共感からはじめる ユーザー中心組織論 (THE GUILD勉強会#1メモ)

#01 THE GUILD勉強会 〜ユーザーインタビュー設計〜』に参加してきました!勉強会で行なった3つの内容のうちの1つ、弁護士ドットコム株式会社 金子 剛さん(@osi_ire)の発表で得た学びメモを共有します。参加させていただき、本当にありがとうございました!!

ユーザー中心組織論  〜ユーザー目線を中心とした組織を作るために〜

"ユーザー目線" を中心とした組織をつくるために、インタビューをどう生かしていくか?のお話。

発表資料 : https://www.slideshare.net/tsuyoshika/ss-93735921
わかりやすいnote : https://note.mu/osi_ire/n/na5e09ee243eb

インタビューはなぜ必要?

『他者視点』でものを判断する力を育むため。

他者視点とは、ユーザー目線でプロダクトを評価する際に、良し悪しを判断をするために必要な視点のこと。 

見ているものは同じでも、人によって見えかたは全然違う。その背景には価値観や境遇、知識の違いがある。

ユーザーと同じ目線(他者目線)で価値を評価するときは、ユーザーの背景を理解し、『共感』して判断しなければならない。
価値を届ける側の私たちは、ユーザーに共感することによって、他者視点を得る

共感とは、他者と喜怒哀楽の感情を共有し、同じように自分も感じること。自分の感情から類推するだけでは正確な共感はできない。それは"同情"であって、共感ではない。

インタビューは共感を得る

インタビューは、ユーザーが持つ価値観を紐解き、共感を得られる貴重な機会。ユーザーとの会話の中で、その人は何に価値を感じるのか・どんな境遇か・どうありたいのか・なぜそう思うのかを理解することで共感を得る。

共感ができて初めて、同じ目線からプロダクトを評価することができる。

インタビューは組織で考えよう

インタビューは個人ではなく、組織で考えるもの。
インタビューを推進するということは、その組織におけるプロダクトの価値判断を"ユーザー中心"にするということだから。

プロダクトの価値判断は多元的。
ビジョン、会社の評価、売上、技術的モダンさ、UI...etc、色々な視点で評価をすることができてしまう。そんな中で、それぞれのステークホルダが持つ世界観・スタンスでものを評論すると、評価は噛み合うはずがない。同じものを見ていても、それぞれの視点によって見え方が変わってくるから。

色々な価値観があることは受け止めつつ、プロダクトの価値判断をユーザー中心に考える『ユーザー中心組織』をつくることで、作り手全員の評価目線を揃えよう。

ユーザー中心組織のつくりかた

インタビューは、あくまでユーザーを理解するための大きなプロセスの中の一つでしかない。多元的な指標を、ユーザー中心組織に設計し直すための方法を、以下のプロセスごとに紹介する。

1. ビジョン
2. ビジネスモデル
3. カルチャー
4. チーム
5. 開発プロセス 


1.  ビジョン

インタビューは、"なにを?(目標)、どうやって?(手法)" を明らかにするもの。逆を言うとそこまでしか明らかにすることができない。無限にあるユーザーの課題のなかから、何を選んで価値を届けるかは、組織の『ビジョン』から逆算して考える必要がある。

ビジョンは抽象度が高く、見えにくいもの。見える化するためには、『インセプションデッキ』や『エレベーターピッチ』といった手法を使う。(詳細は触れない)

それらを使って整理をする中で大事なのは、「誰」のための使命か?「誰」にそれを届けていくのか? ー 提供する人を明らかにすること。
前述した通り、価値観は人間の数だけ違いがあり、全ての人を理解し共感することは不可能である。そのため、ビジョンから誰に価値を届けるか(ターゲット)を決める必要がある。

そんな時につくるのが『プロトペルソナ』。
どんな思いがあるから (価値)、誰に (ターゲット)、どうなってほしい (目的)といった項目からユーザーのイメージを形成する。
プロトペルソナは普段、インタビューをやった後につくりがち。しかしビジョンから逆算して一旦誰を狙うのか、次に誰をねらうのかを考えておくと、"誰のためのビジョン"なのかを、共通認識として持っておけるので作っておいた方が良い。

2. ビジネスモデル

『リーンキャンバス』という手法を使って、収益の流れやコスト構造といったビジネス要件を考える。ビジネスモデルをユーザー中心で考えるためには、価値とKPIが繋がっていることが大事。

価値 → ユーザー → 収益 → KPI

といった、ビジネスにおける正のスパイラルを回すことで、

価値の創出 → ユーザーに届く → マネタイズ

の流れをつくりだす。価値を提供し、ユーザーに価値が届き、そしてより価値を提供するためのお金になる。これが、ユーザー中心のビジネスモデル。

ビジネスモデルの作成で大事なのは、ステークホルダーを巻き込むこと。営業メンバー、創業者、カスタマーサポート..などなど、クリエイター以外の、詳しい人達の話をしっかり聞きながらモデルを完成させる。これは、あらゆる面からユーザー価値とビジネスが繋がっていることを確認するため

