お金のためだけに働こう

「働くのはお金のためじゃない」「お金のために働くのはよくない」

こんな言葉が社会に蔓延っています。

「私はお金のために働いているんじゃない。人々を幸せにするため、会社のため、社会のために働いているんだ」

と言っている人は社会人の鑑(かがみ)でしょう。

と同時に会社側から見て、「とっても都合の良い労働者」でもあります。だって給料増やさなくても一生懸命働いてくれるんだから。

素晴らしい社会人=会社側から見て都合の良い社会人

なのです。

「お金のためだけに働かない立派な社会人」が増えれば増えるほど、会社や資本家がもっと裕福になるという仕組みです。

だから「お金のために働くのはよくない」とか「自分の成長のため、人々のため、社会のため、会社のために働くのだ」というこれらの言葉たちは

「お金のために働かない立派な社会人」という名の「都合の良い労働者」を生み出す(洗脳する)体(てい)のいい言葉に過ぎません。

「転勤は知識、見聞を広げるチャンスだ」というのも同じような言葉です。家買った瞬間地方に飛ばされるのがどこがチャンスなんでしょう。

もちろん「お金以上の価値」を見いだせている人は、仕事も楽しいですし、やりがいもあると思います。それはそれでいいんです。

でも、そんな人は一握りです。ほとんどの人は仕事が嫌でたまりません。頑張っても給料が上がらないのも原因でしょう。やればやるほど給料に反映されるなら、皆やる気は出ます。

★★★

「褒美」というのが人間にとって一番のモチベーションになります。「成長」「やりがい」「社会への貢献」なんてなくても、褒美が沢山あれば、ある程度は満足できます。

秀吉は戦場ではいつも黄金を持ち歩いていました。戦功をあげた人にはすぐに褒美として黄金をざっくざくとすくいあげ、渡していました。

ナポレオンも戦場では手柄をあげた人間にはすぐに勲章を胸につけてやったといいます。

関ヶ原の戦いでは「義」で説いた三成ではなく、「褒美」で説いた家康の勝利に終わりました。

とにかく、人間を動かすには「褒美」が一番。それは昔からずっと変わらない。

頑張れば手に入る美味しい食べ物や体験を思い浮かべてこそ、人間は一生懸命働きます。

しかし、会社は従業員に褒美を与えたがりません。資本家、会社のお金が減るからです。

だから、「お金以上のものを求めよう」とか言うのです。給料を上げなくても本人が満足できるように。

この言葉の真意は「いくら頑張っても金はやらんから、他のところで満足せえよ」ということです。

★★★

書店にはエライ人が書いたビジネス書が沢山あります。

それは「労働にお金以上のものを見出そう」と書かれているのが珍しくありません。

それを100%信じてしまうのは良くないことだと思います。本当に大切な「自分の人生」「お金」「好きなこと」というのが見えなくなるからです。

「お金以上の価値」はあったらラッキーぐらいの認識で、あまり気を張らずに、もらっている賃金程度の労働で済ましておくのが、一番良いかと私は思います。

立派なことなど考えないで、もっと自分勝手に働いていい。会社や資本家が一番自分勝手なんだから。皆、頑張り過ぎです。

じゃないと、ちょっとの昇給とその会社でしか役に立たない地位、それに見合わない多大な責任と仕事の量、3日で禿げあがるくらいのストレスが襲ってきます。

会社は信長や秀吉や家康やナポレオンように、褒美なんて与えてはくれません。常に使い捨てです。

なんのために働くのか?

お金のため。

それだけ。

これが満たされないから、海外ではストライキがよく起こるのでしょう。日本では起こることはないので、資本家の洗脳はうまく行っていると言えます。さすがエライ人。

エライ人の言う「お金のために働くな」。

エライ人も人間。お金や褒美のために発言していることを忘れてはいけません。

エライ人の言うことなど無視して、今日も淡々とお金のためだけに働きましょう。

#お金ライター #コラム

働きたくないんです。