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自分用メモ:FACTFULNESS

 有名なビジネス書「FACTFULNESS」では「データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣」を意味しています。
 ふと思い込みがあったデータのメモ帳用です。


1.食事・栄養・健康

1-1.ビールと痛風

 『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』には『生活指導』の中に食事療法、特に『1日400mgを目安にしたプリン体の摂取制限』が示されています。「ビール=プリン体が多い=痛風」のイメージですが、データだけみるとビールのプリン体含有量は小さいことが分かります(1L飲んでも70mg程度)。
 もしアルコールと同時接種が原因である場合、ビールの量ではなく飲酒とおつまみの方に原因があると考えられます。

 また私が良く食べる納豆は比較的含有量が多いです。普段2パック食べるので40g/パック×2->~100mgほどのプリン体を摂取していました。

https://www.tufu.or.jp/pdf/purine_food.pdf

1-2.ジェネリックは正規品と同じ??

 個人的にはビタミンや栄養素は化学組成が同じであれば同じ物だと思っていたのですが、大手(例:日医工)で製造品質を保てない会社があり実際の品質は異なっていることもあります。
 製造業の視点でみると品質管理をして当たり前なのですが、売ってなんぼの経営をしている会社もあるみたいです。

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/22348/

2.政府

2-1.日本の国家予算とGDPの関係

 結論としてはー

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm

3.経済

3-1.国民負担率(税金)の推移および世界との比較

 日本は1970年代から国民負担は増加しており、特に社会保障負担率は毎年増加している。

 他国と比較すると国民負担率が過剰に高いわけではない。ただし税金の使われ方に関しては別途調査が必要。

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/238.pdf

3-2.日本の平均給与の推移

 「令和2年版 厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-」より、平均給与の推移を示す。y軸の下が0出ないため下がっているようにもみえるが、少なくとも1990年以降で平均給与は増加していない。

https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-08-02.html

 厚生労働省は上記とは別に「2021年 国民生活基礎調査の概況」で各種世帯の所得等の状況も報告しており、こちらの結果でも1990年以降で平均給与は増加していない。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa21/index.html

 また面白い結果として「全世帯」と「児童のいる世帯」の比較があり、「児童のいる世帯」の約70%以上は平均所得金額が564万円以上となり、他の世帯より金額が高い。つまり「児童がいる世帯=ある程度の平均所得がある世帯=お金があれば子供を産む」という因果関係がある可能性があります。
 なお児童がいる世帯の1000万円いじょうは約25%いるため全体の平均年収を底上げしている可能性があるため単純な平均値だけを見るのは危険があります。

 給与の分散は分からないが格差の指標としてジニ係数を確認すると、日本での格差は小さくなっていそう。おそらく一億総中流に近づいている?

https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-08-09.html

 なお2021年度の「各種世帯の所得などの状況」については厚生労働省の国民生活基礎調査の概況で報告されています。あくまで度数分布であり、お金の絶対値ではないことに注意。

3-3.経済は円安の方がよい?

 事実としては下記の通り。また2007年(平成19年)を起点にみると実質給与は上がっていない。またGDP成長も大きな変化無し。
 「良い」の定義が必要だが、少なくとも企業で働く人への還元はない。

  • 2007年 (平成19年) ー2012年 (平成24年):円高

  • 2013年 (平成25年) ー2015年 (平成27年):円安

  • 2015年 (平成27年) ー2016年 (平成28年):円高

  • 2016年 (平成28年) ー2017年 (平成29年):円安

  • 2017年 (平成29年) ー2021年 (令和3年):円高

  • 2021年 (令和3年) ー2023年 (令和5年):円安

https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-08-02.html
https://ecodb.net/country/JP/imf_gdp.html
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc112110.html

3-4.賃金と求人倍率に関して

 2023年においても有名大学の人気就職先ランキングは商社・コンサルが多く、理由は何であれ高年収の企業に人が集まります。

 仮説として賃金が低い職種は求人倍率が高い(相関がある)と思われます。(検証は時間があるときに追って)

4.環境

4ー1.家庭にいる時間が増えると電気消費量は増える?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2019年12月初旬に中国の武漢市で第1例目が報告後、2020年1月15日に日本で初めての感染(武漢から帰国した男性)が確認され、2020年4月7日に緊急事態宣言が出ました。

 緊急事態宣言後は家にいる人が増えたのですが電力消費量は増えたのでしょうか?

ー>まだ2020年度がないため追って確認

4-2.日本は環境先進国?

追って:京都プロトコル以降の日本の対応
ー>CCSなどの追加
ー>炭素税
ー>再生可能エネルギーの普及

5.社会

5-1.凶悪犯罪率

追って(銀行強盗や凶悪犯罪などが増えたか(ニュースでは増えている気がするが)

5-2.100歳以上の人口:100歳ってレア?