3. カルチャー

「わからないなら試す」をカルチャー化しよう。
サービス開発は分からないことだらけ。不確実性が高い事象はコントロールできないので、頭で考えても分からないことの方が多い。だからこそ、いかに手を動かし、試し続けること = 経験主義であることが大事になってくる。

理性主義と経験主義
『理性主義』… わからないことはロジックで考えて答えをだそう!という考え方。学力テストのようなプロセスで、頭で公式を考えて答えを導く。ウォーターフォール型な考え方。
『経験主義 』… わからないなら試して答えをだそう!という考え方。化学実験的なプロセスで、わからないことは手を動かして得た経験から答えを導く。アジャイル型な考え方。

理性主義な環境で、経験主義なカルチャーを育むには、つたなくてもいいから、まず自分でやってみることが大事。周りに試すことの大事さを経験的に積み上げることで、意識が浸透し、カルチャー化される。

4. チーム

メンバーの多様性が高いほど、イノベーションの価値の確率は上がる。仲間と一緒にプロセスを回して、会社全体に意識を波及させよう。

チームの多様性を高めるために必要なのは、作り手が直接インタビューを行うこと。そうすることでメンバーが、共感の"解像度"を高く持つことができる。解像度は、熱量と似たようなもの。

直接話した実体験と、できたレポートを読むのとでは共感の"解像度"は大きく変わる。実体験でない場合、共感の解像度はやっぱり落ちてしまう。
インタビューは、定性的で数字にしにくいものが多い。だからこそ、実際に経験をしなければそこにある想いを解像度高く持つことができない。

可能なら一緒にインタビューしてくれる専門家を探し、力強いメンバーを集める。必ずしも自分でインタビューを極める必要なはい。専門家と一緒にやるのもひとつの方法。 インタビューに全員参加できるチーム体制をつくろう。

5. プロセス

インタビューをやる前に、まずは、『無知の洗い出し』を行う。知らないことを把握し、事実と推測を分離する。推測は事実ではないのでバイアスをかける要因になってしまうから。

次に、インプットタイムを導入する。インタビューに必要な情報を整理するために、既知の知見を洗い出しを行う。そのためには身近にいる力強い仲間たちの知見を引き出すことも必要。

- すでに長年その問題に携わっている人物 (創業メンバーなど)
- 日常的に触れ合っている人物 (CSさんなど)
- 対象の問題に詳しい人物 (弁護士さんなど)
- 間接的にユーザーを観測している人物 (アナリティクスチームなど)

ここで大事なのは、理性主義は否定しないこと。対立せず、理性に基づいて判断できる部分も洗い出し、経験主義に活かしていく。

学びのサイクルをまわそう

実験により事実を増やして成長できるチームにしよう。

学びのサイクル
1. 事実を受け止める
2. 観測する
3. 実験する
4. 発見する

これらのプロセスをぐるぐる回していくことで、チームはどんどん成長する。
成長する組織をつくるために、学習のプロセスを回そう。

完璧でなくていい。つたなくてもいいから一人から初めて、2人目のフォロワー(仲間)を見つけること。5つのプロセスを行ったり来たりしながら、カルチャーをつくっていこう。プロセスを回し続ける中で、精度が上がり、会社全体へ波及していく。

解像度の高いものはどんどんストックしていこう。組織としての学びになるから。イベントとして終わりにしないよう、『ユーザー中心』の視点をしっかり組織に根付かせていこう!

参考書籍

- LEAN UX
- デザイン思考でゼロから1をつくりだす
- エンジニアリング組織論への招待
- クリエイティブマインドセット

その他思ったこと

・インタビューをやった事実よりも結果が大事。
インタビューは、ユーザーの背景を理解をするための機会なので"実施した=共感を得た。"とはならない。共感から仮説を立て、検証した結果、どんな結果だったのかを知って初めて価値を見出す。なので、そこまでできるリソースがなければやらない選択をしたほうがよさそう。

・ステークホルダを巻き込むには、日々のコミュニケーションが大事そう。
それぞれがどんな役割で、何を見て、何を持っているのかを知っておくことや、逆に自分がどういった役割を持っているのかを相手に知ってもらうことは巻き込む上では必要そう。

・さらに巻き込むには、"やってる感" を伝えることも大事そう。
「巻き込まれてみよう・やってみよう」と思ってもらえるためには、価値のあることをやってると認知されることも大事だと思った。そのためには小さな改善やアウトプットを継続的に共有し続けることが大事そう。

・フォロワー(仲間)を大切にする = 安心感を持ってもらうため?
2人目、3人目のフォロワーって仲間がいれどアウェーで、自分がやってることに対して不安になると思うから、しっかりその先に価値があるということを提示したり、同じ方向を向いているかをお互い定期的に確認を取ったりすることって大事だと思った。

・共感の解像度って勉強会のメモでも言える
勉強会のメモをめちゃめちゃ取って、これを社内にどうやって伝えようかな〜?としばらく考えていたのだけど、この長〜いテキストを見せたところでユーザー中心組織にはならないので、この勉強会で学んだことは、自分がやってみせていくしかないと思った。がんばろう!


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コメント1件

UX/UIではユーザの行動が収益につながるというところがよく分かりました。ありがとうございます。
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