い返してみると最後に買った乙女ゲーは三国恋戦記 おもいでがえし…。あの頃は、三国恋戦記にドはまりしていました。PC版、PSP版、サントラ、FD、持っています…。しかし、Daisy2の古参ユーザーに対する無慈悲な対応(店舗特典CDまとめて販売、PSP版追加要素を加えたPC新装版)に堪忍袋の尾が切れ、一作目にしてこれか!もうこいつは見限った!と、当時すでに発売予定されていた絶対階級学園のことも忘れ、すっかり乙女ゲーからは足が遠のいていました。

 なんか評価高いし、面白いのか?と、体験版をひとまずプレイ。お、お、面白いじゃないですか、体験版にあるまじきボリューム、これは買いだ!とあの頃憤っていた気持ちもさっぱり忘れ、購入。なんとなく一番好きになりそうな陸様の特典がつく公式通販で買いました。まだこの商法なのね…。

 5日でフルコンプしました。今はゲームする時間がかなり取れるので、3日でフルコンプできるんじゃないかと思っていたんですが、壱波の薔薇HappyENDのあまりの衝撃にその後一日手が付けられなかったです…。というか、これはプレイした順番が悪かった!おいしいものは先に食べる主義なので先に気になっていた薔薇様方の石ころルートをプレイ。かなりの充実感を味わい、ここいらで巷で地雷、地雷言われている加地壱波くんをやっとくかと思ったんですよ…。ミツバチ、石ころ階級の攻略キャラには主人公の身分が高いと恋愛に苦悩してくれるのかと思ったんですよ…。浅はかでした。

以下、かなり偏ったキャラ別感想 HappyEND至上主義なので大体のBadは見なかったことにしています(苦笑)

鷹嶺 陸=======================================こういうわかりやすい俺様ツンデレ好きです。というか彼は近年珍しい典型的なツンデレキャラです。「お、お前のためじゃないんだからなっ!」とかマジで言うキャラ久しぶりに見ました。かわいいよ。彼は最初から主人公のことが気になってしかたがありません。

 石ころルートでは主人公を世話係に任命、こき使いまくります。だが、それも気になってしまうがゆえ…。そんな行為が仇となり、彼は石ころ落ちする危機に瀕するのですが、そこで本領発揮。紳士としての誇りを胸に真面目に問題に対処していきます。ここがすごくすごくかっこいいです。紳士というワードに私、弱いのですよ。罪を着せられ、石ころに落とされるのと、自ら望んで石ころに落ちるのでは全然違うと、最後は主人公との恋のために自らの身分を捨てようとしてくれます。なんて、紳士なんだ、お前…。気持ちのいいルートでした。他キャラにも言えるのですが、今までの価値観が誤っていたんだと気付き、それに逃げずに正面から向きあおうとするのは立派ですね。

 対して、薔薇ルート。こりゃ、すごい…。びっくり…。主人公が薔薇階級になり、陸様大喜び。なんでもしてくれます、何百本もの薔薇のプレゼント、二人の中を見せつけるためのパーティー、石ころ階級の生徒を利用した出し物。この時点でもう私はドン引きなのですが、主人公は薔薇階級になることで、当初の価値観が変わっているので、身分に合った振る舞いをなさる陸様素敵!と、まあこんな調子です。しかし、あまりの傲慢さにレイ様を始め、学園の生徒も陸様は薔薇階級にふさわしくないんじゃないかと思い始めるのですが、そこを主人公が見事な立ち回りでフォローします。すごい…、貴族の妻って本当にこんな感じなのかもな…。陸様の薔薇ルートは割と嫌いじゃないです。もう一回見てもいいというレベルで。もう2度と見たくないキャラもいるので…。体験版でのポーチを探してくれるイベントでの、あまりの素直じゃなさに私の心はノックアウトされ、最萌キャラになるかもと思っていたのですが、最初にプレイしたのは彼じゃない…。ポチってから、別の薔薇様のことが急に気になりだしてしまったので…。

鷺ノ宮レイ=====================================もうこの人が好きで好きでたまりません。絶対階級学園が届くまで、何回も体験版をプレイしたのですが、だんだん彼の優しさが心に沁み、一番気になるキャラに。陸様には悪いけど特典レイ様の店舗で買えばよかった…。ということで、一番はじめにプレイしたのはレイ様です。でもこれはやめておいたほうがよかった!彼、メインキャラじゃないですか、ジャケットあんなに陸様メインキャラっぽいのに!

