一枚の絵

仕事終わりに同時代ギャラリーへ滑り込み。

こちら

3人の画家の展覧会「3人の絵」。僕は水田寛さんの絵が見たくて急いで会場へ。奥の小部屋に入ると油絵の具の匂いが充満してました。懐かしい高校の美術部を思い出しました。大学入ってからは油絵あんまりやらなかったので、美術部の匂いなんですね。光沢のある、濡れたままの絵の具が、キャンバスとこれ以上ないくらいよくよく馴染んだ状態で、壁に掛けられて、たった一枚の絵、を形作っています。匂いも相まって、油絵の具への親しみと生々しさが渾然一体となっています。絵を見ると、ずっと前からそこに佇んでいる石ころのように素朴でもあり、反対に涎が出るほど、もの凄くエロティックでもあります。それが何故なのか、とても不思議に思います。

モチーフがやはり特徴的です。電車や信号機、履き古した靴、自転車だったり、普通はあまり絵にしないものを描かれています。ひげそりのシリーズもそうです。身の回りの素朴なもの。普通は、と言いましたが、今時の若者は絵にしないという意味です。。中高の絵画コンクールに出てきそうなモチーフです。僕なら絶対描こうと思わない。なぜなら絵にできないからです。たとえ描いてみても、嘘くさいものになってしまうと思います。何処かで余計な色気を出そうと心が切れてしまう。ただ表面的な絵になってしまうでしょう。これってたぶん人間的な問題です。。お会いしたことはないのですが、穏やかなお人柄なのだと思います。やさしさが絵から滲み出ています。

ほんとに、画家の絵というほかない絵でした。油絵の具の匂い、筆の生々しさ、そして画家の眼差し。。暮らしの中に質量を持った一枚の絵がそこにありました。僕もこんな風に絵を描けているだろうか。。いやいやいや、全然全然。。もっとちゃんと生活しなければ。絵とともに、生きていかなければ。。。。絵を楽しみに伺ったのに何故か自分を省みてしまった。勝手に反省タイムに入ってしまいました。画家として、、。

絵を見たあとは、腹を満たすため近くのバーガーキングへ。。今まさにいながらこの文章を書いています。三条のバーガーキングは店内広くて、人が少なく外国人しかいません。海外旅行気分味わえます。ハンバーガーなんか食ってるから、いい絵が描けないんだな、、、、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?