旅日記

この台風はなかなか。怖い夜です。

ブログでも書こうかな。

郡司侑祐さんのひとり美術館へ行ってきました。

ひとり美術館は栃木県益子町にこの秋にオープンしたばかり。

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まず名前が面白い。ひとり美術館は、郡司さんがひとりで描いた絵を飾るために、ひとりで作った美術館。そこでは郡司さんの作品の展覧会が常に行われている。どういうこと?何か、並々ならぬ気迫のようなものを感じて、お知らせが出た時からすでにもうそこに行かねばならないという気分になってしまった。

場所は栃木の益子町・・・?どこなんだ。とにかく東京から向かうことにした。確か、まず下館駅まで行くんだけど、そこに行くまでが長い。乗り換えも多くて、電車の本数も少ない、1時間に一本とかだった気がする。で、ようやく下館から益子駅まで行くのだけど、一車線しかないピストン?列車で、一両編成で、乗客も少なくて、風景もどんどん田舎になってくる。途中で、SL蒸気機関車とすれ違った!白黒写真で見たそのままの車体がいきなり登場してびっくり。大きな汽笛を鳴らして、ものすごい蒸気を噴射しながら、すれ違い、走っていく。いったいどこに向かっているのか、僕たち・・・楽しいような、寂しいような気分になってくる。千と千尋の神隠しの、電車のシーンを思い出す。乗車1時間くらいで益子町に到着。朝10時に出たはずなのになんだかんだで15時過ぎに着。なんとか日暮れまでには着けました。

初めて訪れた益子町は陶芸の街だった。ひとり美術館まで駅から30分弱くらい、陶芸店やギャラリーがたくさん並ぶ。面白そう、入りたい。だが目指すはひとり美術館。だけど、ひとり美術館も、陶芸店だった!見目陶芸店さんの二階が美術館になっています。階段を上がると、郡司さんが。ようやくお会いできました。長い旅路でした。

美術館には初めて目にする作品ばかりが並んでいました。小さい絵、大きい絵、キャンバスの絵、紙の絵、額に入った絵、手づくりの置物。すべて美術館のために作られた新作だそうです。はじめまして。僕の来館を待っていたかのように、鮮やかに出迎えてくれました。絵がどんどん変化しているような、その最中のような、原核生物から動植物へ、過渡期のような印象を受けました。

展示作品から一枚、「星座集め」というタイトルの絵。作品は勿論購入できます。気になる方はぜひ行ってみてください。おすすめします。益子町も魅力的です。全然時間なくて回れなかったけど、面白い陶器見つけて買ってしまった。もっと色々見たかったなぁ。リベンジします。

で、東京に帰ってきて、、帰りも長かったけど、なんていうか、不思議な気分で電車に揺られてた。すごーく、せつない気持ちになっていた。日が暮れて暗くなってしまってたというのもあるけど。さてここから僕はどこに帰って何をするんだろう。。という気分になってしまった。何のために?絵を描くのか・・・ちょっとメランコリックな気持ちを抱えて、帰ってきた。自分と社会の問題として。これは完全に個人的な思いです。ただ、良いアートがあればそこに人は行く。それは真実です。

それはそれとして、途中の下館駅で公民館的なとこに入ると高校生の絵画展をやってた。美術部時代が懐かしくなる。ものすごく広いスペースに絵がたくさん並んでいた。僕らしか客はいなかったけれど、、じっくり、見た。

気になった一枚、きれいな絵。絵は見ることが大事だと最近強く感じる。高校生と僕、もう世代が10年くらい離れてしまうわけだ。そうなると若い感覚というのは、違ってくる。だから高校生の絵を見る。絵を見ると、瞬間的に感覚がこっちに伝播する。ただ見るだけで力が移動するのです。、、、って、なんか怪しい雰囲気になってきたな。でも本当です。どうしてこういう表現になるのか?それは彼らが見てきたものがそうさせているんだと。だから僕も作品を見ることでそれらを吸収したい。その世代を超えた感覚の伝播が、絵画の意味ですらある。のではないか?と、思えてきた。(…って、正直これは先日の京都、クマグスクでのパープルームの林間学校で飛散した花粉のせいかも?しれませんが!)例えばこの作品もかなり特徴的です。得るものがありました。

もう一枚。。東京から持って帰ってきた絵↓

ビリケンギャラリーで開催のカオス*ラウンジ9で飾られていた、みなはむさんの作品です。「汚い海」。だったかな?完全に、Kにしか見えない。しかも海に立っている。そしてスニーカーを履いている。黒いリュック、白シャツ。僕の記憶と絵がリンクする。美しい世界。素晴らしい作品を手に入れることができて幸せです。ありがとうございます。

みなはむさんの絵はネットで既に眺めていましたが、現物を見ると上手くてびっくりしました。上手いし、感覚が新しい、若くて、世代の必然を感じる。まだ在学されているとか。今後がすごく楽しみです。個人的に…………本当に上手い人は、なぜか、絵画から離れてしまうことが多くて、気のせいかな、悲しいので、生の絵は絶対に続けて頂きたいな。。と、誠に勝手ながら、願っています。

カオス*ラウンジは、初めて拝見しました。もう9回目だそうです。すごいです。月日の流れは早い。続けることが何よりも大事だと、ずっと考えています。僕も当たり前ですが、死ぬまでやめません。ふにゃふにゃと。しぶとく、じっくり。同世代のアーティストとして、見続けたいと思います。

さて雨風はまだ止みません。晴れたら、里山に行きたいと思います。そこで油絵を描きたいと思ってます。もう、道具は全て揃っている。あとはそこへ行くだけです。

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