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マーブルドラマ |3rd『はぐるま』自信喪失も編集だけが上手くなる

マーブルドラマ3作目。2023年3本作品をつくる、という3本目。
表向きとしては「3本」でしたが、公開された時点で4本目の製作準備が進んでいました。

3本目は私がとても楽しみにしていた、新津さん(coffeeジョキャニーニャ)の脚本でした。周りの人からどう思われているか分かりませんが、私はシュールでニヤニヤできる作品やブラックジョーク的なものが好きです。
私のイメージですが、新津さんの言葉選びは、そういった感じで、私が好きな台詞が入っているという確信がありました。

3rdは私があまり絡んだことが無い方にお願いするということで、お声を掛けた前後に、その方の舞台を観に行くことにしていました。
新津さんにはMasa&Kouさんの『まにまに』を観に行ったときにお声を掛けてご挨拶をさせていただきました。大晴くんは、まだお声を掛けていなかったのでご挨拶はしないようにしましたが、『東西本線文芸ショー』を観に行っていました。
オンライン上でのやりとりや作品作りですが、直接ご挨拶できる機会がある時は、できるだけ直接お願いしたり、お話をするようにしています。これは舞台をやる、となっても同じです。

ちょっと話はズレますが、私はコミュニケーションで齟齬が発生し、トラブルが起きるということはよくあると思っています。仕事でちゃんと指示を出さなかったためにミスが起きる。言葉で伝えるだけでは不十分で、声を掛けて紙に書いて掲示して初めてミスを防げる。LINEの文章のやりとりで誤解が生まれてこじれる。文章が長くなったとしても誤解を極力生まないように考えて文章をつくる。円滑に物事を進めるために、少し時間やコストをかけたとしても丁寧にコミュニケーションをとった方が後々良いと思っています。だから、ミーティングは沢山しますし、長文のLINEも良く投げます。とても面倒な人間ですが、それをせずトラブルが起きることの方がよっぽど面倒だと思っています。こういった事があるので、面倒だと思われて距離を取られることも、誘いにくいと思われることもありますが、ある意味そこである程度絞られているのかなとも思います。


自由度が高い脚本


今回の『はぐるま』という脚本は、とても自由度が高く、さらに間とテンポがめっちゃ難しいと思いました。役者さんによってかなり変わりそうだし、演出でも登場人物の関係性がいくらでも作れるんじゃないかと思いました。

作品を収録するまで、色々読んだり考えたりしていたのですが、収録が終わって編集に入って完成しても、めっちゃ自分のお芝居がセンスないなぁと自分の無力さに愕然とする瞬間も多々ありました。

公演で新しい戯曲に取り組むときも、うわっこれ難しい、というものにであることがありますが、『はぐるま』は、そんな脚本が持っている難しさに気づかれないような顔をしているので、取り組み始めてからじわじわやられてくる感じでした。
この感じの脚本を乗りこなせる劇団員の面々すごいな、とも思ったし、同じシュールや面白い、コメディというものでも質感や作風で求められるものも少しずつ違うんだなと思いました。コメディが得意でも、どんなコメディで質感なのかでより細分していくんだろうなと思いました。


根底は同じ作業


完成する媒体はオーディオドラマだけれど、オーディオドラマのお芝居は舞台とは違うものだと思うけれど、そこに至るまでのお芝居をつくる過程は同じなんだなと、この作品辺りから明確に感じるようになりました。
脚本を読んで、意図動機を明確にして行って、という部分はお芝居の根底で、そこからつくったものをどうアウトプット表現するか、というところで違う色になっていくのかもな、と思いました。
舞台だったら意図動機を動きに反映させていくし、音声だったら言葉の一音一音に反映させていく。アニメだったら感情を多めに声に乗せる作品もあるだろうし、朗読劇だったら地の文にも意図動機を薄くのせていくかもしれない。そんなことがなんとなく見えるようになったのは、今年続けて何作も脚本を読ませてもらって、オーディオドラマをつくったからだろうなと思いました。

