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ゲムマ24春初出展レポ(イグナイター -魔窟の結晶-)

きよみずかつやです。
ゲームマーケット2024春に初出展し、「イグナイター -魔窟の結晶-」というゲームを販売しました。

多くの方がやっていらっしゃることとは思うのですが、ゲムマ初出展してみて気付いたこと、誰かの参考になりそうなことなどをまとめたいと思い記事にしました。
出来るだけ他の人があまり書いてなさそうだろうな…というネタに絞って書ければと思いますので、興味がある項目だけでも読んでいただけたら嬉しいです。


僕の出展の形式について

きよみずかつやは今回、下記のような形式で出展いたしました。
・一般両日試遊あり
・車両搬入
・スタッフ最大5名体制
・B5サイズ箱のゲーム92部持ち込み(事前販売の8部を合わせて100部販売)
※段ボール8箱分


1日目(4/27 土曜)

車両搬入について

自分は都内在住なのですが、Timesカーシェアで車を借りて、自宅から92部のゲーム、設営用具を積み込んで向かいました。
道中でスタッフの一人(ポンD)を拾い、会場に向かいます。

車両搬入の場合は事前の申請(3,300円)と、申請後に送付されてくる車両搬入許可証の印刷・掲示が必要になります。
この許可証をダッシュボードに置いた状態でビッグサイトに向かうと、会場に直接荷物を持ち込める…というところまでは把握していました。
会場内にどんな感じで入っていくのか…というところはあまり想像していませんでした。

会場に着いて衝撃を受けたのですが、この車両搬入がだいぶカオスでした。
皆さんゲムマ会場の様子をイメージしていただきたいのですが、ブースのテーブル・椅子がすでにセッティングされた状態のあのホールの通路に、車がそのまま入っていきます。そして

・一方通行などの規制、順路無し
・車両の誘導や案内一切無し

という状態で、各々が自分のブースに向かって車を進めていきます。

当然、狭い通路ですので対面で車がすれ違えずににらめっこしたり、前の車から人が降りてきたと思ったら「バックしたいから下がってくれ」と言われて来た道を50mほどバックで戻ることになったりします。
また、ブースですでに設営を始めている人たちもいるので、通路を人がたくさん歩き回っています。その横を(あの幅の通路で)車が通り過ぎていきます。

よりによって僕はホールの一番奥(午前入場口すぐ近く)にブースがあったにもかかわらず、一番手前の入口から入ってしまったものだから、通路なのかどうかもよく分からない空きスペースを、周りの車の読み切れない導線を見極めながら、人が歩き回っている中、乗用車で突撃していくことになりました。

幸い、自分のブース付近には搬入の車両はいなかったのでブース脇に車を止めることが出来、8箱もの段ボールを難なくブースに運び込むことが出来ました。
カーシェアの料金は僕の場合2日間で15,000円くらい(車で1時間程度の距離)だったので、ゲムマ会場の配送料や行くまでの交通費・移動の楽さを考えれば、車両搬入はかなり良い方法だと思いました(実際電車で後から来てくれたスタッフは、電車が混んでいてとても疲れた…と話していました)。

が、ホール内を縦横無尽に走り回る乗用車やトラック、そして歩き回る出展者たち、狭い通路での長距離バック走行など、運転技術にあまり自信のない人にはかなりハードルが高いと感じました。
このあたりはホールへの車両搬入を検討している方はそれなりの覚悟を持って挑んでいただく必要がありそうです。

※近隣の駐車場に停めて、会場まで台車とかで運び込むとかであればそんなに大変な思いはしなくて良いかもです。量によっては何往復もしないといけなくて大変かもしれませんが…


不用心さが招いた大失態

荷物をブースに置いたあと、車を駐車場に停めるためにいったんその場を離れることになりました。
車を借りているのが僕&カーシェアの規約の関係上未登録の運転手に車を運転させることが出来なかったため、僕が車を運転する必要があったのですが、スタッフのポンD一人をブースに残しても設営の手順などを説明していないためやることなくて暇だろうなー、と思い、軽い気持ちで2人でその場を離れることになります。

今思えばこの時、釣銭とかも置きっぱなしで離れてきたので良くなかったなとも思うのですが、カバンの奥の方にしまってある釣銭をわざわざ探し当てて盗むような不届きな出展者もいるまいと考え、数分で戻るからよいだろうくらいにしか考えていませんでした。

