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失恋と女

かねてから訪れたかった原美術館で開催されている、ソフィカルの「限局性激痛」を鑑賞しにゆきました。

フランス人のカルは日本への留学を行うための奨学金を得ます。そして、決まった3ヶ月の留学。
彼女は恋人に忠告されるのです。
気持ちが離れてしまう危険性を。
日本での93日間は毎日、不幸せ。
そして、フランスへ帰る道すがら…ちょうど真ん中に位置するインドのニューデリーでの再会を約束しています。

そこでようやく、彼に好きな人ができたことを知らされます。
彼はニューデリーには姿を表さなかった。

これは、彼女が失恋するまでの93日間のカウントダウンとゆっくりと失恋してゆく90日間のカウントアップを描いた作品。
シンプルに、彼女の失恋のお話、です。

淡々とした言葉となんてことはない記録写真で紡がれる彼女の物語は、はじめからおわりまで暗澹としています。
恋愛ってものすごいパワーです。
プラスにもマイナスにも簡単に振れる。

彼女の作品は江國香織の「落下する夕方」と同じ空気感を含んでいました。
このお話は、主人公が8年間も付き合った彼氏に別れを告げられることから始まります。
そして、8ヶ月もの時間をかけて失恋するお話です。

事が起こる前後では、一見同じように見えるものでさえ確実に内容物が変わってしまっています。
遅かれ早かれ、きっかけはなんであれ、物事は変化し続けます。
変わらないなんてことはあり得ないのです。
変化し続けなければいけないのです。
それが、プラスでもマイナスでも。

今のままではいられないのです。

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あやさきみやこ

随筆家、ときどき写真。海外文学の翻訳本が主食。英語教育、社会言語学に通訳学。
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