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北インド旅行のまとめ②


北インドの定番観光地デリー、アグラ、ジャイプールを1週間で回った。

去年の6月、ラダック旅からチェンナイの自宅に帰る途中に立ち寄っていたデリー。
当時はあまりの猥雑さに気圧されて、観光もせずに逃げるように去ってしまった。

そんな感じで、トラウマとまではいかないが、デリーに対してはネガティブな印象を強く持っていて、北インドへの旅行は意図的に避けていた。
しかし、インドの定番観光地は大半が北部に集中しており、インドに住んでいるのにそれらを全く訪問しないのもおかしい気がして、ようやく重い腰を上げたのだった。

ぼくが住んでいるのは南インドで、デリーをはじめとした北部とは言語や慣習、文化が全く異なる。
日本の方言や地域差といったレベルではなく、完全に外国といってもいいくらい根本的な違いがある。

今ではヒンドゥー教が根付いているインドだが、北部は800年近くイスラム王朝に支配されていた歴史を持つ。
特にムガル帝国時代(1526-1858)の遺構が多く残されてるため、北インドの観光地はタージマハルをはじめとしてイスラム風の建造物が多い。
また、インド北部の住人はヨーロッパをルーツに持つアーリア人で、顔立ちは彫りが深く、目鼻立ちが鋭い人が多い。
それゆえ、街中はどことなく中東の雰囲気が漂っており、異国情緒があった。

南インドとは全く異なる雰囲気だが、それでも「インドらしい」と感じる。
一方で、南インドでの生活も「インドらしい」と感じることが多く、全く異なる文化の中であってもそれぞれに「インドっぽさ」を感じ取れるのは非常に面白い。
すごくチープな言い方になってしまうが、「インドは広く、奥深い」ということを実感する旅行となった。

ぼく自身に深い知識や理解があるわけではないので深入りはしないが、インドでは現在、中央政府を中心にいわゆる「ヒンドゥー至上主義」の動きが活発になっていると言われており、特にイスラム教に対する風当たりが強い。
ところが、今回の旅行を通して、現在の北インドの文化はイスラムの影響を強く受けており、両者は分かち難いものであるように感じた。
長く続いたイスラム支配に対する反発的な感情が、歪な形で発露した結果なのかもしれない。
歴史を紐解けば、侵略者が現地の異教を徹底的に破壊するという例が世界各地で見られるように、こうやって歴史は繰り返すのだろう。

というわけで話はまとまらないけれど、意図的に敬遠していた北インドだが、行ってよかったという話でした。




最後に、旅行中に取ったビデオを12分の動画にまとめたので、ぜひご覧くださいませ。


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