そして車を地下駐車場に停めて会場に戻ってきた時、僕は気付いてしまいました。


出展者証が、無い。


決して、家に出展者証を忘れてくるような失態はしていません。そんなものは当然前日(何なら前々日)の時点でカバンのポケットの中にしまっています。
問題は、そのカバンが今会場の中にある事。
ブースに荷物を置いて、車で堂々と会場を離れてしまったがため、出展者証がカバンごとブースに置きっぱなしになっているのです。

会場内には本来、出展者証が無いといかなる場合でも入場することが出来ません。
ところが今回は「車両搬入証」という、一時的に出展者証と同じように使えるアイテムを使い裏口から入場してしまったがために、事前に出展者証を準備しないまま会場に入り、存在を忘れたまま会場を離れるという大失態を犯してしまったのです……。

近くのスタッフに事情を説明したところ、
「本来は出展者証が無い人は入場させることが出来ないのですが、今回に限り特別に、スタッフ付き添いのもと1名だけブースに向かい、出展者証を回収してよいです」という許可が下りました。助かった………

こうして開幕早々やらかしながら、急ぎブースの設営準備に取り掛かることとなりました。
車両搬入を検討している方は、くれぐれも「出展者証をブースに置いたまま、全員揃って会場を離れない」ようお気を付けください……


来たる早期入場

良い感じに設営をして、軽く周りのブースを歩き回ったりしました。
そして11時、早期入場が始まります。

「出陣じゃーーーーー」

ゲムマの入場者は、腕にリストバンド型のチケットをつけており、これをスタッフに見せるために拳を高々と突き上げて入場してきます。
この光景、23秋ゲムマに一般来場者で参加した時に初めて目撃して、さながら戦地に赴く戦士たちのごとく感じて高揚したのを覚えていますが、今回運よくA03ブースという入口すぐ脇の場所を割り当てていただけたので、この進軍を間近で目撃することが出来ました。
めっちゃ楽しかったです。

写真手前の黒服のスタッフの方が腕を広げて押さえていますが、この数秒後、この集団はお目当てのブースめがけて猛ダッシュで突撃していきます。一体皆さんどこに向かったのかは僕は知りません。
勢いスゲーな…と思っていた開幕ほんの十数秒で最初のお客様が!!
「イグナイターひとつ下さい」とめっちゃ嬉しい言葉を聞いて喜んでいる間もなく、あっという間に列が形成されていき、スタッフのポンDとてんやわんやに。

どうやら、A03ブース(入り口すぐ脇)という位置の関係で、回るブースやコースを事前に決めていた方々が「とりあえず最初に立ち寄る場所」となったようで、同じことを考えていらっしゃったお客様が開幕5分で集中する形になったようです。
最初の7分の時点で7,8人のお客様が来店し、大慌てでブースを回しているうちに、怒涛の入場行進はひと段落ついたようでした。


12時の一般入場~閉会

11時からの早期入場組(2,500人?)が落ち着いたころ、場内に一般入場開始のアナウンスが。
先ほどと同じように拳を掲げて大挙する来場者たちでしたが、早期組と違い開幕猛ダッシュ、という雰囲気ではありませんでした。
やはり早期組は開始数分で売り切れるような注目ブースに殺到したのだろうな……と考えると、その中から本ブースを選んでくれた方々が数名でもいらっしゃったのがありがたいことだ…という気持ちになりました。

その後は午前中のような待機列形成に追われるような事態はなく、定期的にいらっしゃるお客様、試遊に興味を持ってくれたお客様の対応をスムーズにこなしていくことが出来ました。

13時ごろには他のスタッフ3名が到着し、おつかいを頼んだり一時的にブースを預けたりすることも出来ました。
ちなみに、一般試遊卓ありのプラン(38,500円)の場合、出展者証が4枚同封されてくるのですが、自分はそのことを知らず「ポンDの分を追加で申請せねば」と追加料金4,000円でもう1枚出展者証を頼んでしまっておりました。
出展者証が5枚届いた時はどうしようかと思いましたが、ゲムマに興味を持ってくれた友人夫婦と大学の後輩をスタッフとして召喚することが出来たので、結果的には良かったなと思いました(うち2人は両日ともスタッフとして活躍してくれました)。

