大好きな「悪の組織」の話

 僕は「悪の組織」が好きだ。
 だが、別に「悪いことをしている連中」が好きなわけではない。いや、正確じゃないな。僕の好きな「悪の組織」には、明確な条件が存在していて、その条件を満たすためには、必ずしも「悪」である必要はない、ということだ。

 僕の好きな「悪の組織」とは、「カリスマなり暴力なりでチームを統率する絶対的なリーダーの下、個性豊かな幹部が仲良かったり悪かったりするような連中」のことである。
 いくつか例を挙げていくことにしよう。

 先日の記事で触れた「ゲヘナ学園風紀委員会」は、これに該当する。一方で「アビドス廃校対策委員会」は該当しない。「便利屋68」は該当する。
 FGOにおける「円卓」と「織田家」はこれに該当する。一方で、ギルガメッシュやイスカンダルは、リーダーとしては申し分ないものの、彼らの下で働く幹部たちのキャラや関係があまり見えないので、これには該当しない。
 ワンピースの「麦わら海賊団」はこれに該当する。ワンピースに出て来る海賊団はみんなこの傾向がある。「悪の組織」の宝庫だ。

 僕は戦国時代が大好きなのだが、その理由が、この条件に合致する「悪の組織」がいっぱい出て来るからだ。家名のもとにリーダーとなる大名がおり、それに忠義を誓う家臣団がいる。
 また不良マンガも、この側面があるので好きになることが多い。

 スーパー戦隊では、やはりハリケンジャーの「宇宙忍群ジャカンジャ」は理想的な悪の組織だ。互いに出し抜き合ったりしながらも、結構みんな仲良しなところが気に入っている。
 初登場シーンが最高なのは、ギンガマンの「宇宙海賊バルバン」である。たった1分程度のシーンで、6人の幹部のキャラ性が把握できるようになっているのが好きだ。

銃頭サンバッシュ「ヒャッハァ! 封印が解けたぜぇ!!」(銃乱射)
操舵士シェリンダ「やめろ、サンバッシュ!」(剣で斬りかかり)「傷がついたらどうする……!」(舵を大事そうに撫でる)
破王バットバス「うるせぇぞサンバッシュ! ぶっ潰されてぇか!」
妖帝イリエス「せっかくの目覚めが台無しだわねぇ」
銃頭サンバッシュ「俺は喜びの瞬間を盛り上げてやってるんじゃねぇか!」
剣将ブドー「笑止。喜びとは、静かに噛み締めるもの也」(壁に背を預け)
銃頭サンバッシュ「ケッ、辛気臭ぇ」
操舵士シェリンダ「起きろブクラテス! 封印が解けたぞ」(剣を刺す)
樽学者ブクラテス「あひぃっ! な、何をするんじゃ! ワシが死んだら、誰がお前たちに知恵を授けてやるんじゃ!」

星獣戦隊ギンガマン 第1話『伝説の刃』より

 バルバンは幹部仲がガチガチに悪い組織ではあるのだが、この世紀末テンションでドツキ合う、「悪のウェイ系集団」とでもいうべきやり取りが非常に好きだった。

 スーパー戦隊はヒーロー側もチームであるため、僕の求める「悪の組織」に合致する戦隊もいくつか存在する。
 例えば「海賊戦隊ゴーカイジャー」は、強いリーダーシップを発揮するレッドのもと、個性のバランスが良いメンバーが揃っている。現在放映中の「爆上戦隊ブンブンジャー」も、この方向が期待できる戦隊だ。

 じゃあ「悪の組織」を主役にした話をやるなら、どういうパターンがあるかなと思って、いろいろ考えてみた。たぶん、普通に「世界征服を企む悪の秘密結社」の話をやると、自分のスキからはブレそうだ。

 パターン①として、やはりシンプルに「不良もの」をやるという手がある。ストリートで生まれた子供が大きな夢を抱き、仲間たちが集まってくるタイプの話だ。ここまで書いて思ったけど、遊戯王5D’sのチーム・サティスファクションみたいだな。
 パターン②は生徒会だ。できることなら、でっかい学園を舞台で、生徒会の権限が異様に強いタイプのやつ。10年くらい前に流行った学園バトル系(劣等生とかISとかの流れを汲むやつ)とは相性が良さそう。ちょっと古めかしくなっちゃいそうだけど。

 でもやっぱりやるなら不良モノかなぁ。カラーギャング、海賊、マフィア、いろいろパターンがありそうだし、世界観も選ばない。幼馴染とかの話を絡めると、ノスタルジックなテーマに振ることもできそうで楽しそうだ。

 ちなみに、今友人からの勧めで「戦国ランス」を遊んでいる。まだ序盤もいいところだが、ランス・蘭丸・勝家の並びが良い感じに悪の幹部感が出ていて楽しい。
 ランスの立ち位置が「お家を乗っ取ってきそうな食客」、オーレンジャーの敵組織で言うところの、ボンバー・ザ・グレートなので、このポジションのキャラを主役にして悪の組織書くとこうなるんだなーと思ってちょっと面白かった。

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