僕と活版印刷

 こんにちは。東郷清丸です。

 突然ですが僕が活版印刷をしているAllright Printingではいま、「U-30活版名刺キャンペーン」を実施中◎

 活版印刷にチャレンジしてみたいけれどコストが高いのでなかなか手を出しづらい、という若者の声が多く、それでもどうにか体験してみてもらいたくて、30歳以下の方限定で、片面スミ1色50枚で3,000円+税という衝撃価格を実現。5月に初めて実施したときに喜びの声が非常に大きかったので、再び実施することにいたしました🎊

 ちなみに注文受付は12月27日24:00までなのでもうあまり時間がない!でも入稿データの作成自体は1/7中〆切なので、一度注文しておけば、年末年始の休みを利用してゆっくりデザインの作成ができます。

少しでも興味があるかたはお見逃しなくね!

 さあ、ではその名刺を印刷する東郷清丸という人は一体どういう人なのか?ということを改めて知ってもらおうと思って、文章をかきました。初めましての方もよく知ってるよという方も、ぜひお読みください。

- - - - -

- - - - -

- - - - -

 東郷清丸は音楽活動と活版印刷業を並行してやっている人間だということを知る人の割合が徐々に増えてきた。アルバム「2兆円」を出して音楽活動をはじめてからここ1年ほどずっと、取材やMCやラジオで「活版印刷もやってます」と言い続けていたし、“2足のわらじ”を履いている人としてPOPEYEにも取り上げてもらえたし、グッズのひとつ「2兆円ペンケース」も自分で印刷をしているし、いろんな人が活版印刷に興味を持つきっかけになれたら嬉しい。

 ご存知ない方へ向けて簡単に紹介すると、活版印刷はとても古い印刷技術で、僕が使っている機械も50-60年前のもの。手間がかかるのでコストもかかるけど、その代わりに他の印刷加工では得られない独特の温かみや風合いがある印刷方法だ。日ごろ印刷に触れない方はあまり知らないかもしれないが、デザイナーさんや紙モノ好きな方々の中では意外とよく知られているし本も色々出ている。

 僕はAllrightという会社に所属していて、社員はいま僕を含めて4人。それと数名のアルバイトの方々からなる少人数の会社だ。もともとグラフィックデザインの会社として発足したのち、11年前に廃業する印刷屋さんから機械を譲り受けたことをきっかけに活版印刷部門Allright Printing(当初はオールライト工房)がはじまった。僕は3年前に印刷職人として入ってきて印刷をしながら、昨年に音楽事業としてレーベルAllright Musicを立ち上げて音楽活動も開始した。

- - - - -

 そうして毎日毎日、仕事をしているわけだが、音楽と活版を同時にやっていると「仕事をふたつもやって大変なんじゃないですか」と聞かれる。たしかに量的に追われてしまう時はもちろんあるけど、色々手を出して大変だとは全然、思っていない。

 というか僕は、ふたつやっているように見えるけど、実はひとつのことをやってるんじゃないかとさえ思っている。"音楽"や"活版印刷"それ自体は愛着をもって取り組める手段のひとつとしてやっていることであり、僕の仕事の本質はもう少し抽象的な何かなんじゃないかと。

…じゃあ、その何かってのは一体なんだ?ということを考えてみたくて、今日はひとまず、"僕がどういう意識で印刷業にあたっているか"ということを書きつつ探っていきたいと思います。

- - - - -

 そもそも、印刷は聖書を広めるために発明された、人に配るものをつくる技術だ。だけど、いろんなものがデジタルに移行していく昨今、紙を誰かに渡すという行為はどんどん減っている。僕もCDよりもストリーミングで音楽を聴くし、手帳も数年前から買ってないし、本もたまに買うけどKindleでもけっこう読むし、今後もモノはどんどんデータ化していくだろう。

 そんな時代に、それでもやっぱり紙に印刷してモノとして表す、残す、渡す、というやり方を選ぶとき、そこに込められる思いはいっそう強くなる。Allright Printingに舞い込む依頼は名刺やショップカードが多い。「これは絶対、活版印刷でやりたくて」と足を運んでくれるお客さんはみんな、これから生まれてくる印刷物に対して強い思い入れがある。

