雲はなぜ「もくもく」していると言うのだろう

夏は入道雲。
もくもくとしている雲は、なんかかっこいい。

あれ?なぜ、くもがくもくもしている、とは言わずに、くもがもくもくしている、と言うんだろう。私が外国人で、日本語を学んでいる立場だったら、雲が「もく」か、雲が「くもくもしている」だったらいいのになんで逆なの?と思っただろう。

すると友人が、「煙も「もくもく」しているって言うよね。」

そうなんですよね。
もくもくしている、の方が、もこもこと膨らんで盛り上がっていっている様子を表している感じがするんですよね。くもくもしている、と言うとなんだかどんな感じなんだかイメージが沸かない。それももくもくという言葉をずっと使っているからだろうと思うものの。

雲がなぜ「くも」となったのかと調べる。

雲の語源は諸説あるが,太陽が雲に包まれる・隠される様子の「隠る」「籠る」から「こも」と呼ばれ,それが転化して「くも」になったという説と,雲が地上から水を「汲む」ところから「くむ」と呼ばれ,「くも」になったという説が代表的である。

ふむふむ、雲は「くも」であるのが自然な感じ。

もくもくは?

煙・雲などが、重なり合うように盛んにわきおこるさまを表わす語。

調べを進めると、音を逆にしたのが定着したのではという考察が出てきた。

オノマトペと言葉で面白いケースは、オノマトペの音を逆にしたのではないかと思われるケースである。モクモク も モク を逆にすると クモ(雲)になる。モクモクと雲はピッタリのペアーである。偶然とは考えにくい。(語感的には モクモク がピッタリ)

日本語には逆さにした言葉は結構ありますものね。だらしがない、は、しだらがないを逆にしたものが定着したとか。それかあ。

ズキズキ と キズ(傷)もこのケースである。
スカスカ と カス(粕)もそうかもしれない。そして 粕 から カスカス も出来た。カスカス と スカスカ とでは、カスカス の方が意味が先行しているように感じられる。

あ、そうなの!

コセコセ と せこい もそうかもしれない。
モゴモゴ と 口ごもる は 口ごもる が先だろう。( モコモコ は盛上がるイメージで、モゴモゴ とは関係がなさそうである。)
ブツブツつぶやく という言い方がある。ツブヤク は ツブ(粒)からきた言葉だろう。そうすると、ツブヤク から ブツブツ という表現が出来たのだろうか。語感的には、ツブヤク も ブツブツ も感じがよく出ている。もし、粒 が ブツブツ より先であれば、雲 のケースの逆である。

わー、そうなのねー

モク も ブツ も、クモ、ツブ よりも動きのイメージが強く出ている。これは、ク(Ku)、ツ(Tu) が モ(Mo),ブ(Bu) よりも動きのイメージが強いためである。動きの表現の二拍目の順序を変えて、ものの表現にしたのだろうか。

以上、語感語源学より

ものの状態を表す日本語は、語感が優位になるのですね。雲も「くも」を逆さにして「もく」とし、「もくもく」と口にしてみたら、それっぽい〜ってなって定着したのだろうか。うん、そうかも知れない。


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