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ミツバチのささやき

[2016年1月16日の日記]

原題:El espiritu de la colmena
監督:ビクトル・エリセ
出演:アナ・トレント
鑑賞:2016/01/16

前回観たのはいつだったろうか。思い出せないくらい昔のこと。ストーリーをほとんど覚えていなかったのは、あまりにも長い時間が空いたからということもあるけど、何しろこの映画にはストーリーに集中させないトラップがある。アナ・トレントの天使のような可愛らしさだ。

イザベルとアナという姉妹の、主に妹アナの視点でストーリーが進むのだけど、とにかくアナの可愛さが異常だ。ここまで可愛い子を使う必要はあったのだろうか、とさえ思う。あまりに可愛いものだからつい見とれてしまってストーリーが頭に入ってこない。

オルゴールの懐中時計をお父さんが家族の前で鳴らすシーンが特に顕著だけど、言葉として説明される情報が最低限のため、ぼーっとアナ・トレントに見とれているとストーリーに置き去りにされる。話自体は難解なわけではないのだけど。

でも今回はちゃんと観たよ。アナの可愛さに惑わされることはなかった。

「エル・スール」と同様、絵画のような美しい映像の連続。光と影が印象的。そういう映像はどうやって探してくるのだろう。どうやって作るのだろう。例えばもしエリセが日本を撮ったなら、その風景がどれだけ見慣れた日常の街並でもエリセの世界に変わってしまうのだろうか。最近僕はそんなことばかり考えている。

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