3月にえみてんの公演を終えて、今年はもう舞台はやらないから、あんまりお芝居の勉強はできないかもな、と当初思っていました。けれども、短くても長くても、舞台でもそうでなくてもお芝居をつくるということを続けていって、違う角度から学ぶ事が出来たなと今は思っています。

作品をつくるという緊張感があったからこそ集中したし、変なものは創れないという緊張感も、時間を長くとれないからここでやらなきゃという覚悟もあったんじゃないかと思います。
何となく脚本を読むよりも、明確に何をしたいか、どうなりたいかを描いて形にするということが大切なんだなとあらためて感じた年でした。


思い切ってカットすること


お芝居の上達とは裏腹に、動画編集はちょっとずつ上手くなっていったかなと思います。より明確に、こういう流れをつくる、何を見てもらいたいかブレない、という部分は意識して作っていけたかなと思います。

編集していく技術は本数を重ねれば誰でもできることが増えるし、スピードも速くなります。けれども、動画をプロデュースしていくということは結構意識を変えたり、動画編集をする技術者という部分とは別の物じゃないかと思ったりしています。

オーディオドラマとそのメイキング、というコンテンツの組み合わせ方は結構どこにでもあると思っていて、大型コンテンツとその裏側、という見せ方をどう使っていくかかなと思っています。

私が好きなだいにぐるーぷはコンテンツとメイキングをメインとサブチャンネルで分けていて、よりメンバーが好きな人、興味がある人がサブチャンネルでメイキングも見て楽しむ、という構図。ブランディングとかリスナーをどう自分たちに惹きつけるか、みたいな部分がめちゃくちゃ共感する。今ちょうど大型企画を公開したばかりなので気になる方は見てください。シリーズの古い物から見たいという方は、「無人島からの脱出」が私はおすすめ。リーダーの岩田さんに対して「岩田ファン0人説」とかあるけど、メンバーでの推しは岩田さんです。

 最新作が「海賊サバイバル」関西のレイクレさんとのコラボ。                無人島シリーズを見てから見るとより楽しめるかもしれない。               


マーブルドラマも、えみてん、舞台の動画も、メインとメイキングという構図になるようにしています。配信でも話していましたが、劇団の理想の形としては、
・どんな作品でもこの劇団なら面白いから無条件に観に行く
というところに行ければいいなと思っています。
けれども、富山の演劇事情としては、
・近所の〇〇ちゃんが出ているから観に行く
・友達が出ているから観に行く

といった、役者でもない、人間ベースの動員の仕方がメインだと思っています。
それをまずは
・この役者さんが好きだから観に行く
に昇格させて、さらに劇団のファンだから観に行く、というところに持っていくことだと思っています。

そのために、まずは人間の魅力を伝えること、役者としての側面も見てもらっていいと思ってもらうことが必要になってきます。それを担うのがSNSであり、メイキングであると思っています。

マーブルドラマのメイキングでは、作品がどう完成に近づいて行くか、というところは主としてあって、さらに参加してくれた役者さんが面白いと思ってもらえるような部分を入れる、というのを気をつけて行きました。
参加しても雑な扱いになってしまったら申し訳ないし、動画として残るものでもあるので、参加して良かった、動画にしてもらえてよかったなと思ってもらえるようなものにしたいなと思って作りました。

その部分で、面白いけどカットした、という部分ももちろんあります。本当は入れたかったけど、話の流れとしてちょっとズレたなとか、ポジティブに仕上げられないかも、と思ったところは思い切ってカットしました。
動画を作っていて、付け加えるところよりもいかにカットができるかという部分の方が大きいなと思いました。お芝居でもそうかもしれません。お芝居を装飾するよりも、不要なことをやめてシンプルにしていく。それができるかどうかで結構違います。

迷うこともあったけれど、本当に必要なところだけにしてシンプルにしていくという作業は以前よりもできるようになったかなと思いました。

元々動画編集や手描きアニメーション的な動画も好きだったり作っていたので、自分が好きでやりたいことをやれたのがとても良かったなと思っています。

規模的にも再生数的にもミニマムですが、小さくてもやりたい形をつくっていくというのができるのが大事かなと思っています。

次はマーブルドラマおまけの4本目について書いてまとめにしていきたいと思います。

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