 石ころルートで彼の重大な秘密、もう1つの人格ショウのことが判明するわけですが、彼は他キャラのルートで夜中徘徊してるんですよ。で、これはどういうことだと他キャラのルートでは謎な感じになるのですが、もう私の場合最初で判明してしまいました…。そうか…二重人格だったのか。ショウは攻撃的な人格なんですが、主人公を守りたくて必死です。でも主人公はショウを受け入れない、切ない。ショウは報われないですよね。そんなレイ様石ころルートですが、レイ様はショウが主人公を傷つけるんじゃないかと、せっかく良い雰囲気になったのに、主人公を遠ざけようとしてきます。そもそも最初は利用するために近づいたんだという告白とともに。もうこれ、めちゃくちゃショックでした。あの優しさは演技だったのか…レイ様。君が妹だったら自慢だけど、妹だったら困るな(微笑み)みたいなセリフや、主人公の好きそうなクッキーやマカロンを用意してくれたのは、全部演技だったのかっ!ともう私も主人公も心が折れそう。でも主人公はくじけない!(私はくじけた)レイ様に体当たりで向きあおうとします。その結果、前述のようにショウから守るためだったんだと判明するわけですが。でもこれは彼の弱さゆえの行為ですよね。ショウと向きあおうとせず、逃げに走るという。まあ、最後にはショウとも学園の謎ともちゃんと向き合っていこうとするんですがね。

 さて、次に薔薇ルート。どのキャラの薔薇ルートでも出てくる三宮摩耶子さんのいじわるがものすごかったです。なんなんだ、こいつ、もう出てくるなよ…と何度思ったことか。薔薇階級に上がってレイ様の恋人にはあっさりなれた主人公ですが、レイ様にふさわしくあろうとするために不正行為を繰り返してしまいます。それが最もふさわしくないのに行為なのに。レイ様はそのことに気づいていて、主人公のことを心配しているわけなんですが、私もう苦しいわ!薔薇ルートは苦行か!と二人のすれ違いっぷりに悶え苦しみました。最終的にはレイ様に全て打ち明け、これからまた2人の関係を築きなおそうというのが、HappyENDです。薔薇ルートの中では比較的ダメージが少ないENDなんですが、レイ様大好きな私は、レイ様を裏切るような行為をしていることに耐えられませんでした…。ちなみに彼はBadENDでは病みます。基本Badは二度と見ないのですが、これは3回くらい見ました。好きなんですよね…レイ様の、君は悪い子だね、が。それと薔薇ルートで出てくるマルティーニの「愛の喜びは」という曲は、以前からとても好きな曲だったので出てきてくれて嬉しかったです。サントラ、たぶん買うだろう。

 それと、どうでもいいことなのですが、レイ様制服似合いすぎじゃないですかね。王子様的着こなしがかっこ良すぎます。ベルトはちょっと疑問ですが。上着のベルトと、ズボンのベルトは別なのか?

七瀬十矢======================================頼れる兄貴分です。この人に付いて行けばと大丈夫という安定感が一番あったと思います。

 彼はもともと石ころ階級なので、石ころルートでは階級移動で不安な主人公にとても優しく、親切です。一緒に行動するようになるのですが、やがて彼の心の潔癖さが明らかになります。彼は心が強い人なので、普通の人が持っている弱さからの逃げの行動が許せないんですよね。彼が主人公と出会い、行動を共にするうちに「許す」ことを知るというのが話の筋です。上手くまとまっていていい話だったのですが、強引にキスするのはやめてほしい。ショウにも言えることですが、ちゃんと許可をとってからしてください。あと思いがけず、ショウのスチルがあって嬉しかったです。

 薔薇ルートは、なんていうか…君、現実から目を背けすぎじゃないかね。主人公が薔薇階級になったことで、彼は憎みべき階級制度に苦悩しながらも、主人公との恋をやめることができません。主人公も十矢くんに希望をもたせるようなことを言うんですよ…。ずるい女だな…、嫌いじゃないけど。苦しい恋をこれからも続けていくというどうにもならない展開でした。

加地壱波======================================石ころでも薔薇でも色々やらかしてくれる壱波くん。彼は別にクズではないと思います。普通の男の子であるがゆえ、このゲームではクズに見えてしまうだけだと思います。彼、恋愛するのに向いてないんじゃないんですかね。

 石ころルートでは、主人公が石ころになった途端、彼の態度が急変します。ミツバチのときはあんなに親切だったのに!まあでも、それが階級制度に染まった人間としては普通の反応だよねと、私は特に気になりませんでした。壱波くんは壱波くんなりになんだかんだ優しくしようとしてくれます。彼は小狡い男ですからね、人が見てるところでは冷たくし、見てないところでは優しい態度を取ります。でも、彼の中途半端な態度に主人公は傷つくんですよ。それも分かる。そんなころころと態度変えられたら心がついていかないわな。最後は周りの目を気にせず、主人公と付きあおうという展開になるのですが、薔薇ルートから先に見てしまっていたので、いつまた彼が態度を急変させるか心配で心配で正直萌えてる場合じゃなかったです。立ち絵でシックスパックが綺麗に割れていたところは良かったです。意外とムキムキなのね。