 私の時代では「きんさんぎんさん」という100歳を超える双子の方が非常に有名でした。100歳ってどのくらいレアなのでしょうか。
 2022年(令和4年)で100歳以上は9万人を超えており特段レアというわけではありません。おそらく日本は長寿命化×少子化->税金不足->税金上げる->若い人はお金がないので子供を作れない×高齢化は進む ので一気に少子化が加速する可能性はあります。

https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/000990671.pdf

5-3.日本の非正規雇用って増えてるの?

 非正規雇用は増えておりますが、契約社員・嘱託の数はさほど増えておらず、パートの数が大きく増加しております。またアルバイト・派遣社員はやや増加しております。

https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf

5-4.ハンバーガー・牛丼って今が最高価格?

 コロナ明け以降の世界的なインフレの影響で日本でも食料品や電気代など物価高となっております。しかしニュースで見かけるハンバーガーや牛丼の価格比較を見ると、いつも最小値との比較になっており本当に今が最高値なのかが分かりません。
 下記サイトからデータを拝借して可視化してみます(本当は正式な出典があるデータ使いたいですが、あくまで参考値として)。
 結果を見ると元々デフレの影響が大きかったため過去の価格に追いついてきたことが確認できます。ちなみにマクドナルドのデフレは100円マックで有名な原田泳幸氏の影響だと思っていたのですが原田氏の就任時期は2004年~2013年のため、もっと昔からデフレの影響を受けていたことが確認できます。

6.国際

 基本的なデータはOECDのデータベースを使用。

https://www.oecd.org/tokyo/statistics/

6-1.貧困率 (Poverty rate):日本の貧困率は?

 OECDにおける貧困率とは「全人口の家計所得中央値の半分」であり、国内における相対的な貧困です(他国との率の比較は意味がない)。
 結果より日本は国内における相対的な貧困率は高いことが確認できます(他国と比べて貧困であるかはまた別です)。

https://www.oecd.org/tokyo/statistics/poverty-rate-japanese-version.htm

6-2.所得不平等 (Income inequality):日本は格差がない?

 (私が大学のころ@2006~2010年)一億総中流社会と呼ばれた日本ですが、所得格差はアメリカほどではないですが比較的高い部類にはあると思います。所得格差=絶対悪ではないと思います(頑張った・成功した人が報われる社会)が、資産家が未来永劫勝ち続けるシステムは破壊した方がよいと個人的に思います。

https://www.oecd.org/tokyo/statistics/income-inequality-japanese-version.htm

【OECDでの定義】
 所得は、ある年の家計の可処分所得と定義されます。給与収入、自営収入、資本所得、公的現金移転で構成され、家計が支払う所得税と社会保険料は控除されています。家計の所得は各世帯構成員に帰属し、家計の規模によりニーズが異なることを反映した調整が行われます。ここでは、個人の所得不平等を5つの指標によって測定しています。ジニ係数は、人々が受け取る所得の累積寄与率に対する人口全体の累積寄与率の比較に基づいており、その値は完全に平等な場合は0、完全に不平等な場合は1となります。S80/S20とは、下位20%の平均所得に対する上位20%の平均所得の比です。P90/P10とは下位10%の上境界値に対する上位10%(すなわち所得の最も高い10%の者)の上境界値の比、P90/P50とは所得の中央値に対する上位10%の上境界値の比、P50/P10とは下位10%の上境界値に対する所得の中央値の比です。

6-3.労働時間 (Hours worked):日本人は働きすぎ?

 日本人の平均労働時間は下記の通りであり、平均でみると日本人が働きすぎということはありません

$$
\text{年平均労働時間} = \frac{\text{1年当たりの実労働時間の合計}}{\text{1年の平均雇用者数}}
$$

https://www.oecd.org/tokyo/statistics/hours-worked-japanese-version.htm

【ポイント1:パートタイムも含まれるのでは?】
 定義より実労働時間には下記が含まれます。

  • フルタイム

  • パートタイム

  • 年間の一時期のみ働く労働者の正規労働時間

  • 有給および無給の時間外労働

  • 追加就業の労働時間

 この時「フルタイムの人だけ見ないとおかしい!パートタイムのせいで平均が小さくなるから実態を表していない」と思うかもしれません。あくまで「雇用者全体に対する時間」を目的とする場合はこれで問題ありません。
 例えばフルタイムの人の働く時間が長く、パートタイムの人が短い場合はただ業務の平準化が出来ていないだけであり労働者全体でみるとそれほど働いていないことになります。
(他の国と比べて全体的に低いのか、分散が大きく平均が低いのかはデータを解析しないと分かりません)

【ポイント2:日本はサービス残業が多いんだ!】
 OECEのデータでは「有給および無給の時間外労働」を含みますが、「日本はサービス残業が多くそのようなデータを隠しているんだ!」というコメントがあるかもしれません。
 それ自体は国の問題であり、もしそのような状態であればそもそも比較する意味がなく議論の余地がなくなります(それを言うと日本だけでなく他国のデータにも疑問を持つべきとなります)。

6-4.自殺率 (Suicide rate):日本の自殺率は高い?

