【忍者の見た世界と現代解釈:後編】現代に生きる私たちの不安を乗り越える忍びの思考

「【忍者の見た世界と現代解釈:前編】生死を乗り越えた忍びたちの世界観」をまだ読んでいない方はこちらから↓
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なお前編を読んでから後編を読まないと理解が難しい場合があります。

後編の内容は、忍者の見た世界を自分なりに噛み砕いて考えを巡らせて、寝かせておいた結果導き出した現代解釈です。

江戸時代の忍者が見た世界観を、現代人が今の考え方で再解釈することで、日々の不安を乗り越え、ポジティブに明日を迎え、創造的な未来を歩んでいけるようになれればと思います。

(原文とは内容が大幅に異なりますが、それは表面上の言葉だけであり、文の構造は忍者の見た世界と同じです。)

忍者の見た世界:現代解釈

広大な宇宙の歴史から比べれば人間1人の人生なんて一瞬で終わってしまう。

虫や動物、植物はこの地球が生まれてからの46億年という長い歴史の中で、独自の進化を遂げてきたが、人間は誕生してからわずか200万年である。

彼らは自らの生態を進化発展させ環境に適応し生き残ってきた、対して人間は身体的な進化はない。しかし、精神的・知能的・知識的な進化は飛躍的に行われてきたのではないだろうか?

身体的進化のなかった人間は、代わりに精神的・知能的・知識的な進化といえる情報をこれまでの歴史の中で記録してきた。この進化の研究に殉じ命が尽きてもそれを後世に伝えて、次の進化へと繋げるべく頑張る姿は、広大な宇宙の歴史に比べると一瞬の光のようでとてつもなく儚く…

マクロ視点で観たらその一瞬で訪れる死への恐怖と、無駄な時間を使っている暇はないという義務感が自らを襲ってくる。

スティーブ・ジョブズが毎朝、もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?と自分自身に問い、自分が本当にやるべき事を考え実行して生きていたことは、もしかしたらこういう事だったのかもしれない。

禅の思想的な宇宙感、人と自然・宇宙は繋がっていて全ては同じものだというイメージ(概念・思想)が、宇宙というマクロを私に観せ人の一瞬の死を感じさせたのかもしれない。

宇宙観では死への恐怖を感じながらも、宇宙は陰陽五行思想のごとく生命は生まれては死に、それが栄養になって、また新たな命が生まれる。という死の恐怖を超えた何か?体は死んでも心は残り新たに生き続けるという状態を察する事ができた。

この状態までくると心は軽く、一瞬の命の中で自分が何かをやり遂げて進化のために残していかなければならないという使命感・目的意識や向上心、実行力、やり遂げる力を生み出す。

死というネガティブな要因でこの心理状態(実行力)が生まれているので、普通なら思考は閉鎖的になり新しいアイデアなどは出ないはずなのだが、なぜだか宇宙の広大さに飲み込まれ、死を超えて自分がその一部であり心は生き続ける?陰陽の如く巡り続ける?というイメージがポジティブな思考力をもたらしてくれる。

宇宙観を知り、死の恐怖を乗り越えたことによって厳格な実行力と柔軟な思考力を感じることができた。

現代解釈の解説

上記は忍者の見た世界の禅や陰陽五行思想に、現代の科学や人類学、生物学的な知見を取り込み現代解釈としました。

以下には文中で特にわかりづらい点の読み解く手がかりを書きます。

<心は生き続ける>
ここでいう心は、マクロ視点(宇宙観)で捉える心と、ミクロ視点(一個人の人間観)で捉える心の2種類があります。マクロ視点は巨大な宇宙システムの一部であり、長大な過去から永遠の未来まで生き続けている感覚を与えます。ミクロ視点は個人としての自分が情報を生み他者に影響を与える=自分の思考が他者の中に生き続ける感覚を与えます。

マクロ視点:自分は広大な宇宙のシステムの一部であり、陰陽循環というプログラムを流れ続けている。

ミクロ視点:歴史の中に精神的・知能的・知識的な情報を残し、他者に影響を与えることでその人の中に存在し続ける。

(情報の残し方には、日記や本のようにデータを残す。他者と接した時に情報を共有し伝達する。影響の与え方には、記録されたデータを他者が読んだり見る。本人からの話が言い伝えられる。情報にも相生相剋があり、受け手が自分の意見を組み込んだり、否定意見を与えて他の意見を肯定したりと循環が行われます。)

これによって、ミクロとマクロの両面で感情はフォローされ、死の恐怖を乗り越えられる状態になると考えられます。

<生まれては死にまた生まれる>
生まれては死にまた生まれるという陰陽五行的な循環は、動物や自然が滅びて再び同じ形になって戻るのではなく、滅びて土に帰り、栄養となって別のものの糧となり、その一部となり生まれ変わること(相生相剋)を表しています。

四季の流れ、水の循環、天気の動き、大気の変化など宇宙のすべては概念として陰陽五行的な循環になっていると考えられます。

(中国の思想の悪い点でもあり良い点でもあるのは、1つの理論に固着してすべての事象を無理矢理にでも当てはめてしまうところです。合ってるといえば合ってるのですが、間違ってるといえば間違ってるので注意しましょう。)

忍者の見た世界の使用法

現代解釈には宗教的な精神世界のバイアスがかかりすぎないように、科学的な考えも取り込まれています。(が、精神世界の裏付けにしかなっていないようにも見えます。)

忍者の見た世界の内容は単なる仮説に過ぎず、一種の空想でしかありません。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。私たちは、精神世界と物理世界のバランスを取って、常に冷静な立ち場でいましょう。

江戸時代の忍者も、宗教や占いを完全に信じていた事はなく、日々の修行・訓練を積み、将軍との打ち合わせを綿密に行い、精神を整えてこれ以上ないくらいの努力を行った最後に「あとは神に祈っとくか」として呪術を行なっていました。

忍術秘伝書 万川集海 天時には、占いのすべてを信じる必要は無いが、それが嘘である証拠も無いのでわざわざ廃止することも無い。信じ過ぎないように半信半疑で取り扱うこと。と書かれています。

不安を乗り越えるための真実を考える

一番重要なのは不安を乗り越える自己の精神を獲得することです。本文の現代解釈は僕なりの解釈ですので「これは違う」「何言ってるかわかんない」と思う人もいると思います。上記はあくまで参考として、自分オリジナルの世界観を作り、不安を乗り越え創造的な未来を手に入れられたらと思います。

科学では実際に起きる事実を学びます。宗教は想像を元にそれらしい事実を学びます。人は真実が知りたいのではなく、自分が真実だと思いたいものを真実だと言って信じるものです。

忍者の見た世界の現代解釈の使用は、用量用法を守って正しくお使い下さい。

🥷忍者の思考と精神を身につけるべく、日々修行を行ってますので見届けてもらえると幸いです。あとお仕事のご依頼もお待ちしております🙇‍♂️。サポートは兵糧(ひょうろう)に使わせていただきます。 WEB:https://shinobi-design-project.com/home