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プロトタイピングを通して分かること

4月から始まったXデザイン学校の授業も後半になり、作ってみる段階に入ってきた。今回はペーパープロトタイピング。いわゆる「デザイン思考」の5つのステップの、最後から2つ目のところである。プロトタイピングという言葉はよく聞くし、概念としては分かっているつもりだが、この工程がなぜ大事なのか、どう大事なのかは体感したことがなかったので大変面白かった。

今受講しているコースでは、ビジネスインタビューから始まり、ペルソナ/シナリオ法の手順を、ひと通り踏めるように設計されている。構造化シナリオ法は、正直なところ、まだまだ自分でできる実感が持てずにいるが、その体系を知れば知るほど、奥が深いものだと唸らされる。今回は、前回作ったユーザ体験(UX)のシナリオと、インタラクション(UI)のシナリオをもとに、ペーパープロトタイピングを進めた。言うなれば、アウトプットの解像度を上げていく工程なのかなと。

実は、シナリオを作った時には、結構「出来た!」感があったのだが、プロトタイピングを始めてみて、全然、具体的に描けていないことが分かった。簡易ストーリーボードで絵コンテを起こそうとすると、グループのメンバー同士、全然違うことを考えていたり、思い描いている絵姿が異なったりして、すんなり進めることができなかった。文字ではなく、絵に描いて共有することで、互いの認識のズレが明らかになる効果があることを実感できた。

さらに、ここで私たちのチームは詳細化する方向に走り、「ストーリー」ボードのはずが、UIや作業ステップの方に傾倒してしまった。これまでに検討したはずのストーリーを表現することなく、いきなりUIを考えてしまうのは何でだったんだろうか。考えたはずのユーザのインサイトやUXに自分達が深く共感できていないからだろうか。それとも、形があるものに慣れすぎていて、体験を描写することに馴染みがないからだろうか。

「ストーリー」というものが、まだまだ身体に染みついていないのは確か。ここが「分かる」から「できる」に変わってくると、UXの世界に解脱できるんだろうな。授業はあと3回。がんばろう。

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