 「karoshi」という言葉が英語になるくらいの日本であり、自殺率も高いと思っていたのですが断トツ1位は韓国です。
 日本は上位でありますが、アメリカやハンガリーと同等であり、極端に自殺が多い国というわけでもありませんでした。

https://www.oecd.org/tokyo/statistics/suicide-rates-japanese-version.htm

6-5.ODA(政府開発援助):日本は途上国に寄付金配りすぎ?

 日本は「子供支援や教育に金をかけないくせに海外に金をばらまいているんじゃないの??」と思うかもしれません。ODA(政府開発援助)を確認すると、他国と比較して多いのはアメリカ・ドイツであり、日本はフランス・イギリス・カナダあたりと同等くらいとなります。
 

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/100452890.pdf
https://data.oecd.org/oda/oda-by-sector.htm

6-6.平均賃金:日本の賃金は安い?

 GPD世界3位の日本ですが、平均賃金は下位の部類です。分析はしていませんが下記の要因が考えられます。
 数式はおそらく下記の通りです。単純な平均$${\frac{賃金総額}{雇用者数}}$$ではパートも含めた時間効率の概念がないため、後ろの係数をかけることで労働時間の違いを考慮に入れた適切な平均賃金が計算されます。

$$
\text{{平均賃金}} = \left( \frac{{\text{{賃金総額}}}}{{\text{{経済全体の平均雇用者数}}}} \right) \times \left( \frac{{\text{{フルタイム雇用者1人当たりの週平均労働時間}}}}{{\text{{全雇用者の週平均労働時間}}}} \right)
$$

  • 賃金が低い:会社がため込んでいる(内部留保)

  • 低賃金の職種でも人が増える:やりがいでうまく搾取

  • フルタイムの労働者が減る:パートの人が増えて賃金総額が減る

https://www.oecd.org/tokyo/statistics/average-wages-japanese-version.htm

https://stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=AV_AN_WAGE

7.地理

7-1.日本の地震数は増えている?

 2023年において非常に地震のニュースが多いと感じているため確認してみました。

 まず福島地方気象台が提供している「福島県内で観測した震度1以上の地震回数表」を可視化してみます。結果として直近で特に極端な増加があるわけではありません。なお2011年は桁違いの地震数がありこれは東日本大震災による余震の影響と判断することが出来ます。

 参考までに地震はポアソン分布に従うと言われており、高い震度数の地震は0/1ではなく確率的に発生しうるという理解が必要です。

 次に全国を見ていきます。既に別の方がグラフかされているのでそちらを参考にしましたが、極端な増加は確認されておりません。情報をニュースやSNSで知るため、その取得が簡単になったため増えたように感じているのかもしれません。

8.物価

 データは下記参照

8-1.物価の優等生の卵の価格推移

 卵は「物価の優等生」と言われてきており理由は下記が挙げられます。

  1. 鶏種の改良・ケージ飼いによる生産性の向上

  2. 飼料原料・配合割合などの研究による飼料効率の向上

  3. 鶏卵場の機械化による大量生産の実現

  4. 流通面での合理化

 企業は常に努力して改善を行いますが、しかし個人的には下記のような理由で利益を維持するのは難しいのではと思っていました。

  • そもそもサプライチェーンの理由で小売店の権力が強く価格転換できない

  • 毎年の社会保障費増加(会社と従業員個人が50%ずつ負担

  • 配合飼料は2009年から増加※2013~2020年は横ばい(配合飼料工場渡価格の推移

  • (最低賃金での業務かは不明だが)最低賃金の増加

  • 機械導入しても減価償却費があるため、すぐに安くはならない

  • ガソリン価格は2000年以降で大きな変動がありつつ増加(出典)

 参考として鶏卵とお米の価格推移を示します。鶏卵は価格が安定しておりますが、コロナ後には200->300円へと増加しております。そもそも企業努力ではどうしようもない状態まで追い込まれたため価格転換したと思います。


 なおコロナ以降は異常ですが、アメリカでは2000年までは物価上昇がありませんが、それ以降では緩やかなインフレが生じていました。

https://fred.stlouisfed.org/series/APU0000708111

9.スポーツ

9-1.400mの世界記録

 現代では最新のスポーツウェア、栄養学、人間工学、トレーニング理論などに基づきアスリートが最適な体に近づいているのかもしれませんが、(出典がWikipediaですが)世界記録は20~30年でほとんど変わっていません。

 最新科学がある現代でも昔と比較してとびぬけた成績が出ているわけではないことが確認できます。





参考資料

更新履歴

  • 2023年4月30日:初版発行

  • 2023年5月22日:OECD情報追加

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