そういう「強い思い入れ」のようなものは、目には見えないが、かといって存在しないわけではない。誰がどういう思いで作ったのかということは、完成品にもしっかりと宿るし、それを受け取る誰かにも何かしらの影響を及ぼす。それは本人たちが気づいてなくても、無意識下で必ずある。…グラフィックデザインにおいて形が生まれる背景をとても大切するAllrightに入ってしばらく仕事を続けるうちに、僕は自然とそういう考え方をするようになった。

 たとえば僕が印刷した名刺をお客さんが使う時、その名刺を受け取る人たちは僕のことを知らないし、直接出会うことはほとんどない。でも、その名刺を印刷するときに僕がどういう姿勢で臨んだのかということが、その挨拶がなされる場面そのものや、挨拶しあう当人たちの未来に、何かしらの影響を与えるかもしれない。そう捉えると、僕が担っている役割はかなり重要なものだ。

 いくらお客さんが強い思い入れをもって依頼しにきてくれたとて、もし僕が適当な作業をすればその思いは一気に濁ってしまう。しかも、その濁りは最後に名刺を受け取る人にまで影響する。届くはずだったものが届かないかもしれない。そんなのは想像するだけで悲しすぎる。

 だから僕はいつも、いま刷っている印刷物が使われるシーンについて想像することにしている。気合いをいれた仕事のはじめに挨拶として名刺を手渡すところ、店の顔として理念をこめたショップカードが店頭に置かれているところ、しばらく会えてない人に思いを馳せながら年賀状に一筆をしたためて送るところ、たまたま書店に来た人がその本を手にとるところ…。そういうシーンひとつひとつが、よりいいものであって欲しい。じゃあこの印刷はどう進めるべきか、機械の調整はどうしておくべきか、お客さんとのコミュニケーションはどうあるべきか…。ものづくり全体の流れと意味とそのあとの未来などをイメージしていくと、自然と僕自身の思い入れも強まっていく。

 そうしてお客さんの強い思いに僕の思いが上乗せされて完成した印刷物は、事前に想像していたよりも美しくみえる。納品後のお客さんの喜びも一層大きくなっているように感じる。さらにそれが僕の知らない世界へ、その喜びとともに手渡されて広がっていく。その人たちが気づくかどうかはさておき、きっとなにかしらのいい作用があるだろうな。そういう風に想像してワクワクしながら作業をしている。

 自分が濁らせさえしなければ、自分の体ひとつでは到底出会いきれないほどたくさんの人たちに、印刷を通じていいエネルギーを送り込むことができる。僕の仕事は単なる印刷作業なんじゃなくて、印刷をつかって「人の思い入れを濁らさずに具体化すること」なんだな。

 そういう意味では音楽も、自分の頭の中にしかない理想の響きを濁らさずに具体化させくてやってるから、音楽と印刷が自分にとってほとんど同じことのように思えるのも納得だし、今後も武器はさらに増えるかもしれないな。楽しみだ!

- - - - -

 …とまあ、なんだかかっこいいことを言っているなと思うけど、もちろん自然と万事上手くいくわけじゃなく、作業に追われたときは途方にくれることもあるし、日々エラーもおきるし、その都度対応しながらよりよい状態を目指していっている。それを後ろから見守ってくれる社長の舞さんや、手が届かないところに気を配ってくれるスタッフのはーちゃんたちとチームで取り組んでいるからできることでもある。みんなでそれぞれの理想を追いかけている。

 そんなAllright Printingでできる活版印刷は、表面の美しさもさることながら、それ以上になにかまた別の価値があるかもしれない。ということがなんとなく伝わったらいいんだけど、どうかな。文章じゃ限界もあるだろうし、感度の鋭い若者のみなさまは【U-30活版名刺キャンペーン】でぜひ体験してもらいたい!気合い入れて印刷します!

改めて言いますが注文受付は12月27日24:00まで!締め切りが迫ってますのでぜひチェックしてください。よろしくお願いします🎊





この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

うれしいや👏
50

note編集部のおすすめ記事

様々なジャンルでnote編集部がおすすめしている記事をまとめていきます。
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。