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上海のファッションについて

上海ってファッションどうなの?(おしゃれな人多いの?)と、思う方ももしかするといるかもしれません。私もつい最近までは、上海ファッションウィークを毎シーズンやっていること以外は全く情報を持っていなかったし情報収集しようとも思っていなかった。

中国は以前から経済発展の面で注目はされては来ましたが、殊にファッション分野に関しては、一昔前の大量生産の為の地というイメージが強く、私自身はあまり情報が入ってくることがありませんでした。しかし!ここ2.3年メディアで目にすることが増えてきたじゃありませんか。さらにはWe Chat Payに見られるようなバーコード決済方法の話題も各種メディアで見かけることが増え、私の中で中国が気になって仕方なくなってきました。……時間もあるし行っちゃうか。上海。実際に見ないと分からないし。ということで今回行ってまいりました。

ざっくり以下の内容について今回は触れます。

①日本国内各メディアのアジアに関する注目の高まり
②ファッションプラットフォーム Labelhoodについて
③シャネルの展示 MADEMOISELLE PRIVE について
④街ゆく人々のスタイリングと日本の違い、また消費動向の違い
⑤まとめ

①アジアファッションへの関心の高まり

まず私がなぜ中国が気になり始めたのか、という所から入ります。主にメディアで取り上げられているのをたまたま見て、関心を持ったという感じです。

2019年4月号のThem magazine。文章というよりはスタイリング等ビジュアルに特化していると個人的に思っている雑誌なのですが、これを見てアジアの(もしくはアジアにルーツを持つ)ブランドもなかなかかっこいいなと。ヨーロッパのファッションと自国カルチャーとのミックス感の中から新しいシルエットや色合いが生まれてきている、そんな新鮮さを感じました。アジアファッションもなかなかいいじゃん、と思い始めたのがこのあたりから。(けっこう最近、)

それからきっかけは忘れましたが、https://www.fashionsnap.com/article/shanghaifashionweek/

fashionsnap.comの2019SSシーズン上海ファッションウィークの記事を見かけさらに興味が湧き、

最終的にSTUDIO VOICE vol.414 〜Self Fashioning from Asia〜で注目の高まっているアジアデザイナーのインタビュー記事を読み、読んだその日に飛行機のチケットを取っておりました。

特にこの号は、中国人デザイナーの考えや本音がぎっしり詰まった一冊ですので、ぜひ書店で手に取ってみて下さい。

②Labelhoodについて

さて、上海行きを決めたわけですが、中国ファッションを語る上で Labelhood (http://labelhood.com/en/) は欠かせない存在です。先に触れたFashonsnap.comの記事にも記載がありますので、割愛致しますが、一言で言うとファッションプラットフォーム、なんて呼ばれ方をしています。上海ファッションウィークでのデザイナーブランドのサポートをしており、会場や音響、照明といったショー運営の支援をしている団体です。

Labelhoodはセレクトショップも2店舗運営しており、今回行って参りました。 

1つは Labelhood pillar。


静安区に位置するこちらのお店。南京西路〜静安寺周辺のような高層ビル&百貨店エリアから徒歩10分程離れた場所に位置します。雰囲気としては渋谷に対しての代官山、みたいなイメージでしょうか。

インターフォンを押さないと店内に入れない仕組みになっており、人によっては入店に少し躊躇われるかも。その代わり、中ではゆったり接客して下さいます。

一階、中二階、二階、中三階、三階という構造になっており、三階のみメンズ、その他は全てレディースという構成。許可を取ってないので店内写真は控えますが、取り扱いブランドは、

ANGEL CHEN  /  8 on 8  / Yang Li  / PRONOUNCE  / DANSHAN  /  Staff Only  /  SIRLOIN  /  UMA WANG  / SHUSHU TONG

など、全てのブランドが中国人 (もしくは中国にルーツをもつ海外拠点の)デザイナー、というラインナップ。

お恥ずかしながら、Yang Li以外は今回の旅行前に調べるまで知らなかったブランドばかりですが、特にANGEL CHEN、SHUSHU TONGは現地で非常に人気が高いようです。スタッフの方(英語ペラペラだったので助かった。上海は意外と英語通じない方多いです) と10分程話し、なぜ中国ブランド中心に取り扱っているのか聞いてみましたが、「粗悪品を大量生産していた一昔前の中国のイメージを変えたい。これだけ良質でデザイン性のあるものだって作れるんだ、ということをLabelhoodとして発信していきたいし、そういった考えを持つ新世代のデザイナーが増えてきている」と話されてました。

自分達の世代で新しい発信をして、既存のイメージを刷新していきたい、という想いやパワーをひしひしと感じました。また別のnoteで書こうと思っていますが、今回の上海旅行で出来たファッション業界で働く友人からも、同じような強い意志が感じられ、同世代の人間として非常に刺激を受けました。


次はもう1店舗の、「SURNAME by labelhood」 

こちらの店舗は、前述のlabelhood pillar から徒歩2.3分程にあります。取り扱いブランドは、ダブっている部分もあるように感じましたが、こちらではFACETASM、オーストラリアのsong for the muteなど、他国のブランドも置いてありました。

また、最上階(たしか4F)は展示スペース?のようになっており、訪問時にはギャルソンを中心とした日本の大御所ブランドのアーカイブ展が行われてました。中国ファッションは、日本ブランドの影響を大きく受けている、というような記事をどこかで読んだ記憶がありますが、海外でのアーカイブ展を見て改めてギャルソン・ヨウジ・イッセイの影響力の大きさを感じました。余談ですが、SHUSHU TONGはギャルソンの、かわいい系(ギンガムチェックとかドットとか)のデザインにありそうな雰囲気だと個人的に思ってまして、勝手に「中国版かわいい系ギャルソン」と呼んでおります笑

街行く人々を観察しながら2店舗を周り、やはり直接見ることができてよかったなあと感じております。メディアを介して「中国のブランドが活気あるらしい」と聞いても、自分で直接現地の人と話さないと、そのテンションの程度や他の現実的な問題は見えてこない。これからもまずは自分の足で見て回ることを大切にしていこうと改めて思いました。補足情報はあとからでも調べられますもんね。

ちょっと今回はここまでにして、③④⑤はまた次回にします!


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