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ブンブンジャー6話の話

 これまでのお約束を踏まえた上で、上手な変化球を投げてきた回。キャラクター達が自由に動き始めてきた感があって、個人的には今までで一番好きな回だった。

 今回の話の軸はふたつある。
 ひとつは、レッドとハシリヤン新幹部の因縁作り。
 もうひとつは、ブルーとブラックのキャラの掘り下げだ。作品全体の縦軸のための前者の話がありつつ、6話単品でのメインは後者だったという感じ。「レッドの話をやりたいがために、他のキャラを隔離して適当なクエストを与えておく」に留まっていないのが非常に好印象だった。

 以前から示唆されていたハシリヤンの上司「マッドレックス」が、直接地球にやってくる。やや戦闘狂&スピード狂のケがあるオラオラ系チンピラキャラで、新たな怪人を生み出して暴れさせるが、そこにレッドと遭遇。
 マッドレックスは、レッドを「俺の獲物だ」と言って襲い掛かり、その間に怪人にギャーソリンを集めさせる。
 考えてみればハシリヤンの目的はギャーソリンなのだから、怪人を守ってブンブンジャーと戦うのはめちゃくちゃ理にかなっている。今までそれをしてこなかったデコトラ―デとイターシャは、実はめちゃくちゃ弱いのかもしれない。
 マッドレックスは圧倒的な力でレッドを追い詰めるが、調達屋の援護もあって、なんとか窮地を切り抜ける。戦闘再開というところで、マッドレックスはペットの犬の散歩の為に帰ってしまった。
 マッドレックスは、「俺と走って事故らねぇ奴」とレッドを認めつつも、話の流れとしてはレッドの勝利とも当然言い難く、これまで完璧超人だったレッドと同等以上の敵という印象が強く植え付けられた。

 一方のその他組の話だ。
 冒頭、あまりにも真面目で人当りの良すぎるブラックを、「あいつの裏の顔を暴いてやる」と息巻いて尾行を開始するブルー。そしてそれを呆れた目で見ているピンク、という構図から始まって、この時点ですでに面白い。
 ブラックの本業は町のお巡りさんで、休日、町の人間からめちゃくちゃ慕われて声をかけられている描写が入る。ここも良かった。道に落ちている小銭を拾って、休日だというのに自分の勤務している交番に届けるなど、延々と良い人ムーブをしているブラックに、納得がいかないブルー。

 そこに、マッドレックスが生み出した怪人が現れ、3人はブンブンジャーに変身して戦う。レッドがいない状態での戦闘はこれが初めてだ。ブルーが問題なく音頭を取っているのが良かったと思う。最近はもう完全にただ面白いだけの男と化していたシャーシローだが、きちんとサブリーダーとしての役目を果たしている。

 今回の怪人は、人間の本音を引き出す攻撃を使う。これによって人々を争わせ、ギャーソリンを集めていたわけだ。
 怪人の攻撃がピンクにあたりそうになるところ、「人々もブンブンジャーも俺が守る!」と、ブラックが割り込んでモロに喰らってしまう。怪人の能力で本音を引き出されるブラック。お察しだとは思うが、「人々も、ブンブンジャーも、俺が守る!」と叫んで怪人に突っ込んでいく。

 ブルーもようやくここでブラックが裏表のない人間だったことがわかるのだが、その直後、怪人の攻撃を食らってしまう。正直これをちょっと楽しみにしていた。
 立ち上がったブルーは「疑って、悪かったぁぁぁぁ!!」「裏と表でできている世の中で(中略)世界一真っ白なブラックだったぁぁぁ!!」「最高に爆アゲだ阿久瀬錠!!」などと叫びながら、怪人を蹴り飛ばし、ブラックと抱擁する。役者さんの声が細いので、叫び声がちょっとへろへろなのが面白かった。
 「尾行などした俺を許してくれぇぇ……」と土下寝するブルーに、クソ真面目に「はい!」と答えるブラックも良い。そのまま二人で抜群のコンビネーションを見せ、怪人を倒す。

 ブルーの本音モードが継続したまま巨大戦になるのだが、そこでブルーは、巨大ロボのメインパイロットにピンクを指名する。ブルーがピンクの操縦技術をしっかり認めているとわかる描写で、ここも良かった。

 ふたつの話が終わり、本音バレしたブルーをみんなで囲んで、ほのぼのした感じで幕を閉じる。レッドの「こっちも大変だったんだけどなぁ……」という独り言が新鮮でおもしろかった。


好きなセリフ

「遺失物を発見。先輩、手続きをお願いします!」
「せっかくの休みだってのに……。承った! 書類、書くぞ」
「はっ!」

(阿久瀬錠/ブンブラック)
(先輩警察官)
 休日にわざわざ交番へ届けに来たブラックと、先輩お巡りさんの会話。ビシッと敬礼しながらの「承った!」がカッコイイ。

「次のコースでまた会おうぜ」
(マッドレックス)
 マッドレックスは、レースに絡めた言い回しが多くておしゃれ。

「アタックモード!」
「アタックモォォォォォォド!!」

(阿久瀬錠/ブンブラック)
(鳴田射士朗/ブンブルー)
 合体の掛け声は普通声をそろえるものだが、シャーシロが伸ばしてるせいで全然合ってないシーン。

「みーら先輩♪ みーら先輩♪」
(志布戸未来/ブンピンク)
(阿久瀬錠/ブンブラック)
 初めて「先輩」と呼ばれて爆アゲになったピンクが、レッドやブルーの背後で踊っており、ブラックもそれに合わせて踊っている。こういう細かくてかわいいシーン大事だと思う。

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