プロダクトマネジメントは「状態」であるという話

こんにちは。プロダクトマネージャー的な仕事をすることが多いkoyoです。

「的な」と書いてしまうのは、日本におけるプロダクトマネージャーの定義が曖昧であり、人によってどのような仕事だと捉えるのかが明確ではないので「的な」という言葉をつけています。

とはいえこれは海外でも似たような状況のように見え、要はプロダクトを勝たせるために何でもやる人、、、くらいの位置付けなのではと思っています。

プロダクトマネージャーがいなくてもプロダクトが作れる不思議な世界

さて、世の中にはプロダクトマネージャーが不在のプロダクトがいくつも存在しています。営業担当とエンジニアだけのプロダクトなんて無数にありますし、CTOはいるけどプロダクトマネージャーは不在というチームも山のようにあります。

この事実だけを捉えると、プロダクトマネージャーがいなくても大丈夫なような気がしてなりません。

みたいな話をすると、「誰かがプロダクトマネージャーの役割をしているから大丈夫なように見えるだけだ」とお叱りの声が多く飛んできます。

私も数ヶ月前まではその思想だったのですが、何かが違うなと思い始めたのが最近です。

プロダクトマネージャーは本当に必要なの?

そこで浮かんだのが、プロダクトマネージャーが必要なのではなくて、「プロダクトマネジメントできている状態」が必要なのではという仮説です。

例えば、メンバーが少ない状態だとメンバー同士の意思統一もそこまで難しくないですし、プロダクトの方向性を揃えていくことや開発のディレクションをしていく負荷もそこまで高くないと思います。また、明確な意思決定者がいなくてもメンバー間での議論をベースにプロダクトを前に進めていくことは容易です。

とはいえ、人数が増えたり、過去にいた知見の塊のような人が辞めてしまったりすると、この構図は容易に崩壊します。意思統一が難しくなり、無意識下のうちに揃っていたプロダクトの方向性がだんだんとズレていき、プロダクトとしての一体感どころかプロダクトとしての競争力も徐々に薄れていってしまいます。

こんな状況下で必要なこと(もしくは、このような状況にならないために必要なこと)が、プロダクトマネジメントの知識であったり、それらの実践ではないかと考えています。

整理すると下記のような形かと思います。

人数が少ない状態
・何もしなくてもプロダクトの方向性は揃いやすい
・そのため、「自然とプロダクトマネジメントができている状態」になりやすい

人数が増えてきた状態
・何かしないとプロダクトの方向性はズレていく
・そのため、「放置しているとプロダクトマネジメントができていない状態」になりやすい

としたときに、「プロダクトマネジメントができている状態」にしていく人たちが「プロダクトマネージャー」と言えるのではないかと最近は考えるようになりました。

現在においては、「一人の人間にプロダクトに関する責任を集約させる」形が実運用に耐えやすいこともあり「明確に一人の人間をプロダクトマネージャーとする」ケースが見受けられますが、別にこれらは一人の人間が行う必要は全くなく、むしろプロダクトマネージャーが不在でもプロダクトマネジメントが出来ている状態さえ作れれば良いのではないかと考えています。

「機能は誰が決めるの?」とか、そんなことを思う人もいるかと思いますが、適切な情報共有と適切な権限分配さえされていれば、誰が決めてもそのチームとしての結論は論理的には同じになるはずで、そこの役割にこだわる必要はそもそもないのではないかとも思っています。

なお、今回は「人数」を一つの切り口にしましたが、規模や市場環境、関連するチームや他社、歴史的事象、プロダクトそもそもの難易度など、プロダクトの複雑性をあげる事象そのものが、プロダクトマネジメントができていない状態を生み出しやすいのでは、とも考えています。

プロダクトマネージャーを募集している人たちに伝えたいこと

最近は採用関連のお手伝いをさせていただくととが増え、プロダクトマネージャーの採用について質問されることも増えました。

そこで感じるのは、「プロダクトマネージャーという超人」のポジションが足りていないのでそこを充足すれば全てが丸く収まるのではないか、、という浅はかな考えたちです。

上記でお伝えしてきたようなことは、一人の人間がいることで解消されるわけではありません。もちろん、プロダクトマネジメントが得意な人間が一人はいることで一定の交通整理がされ、プロダクトが前に進むことは事実だとは思います。

とはいえ、「プロダクトマネジメントは状態」だと捉えた時に、その状態を実現していくのは誰になるのでしょうか。その責任をプロダクトマネージャーに押し付けるだけで何かが変わるのでしょうか。

プロダクトはチーム全員で作り上げるものです。そして、プロダクトマネジメント出来ている状態を作ることが、チーム全員の生産性を上げ、ひいてはプロダクトの世の中への貢献度を上げていくことにつながります。

誰か一人を採用して解決、、、みたいな浅はかな考えは捨てて、みんなでプロダクトマネジメントをしていけば良いのではないか、、と、超個人プレイでプロダクトマネージャーをしてきた人間は思うわけです。


ごはんたべよう
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Koyo Matsumoto

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