美術鑑賞

どうしても見たい展覧会があった。見てきました。忘れてしまわないように、時系列でメモっとく。

まず、ルドン展。@三菱一号館美術館。僕は中学生の時からルドンが大好き。中学生とか、高校生くらいの時期にドンピシャな絵だと思います。不安定な夢の絵。色彩の官能。ルドンの絵は思春期に画集でめちゃくちゃ見てた。けど、思い返すと現物をこんなにまとめて見たことって無かったんですね。生の絵はほとんど初めてだった。だからこそ、期待が大きかった。大きすぎたのです。もう僕はイメージでルドンの絵を見過ぎていて、頭の中でどんどん大きく膨らんで、それこそ本当に夢のような存在に彼の絵がなってしまっていた。ですから、正直言ってまともに現物を直視できなかった。本当のところは、見たくなかった。憧れだったから、遠くにいて欲しい。触れる感じがすると、夢から醒めてしまう!!もっと、もっと若い時に偶然この展覧会に出会いたかったな。そしたらもっと不思議で艶かしく感じることが出来ただろうに!!個々の絵については色々思うことがありました。油絵の難しさや、対してパステルの鮮やかさ、デトランプ?だったっけ?ルドンが装飾壁画のために水彩を選択した訳など、考えるところはありました。大目玉のグランブーケは、確かに異様で、面白かったです。宇宙人みたいです。

次、プラド美術館展のベラスケスの絵。@東京国立西洋美術館。なんか、めちゃくちゃ興奮した。バリューカスの少年とか、カルロス騎馬像とか、目の前にあることが信じられなかった。もちろん、プラド美術館に行けば見られる訳だけれど…そういうことではなく、絵の生々しさというか、ホントに目の前にその人物が閉じ込められている、400年の時を超えて召喚されたような感じがして、ドキドキしたのです。生誕したキリストを取り囲んでいる初期の絵なんかも、人物たちの個性的な風貌、顔付き、やけに生々しい。確かな存在感に打ちのめされてしまいました。マルスの肉体も、青白い肌の下に流れる赤い血管を感じました。画家の筆はすべて完璧に絵の中の存在に捧げられています。兵庫県美にも巡回するらしいのでまた会いに行きたいと思います。関西の方が空いてそうだし。絶対また行きます。

そしてそして、浅井健一さんの個展「宇宙の匂い」@BEAMSギャラリーに行きました。同タイトルの詩集刊行記念展。詩集も良い本だったけど、初めて見たベンジーの絵はとてもエモーショナルで、カッコよくて、かわいくて、、正直めちゃくちゃ欲しくなりました。もうね、虜になっています。おかしいのかな。。みんなに見て欲しい。音楽も素晴らしいけど。芸術家だと思います。詩を読んでもそう思う。絵を見ても、ギターや、歌を聴いても。バイクと絵を展示するっていうのも何気にいいし。見なきゃいけないと思う。音楽は手軽に聞けるけど、絵はそこに行かなきゃ見られない。今回の絵はまたいつ見られるかわからない。絵について、作品としてかなり大事にされてると感じました。また見に行きたい。

それからあとは!谷本真理さん「裏切られたシーン」@clinicへ。谷本さんが最近取り組まれている陶芸作品の展示。京都の個展の時に初めて拝見して、面白いなと思いました。僕は結構陶磁器作品が好きなので、ついつい見てしまいます。前の京都ではフォルムが花瓶だったり壺だったりなんとなくあったけれども、今回、手びねりで作っているその造形は、より自由な遊びを感じるものになっていました。釉薬もドロドロに溶けて固まったものがテラテラ光っています。これからまたどんどん変わっていきそうで楽しみです。僕も陶芸やってみたい。でも僕が作るとすごくつまらなくなりそうだな。絵付けってものをやってみたいんです。前にボールに絵を描いてたけどそんな感覚で…できるかな?難しそうだな。何描いても違う!ってなりそうな気はする。

↓谷本さんの作品、釉薬が溶けて元の絵も溶けてドロドロに固まっているところ。イヌです。目つきが極悪。


↓これ、ベンジーの詩集。詩の他にも日記や物語が入ってる。あとは挿絵も少し。緑の色がいい。カバーを外した方が僕は好きだな。今度絵に描くよ。

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