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ジーマーミ豆腐

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先日、本島に行った時に御菓子御殿で買ったジーマーミ豆腐。

沖縄出身の池上永一さんの小説によく登場していて、いつか食べたいと思っていた。
もともとは琉球王朝時代の宮廷料理らしく、役人がこっそり持ち出してみんなで食べるというシーンもあったりして、さぞ高貴な味なのだろうと想像をたくましくさせていた。

↓ジーマーミ豆腐とは↓

名前に「豆腐」と入っているが、大豆の加工品ではなく、落花生の絞り汁に芋くず(首里方言でイムクジ、サツマイモデンプン)を加えてつくる。胡麻豆腐の胡麻をピーナッツに、葛粉を芋くずに置き換えたような食品である。胡麻豆腐同様にもちもちとした食感である。沖縄県内や鹿児島県内のスーパーマーケット、市場などで市販されており簡単に入手できる。市販のものにはタレが添付されており、それをかけて食べる。沖縄県では出汁のタレで食べるもの以外に、黒糖味、紅芋味、チョコ味など色々な甘い味のジーマーミ豆腐も販売されている。
(Wikipediaより)

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まずはプレーンから。
ビニールの蓋をぺろりと剥がすと、真っ白でプルンプルンな豆腐が現れる。
ほのかにピーナッツの香りがする。

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容器にあけてみる。
中心からずれてしまったが、弾力がすごすぎて移動させることができなかった。
食べる前に付属のタレをかける。
甘じょっぱい、みたらし団子のタレのような味だ。

そして、いざ、口の中へ!

・・・・・・・・・。

最初の感想は「んんんん…?なんか違うなあ」だ。
想像していたのと違う。

原材料がピーナッツであることやプルンプルンの見た目から、プリンのようなデザートっぽい味を想像していたのだが、豆腐自体にはあまり味がない。
鼻から抜けるようなピーナッツの香りはあるが、そこまで主張は激しくない。
上品な味だ。

そこでぼくは誤解に気付いたのだが、ピーナッツ自体は別に甘い食べ物ではない。
ピーナッツバターのような甘い食べ物を連想していたが、あれは人間が甘味を足して加工しているわけで、あの甘さがピーナッツ本体の味ではないのだ。

勝手に想像を膨らませて落差に驚いてしまったが、そういうものとして食べれば十分に美味しい。
甘じょっぱいタレともよく合うし、ピーナッツの香りが口の中でほのかに広がる感じが上品である。

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お次は黒ごま味。

こちらも同じタレをつける。
白い豆腐に黒胡麻が練り込まれているのが見える。

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味の方は……。

「うん、まあ、あまり変わらないな」

製造者には申し訳ないが、違いのわからない男には、微妙な違いは全く判別できないのだ。
言われてみればゴマの味がするような気がする、程度である。

最後に、最も楽しみにしていた黒糖味。

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こちらはタレをかけない。
甘みがケンカしちゃうもんね。

ジーマーミ豆腐を勝手にデザートっぽいものだと想像していたが、黒糖が練り込まれたこれは完全にデザートだろう。
薄い茶色で、プリンみたいな見た目をしている。

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こちらのお味は……。

「甘い豆腐だ」

舌の安いぼくには、至極当たり前な感想しか出てこない。
ビジュアルは完全にプリンだが、(激甘党の人間からすれば)甘さは控えめで、ジーマーミ豆腐本来の風味もしっかり残っている。
黒糖味も思っていたほどのデザート感はないのだが、豆腐の香りも楽しめるちょうどいい甘さになっている。


以上、初めてのジーマーミ豆腐でした。
プリンみたいなものだという思い込みがあったので、最初は落差に驚いて微妙な反応しかできなかったが、勝手な思い込みを振り払ってしまえば十分に美味しい食べ物だ。豆腐っていう名前だしね。
宮廷料理だったという歴史も踏まえれば上品な味に感じられる。

豆腐自体にはあまり味がなく、プリプリとした食感や甘じょっぱいタレなど、白玉団子のような感じだ。
おそらく東京ではあまり売られていないと思うので、沖縄にいる間にたくさん食べておきたい。
島の商店では見かけたことがないような気がするが、今までは意識していなかったのでよく探してみようと思う。

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