 問題の薔薇ルート。途中まではいい感じだったんですよ。薔薇階級になっても二人きりのときは壱波くんは以前と同じように気を使わず気さくに話してくれるし、主人公も主人公で薔薇階級として壱波くんを守ろうとします。しかし、主人公が家族を軽んじ壱波くんを選ぶような言動が彼の地雷を踏むんですよ…。びっくりしました。あまりに突然スイッチが入るんですから!急に壱波くんは主人公への思いを捨て、冷たくなります。主人公はそれが受け入れられず、薔薇階級の権力を使って壱波くんを手に入れようとします。彼の心がどんどん離れていくのが、私には分かる…。最終的に主人公は壱波くんを手に入れるわけですが、壱波くんの心ここにあらず感がすさまじいです。もう主人公のこと、何とも思っていません。これがHappyENDです。私、こんな最後だなんてまったく想像してなかった…。ちゃんと薔薇は薔薇なりに途中はつらいけど、なんだかんだで両思いになるんだと思ってた。エンディングでHappyと表示された時は目を疑いました。ぜんっぜんHappyじゃありません!本当につらいENDなのですが、最後のスチルがとても綺麗なので、スチルだけは何回も見てしまいます。

五十嵐ハル=====================================生意気なかわいい年下です。あまり年下萌えはしないんですけど、彼は癒やしでした。

 石ころルートでは、階級が同じなので特に階級絡みの苦難がなく、精神的に楽でした。まあ、学園の謎とかうなされる悪夢とかの苦労はあるんですけどね。ハルくんは両思いになったら結構積極的ですね。人をおちょくったような態度をとりながらも、主人公のことが好きなんだなあという言動をしてくれます。あと、スチルがどれもめちゃくちゃ綺麗です。恵まれている。レイ様のスチルなんて1個菩薩みたいな顔してるやつあったぞ…。

 薔薇ルートがつらいのにはもう慣れました…。薔薇階級の主人公はハルくんと一緒に居たいがために、ハルくんを世話係に任命します。それが悪夢の始まり…。ハルくんを世話係にしたとはいえ仲良くしたかっただけなので、主人公は他の薔薇階級の生徒から薔薇階級らしくないと非難されます。ハルくんはそれを間近で見ているわけですから、少なからず主人公を思っていたハルくんは主人公が薔薇階級に馴染めるようにと世話係をやめてしまいます。主人公はそれにとても傷つくのですが、Happyではハルくんがやめた理由を知りハルくんともう一度向きあおうというENDで、Badではハルくんの気持ちを無視してまた世話係に任命、無理やり言うことを聞かせるというなんとも胸糞悪いBadです。首輪ついてたよ…。もうこの薔薇ルートは二度と見ないだろう。

真相========================================学園の謎はまあ、正直そんなところだろうと思っていたのですが、真相一周目で鏑木の本当の目的が主人公をお嫁さんにすることと知ったときには、心からくだらねーーーーーーーーー!!!!!!!!っと叫びました。お前、そんなことのためにこの学園つくったのかよっと。まあ、何回もやるうちに、そうか…と流せる境地には至ったのですが。全員の真相を見ると、石ころ、薔薇でのHappy、Badでどうしてそうなったのか理由が分かります。すべてに理由がある、それがこのゲームのすごいところだと思います。

 一周目は壱波くんでやりました。もうお前、ここで挽回するしかないぞと、私はお前をこれ以上嫌いになりたくないぞと祈りながら。結果、良かったです。彼はいざという時には意外と頼りになるんですね。鏑木の目的を知った時の「マジかよ…」も、ほんとそれなという一言でかなり好感度が回復しました。ここでようやく、薔薇ルートで主人公をあっさり捨てた理由が分かりました。お前、ずっと自分たちを捨てた母親の亡霊に取り憑かれていたのか。エピローグは幸せそうでよかった。遊び人は一生遊び人だと個人的に思っているのですが、彼はそんなことはないでしょう。きっと主人公を一途にこれからも愛し続けるはずです。

 次に、ハルくん、十矢くん、陸様、そしてレイ様という順にやりました。真相はどれも同じなのですが、キャラごとに判明する事実の量が違ったり、謎との向き合い方がそれぞれ個性があって面白かったです。でも、なんといってもレイ様!彼のルートはすごく気合が入っていました。みんなが幸せになるにはもうこのルートしかない。レイ様真相ルートはしょっぱなからレイ様が他キャラに嫉妬しまくりで飛ばしてくるのですが、十矢くんと協力して学園の謎を明らかにしていこうとする展開は熱かったです。確かにふたりともリーダー格ですもんね。なんとレイ様は鏑木の息子だったという衝撃の事実が判明するのですが、本当に驚きました。レイ様もぶっ倒れてたし。でもこれで薔薇Badの理由が分かりゾッとしますね…。やってることが鏑木と一緒じゃないですか…。エピローグでは、レイ様は王子様から普通の理系男子になってました。「僕にとってはピアノを弾くことも、機械をいじることも自然なこと」と自分で言ってましたもんね。彼にとっては白薔薇であり続けることも普通の学生であることも違和感のない自然なことなんでしょう。


 長々と書きましたがこのゲーム、一言で言うとめちゃくちゃ面白かったです。こんな夢中になれるゲームを5年に一本出してくれるというのなら、これからもDaisy2さんの手のひらの上で踊らされ続けます!三国恋戦記みたいに甘いドラマCDとか、ビジュアルファンブックとか、FDとか期待しています。


ああ~、レイ様と結婚したい。




 


 

 

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