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珍味⑥ レプティリアンとマムシの味

関西で鰻のことを「マムシ」というそうですが、

鰻ではなく、蛇のマムシの話です。

世の中には、足のない生き物と、足の多い生き物が嫌いな人間がいるといいます。

足の多い生き物が嫌いな人は、ムカデとかヤスデとかが嫌いで

足のない生き物が嫌いな人は、ヘビを見るとゾーッとするそう。

私はヘビが好きでも嫌いでもないのですが、

マムシを、数年前に頻繁に食べていました。

食べるようになったきっかけは、レプティリアンの会に参加したことです。

レプティリアン……、UMAやオカルト好きな人にはおなじみの名前ですが、私は参加するまで知りませんでした。レプティリアンとは、爬虫類人間のことで、人型爬虫類ともいい、宇宙からきた説もあり、フリーメーソンやイルミナティーには、レプティリアンの血が入っているとか、入っていないとか。知性が高く、爬虫類のように共感能力が低く、獰猛で残虐な性質をもっているといわれています。なんでそんな会があるのかと思ったのですが、会の発起人が、オカルト雑誌『ムー』の編集長三上丈晴さんであり、さもありなんです。

会の内容は、爬虫類を食べること! 同族食いなのか?と疑問がすぐさまに浮かびますが、そういうことなのです。なにしろ冷酷ですから。

そんなわけで、レプティリアンの会は、時々思い出したように、日吉の『鳥八』で催されました。

『鳥八』はスタミナ料理専門店で、マムシ、シマヘビ、スッポン、ワニ、サンショウウオ、クマなどの、錚々たるメニューが並びます。

そこで、マムシを食べました。

ヘビを食べる……、本の中で何度も読んだことがありましたが、それまでに食べたことはなく、常々一度食べてみたいと思っていたのです。

畑正憲さんの『ムツゴロウの雑食日記』には、”全身これ筋肉であるのだから、不味いハズがない。実際に旨い”といった内容が書かれ、小泉武夫さんの『不味い!』には、”生臭かった”と書かれていました。(小泉武夫さんの他の本には旨かったとも書かれていたので、本書に出てくるヘビが特別生臭かったのでしょう。)

マムシが、ヘビの中でもいちばん旨いと聞きます。

フグも、スズメバチそうですし、毒をもつ生き物は旨いのかな。

そのマムシのソテーを食べました。歯ごたえとしては、ホルモンやミノによく似ていて、弾力が強く、ゴムのように伸びます。しっかり噛み切らないと、噛み切れない肉の強さ。

旨味は濃いのですが、クセは少なく、鶏肉の味に似ています。地鶏に弾力をもたせた感じといったらよいのか。

ウミヘビのイラブーも、マムシに味が似ていると思ったのですが、イラブーの味と食感はまた全然違い……、この話は、また別の機会に。

シマヘビのから揚げも食べたところ、マムシと味の違いがわかりにくく。マムシの方が旨味が濃い感じがしますが、シャッフルされたら自信がありません。

生きているマムシは、見たことがありませんが、食虫植物の自生地で、茂みを指して「そこにいるから気をつけて」と言われました。少し離れて、茂みを覗いたのですが、どこにいるか結局わからず。

用を足している時に、噛まれることがあるようですね。特に女性の場合、しゃがむので。

もっとも無防備な瞬間に襲われるなんて、あまりにも酷く、あまりにも恐ろしい事例です。

目を逸らしたら襲われるとも聞いたことがあります。

このようにして、マムシを何回か食べたのですが、ある朝目覚めて、鏡を見たら、爬虫類人間レプティリアンになっていた……なんてことは、まだないのです。

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