ハローワークは昼から混む

娘「ねーねーパパー?」

父「ん? なんだい? わが娘よ」

娘「この前一緒にハローワーク行ったでしょ? 失業保険の説明会に」

父「たしかに行ったね。行ったけど、あまり友達に言うんじゃないよ」

娘「それでねー、説明してくれた頭がツルッツルのおっちゃんがねー、『ハローワークは昼から混む』って言ってたよねー」

父「そうだね。それがどうしたというんだい?」

娘「どうしてかなー? と、思って」

父「うんうん。なんでも疑問を持つのは大事なことだね。おそらく皆、朝は忙しいんだろうね。用事とかがあったりして」

娘「でもね、ハローワークはパパみたいな冴えないオッサンが多いよね?」

父「こらこら、パパに冴えないなんて言っちゃだめじゃないか」

娘「そんな冴えないオッサンが、なにを理由に『朝は忙しい』なんて言うのかなー?」

父「そ、そりゃ、新聞読んだり、ゴミ出したりとか……」

娘「私ねー、それは違うと思うんだー」

父「ほ、ほう、それはなぜだい?」

娘「冴えないオッサンは、ただ朝起きられないだけだと思うんだー」

父「こ、こら、なんてことを言うんだ」

娘「仕事がないから、ついつい生活が乱れちゃう。それで昼ごろノソノソ起きてきて、大盛りペヤングなんか食ったりして、それから仕事探しに来るんだと思うんだよね。だから昼から混む」

父「それはすごい推理だね。やるじゃないか。パパ、感心しちゃったよ」

娘「パパ」

父「なんだい?」

娘「パパは私のこと侮って、上から目線で偉そうに語ってるけど、パパだって起きるの昼の2時頃なの、私、知ってるよ」

父「え? あ、ああ、それはたまたま……」

娘「私が学校で勉強したり、掃除したりしてるとき、パパはベッドでグースカ寝てるんだ」

父「…………」

娘「パパ」

父「な、な、なんだい?」

娘「仕事がなけりゃ、朝も起きられないの?」

父「い、いや、そんなことは……」

娘「そんなだから、ママにも逃げられちゃうんだよ」

父「…………」

娘「『仕事がないと朝も起きられない』。こんな人間が、一体なにを成し遂げられると言うの? パパ?」

父「う、う~ん……」

娘「朝から行けば待ち時間も少ないし、昼から履歴書も書ける。次の日、またその次の日も、朝から行って、昼から履歴書書く。それくらい必死にならないとダメだと思うんだー」

父「そ、そうだね」

娘「そういう所、面接官も見てると思うよ。口に出さなくても、雰囲気でわかるもん。その人が頑張ってるか、頑張ってないか」

父「うん……」

娘「パパ、そもそもね。ハローワークに行けば、それでいいと思ってない?」

父「い、いや、パパは頑張ってるよ」

娘「社会は結果を出してナンボだからね。『ハローワーク通って頑張ってます』なんて何の意味もないんだよ」

父「い、いや……」

娘「通うだけなら誰でもできる。そろそろ結果を出そうよパパ」

父「そうだね……」

娘「とりあえず、明日から朝は6時に起きること」

父「え!? いきなりそれは……」

娘「いいね? パパ」

父「はい……」

・昼からのハローワークは朝起きられないオッサンが大量に来るので、大変混みます。だからできるだけ朝早くに行きましょう。朝早いと言っても、9時とかその辺。サラリーマンはすでに会社でメールチェックをしており、主婦はひと仕事終えています。甘ったれてはいけません。

・ハローワークに通うだけで満足してませんか? 通うのが目的ではありません。「就職先を見つけること」が目的です。結果を出せるように、ストイックにいきましょう。


働きたくないんです。