17時に1日目終了のアナウンスが鳴り響き、拍手の中ゲムマ初日を終え、自分を含めた両日出展の方々は貴重品だけを回収し、ブースのものはそのまま置いて会場を後にしました。
この日、我々は会場真下の地下駐車場を借りていたのですが、2F→1F→B1、という構造のエレベーターでは「2FからB1に向かう人が多く、1Fからだとなかなか乗れない」という事態になり、しばらくエレベーター前で列に並ぶことになりました。
ビッグサイトのゲムマは秋には開催されませんが、今後またビッグサイトで開催されることがある時は最初から2Fに向かい、2F→B1に向かうルートが最も効率が良さそうと感じました。


2日目(4/28 日曜)

穏やかな心で迎えられた日曜の開場前

開場の2時間前にブースについたものの、前日のうちに設営準備を終えている我々は特に急いでやることもなくゆったりと過ごすことが出来ました。

そのため、前日は忙しくて回れなかった気になっているブースを確認したり(まだ誰もいないとこが多かったですが)、会場の雰囲気を改めて見て回ることが出来ました。
この時間はとても心穏やかに見て回れてよかったです。やはり両日出展は良いな…と思いました。


土曜日と全く異なる雰囲気

昨日と同じように11時を迎えましたが、心なしか周りのブースも昨日ほど緊張した雰囲気ではなく、「あれ、ほんとに始まるんだよな??」というくらい皆さんくつろいでいらっしゃる様子でした。
それでも開場のアナウンスが鳴ると昨日と同じく拳を掲げた来場者たちが押し寄せ、「あ、やっぱり始まった!」と気を引き締めます。

土曜日は来場者が多い、日曜日は少ない」というイメージを持っていたのですが、その認識は間違ってはおらず、また正確でもありませんでした。
というのも、そもそも土曜と日曜では客層が全く異なるため、売り方が全然違ったのです。

土曜日は前述の通り、多くの来場者が目当てのブースに一直線で、事前に入念に下調べをしてきた熟練のゲーマーたちが計画通りにブースを回っている様子が感じられました。
そのため予約受け取りの大半(41件中35件)は土曜日に集中していました。

ところが日曜日の来場者はかなりライトな層が多く、「これってどんなゲームですか?」「何人で遊べるゲームですか?」という質問が明らかに前日より多い様子でした。
日曜日は土曜日ほど来場者も殺気立っておらず、事前に下調べ無しで来場して面白そうなゲームを見て回っている来場者、試遊があるゲームを順番に遊んで楽しんでいる来場者、という客層が多く感じました。
実際、試遊卓は明らかに土曜日よりも数多く回っていました

また、日曜の販売個数は土曜日の半分以下になる…と予測していたのですが、非予約者で当日分を購入していくお客様の数は土日でほとんど変化がありませんでした(土曜日18人、日曜日15人)。
予約分を含めると確かに日曜は土曜の半分以下の売れ行きではあったのですが、それでも当日予約なしで購入していく割合は日曜日の方が高く、単純に「日曜日は土曜日よりも客層が少ないから効果が低い」という考えは改めないといけないな、ということを痛感しました。

そして大きなトラブルもなく日曜日も無事17時を迎え、ゲームマーケット2024春は大拍手の中で幕を下ろしたのでした。


売り方・設営で工夫した点

ここからは今回僕が出展するにあたって個人的に工夫した点で、あまり他のブースとやり方が被っていないかも、と思う点を挙げていきます。

声かけは極力しない

ゲムマに一般来場者として参加した経験のある方は多くの方が共感してくれると思うのですが、気になるゲームを見てる時や通りすがりに「チラシどうぞ」とか「これは○○なゲームで~~」とかいきなり話しかけられるとそれだけでもう逃げたくなるんです。

しかし、自分がいざ売る側に立つとどうしても通りすがりのお客様に自分のゲームを見てもらいたくて呼び込みをしたくなったり、立ち止まって見てくれてるお客様に「チラシだけでも持ってって!!」と言いたくなってしまう気持ちになります。

今回、思い切って「声掛けをほとんどしない」「出来るだけ目を合わせない」という戦略を取りました。

ブースの前で明らかにゲームに興味を持ってくれている人がいても、極力こちらからは声を掛けず、向こうが「どんなゲームですか?」と聞いてくるのを待つようにする、チラシを持って行っていいか迷っている風の人に対しては「チラシご自由にどうぞ」と軽く声をかけて、すぐに目をそらす(体も反対側向ける)という具合です。

もちろん、一度声をかけて下さったお客様には丁寧に応対をし、また試遊などを行っているのを後ろから覗いている場合など、向こうからは声がかけづらいだろうな……というタイミングに限ってはゲームのサマリーを渡すなどはして、「欲しい情報は自分で見て読んで、足りない情報は聞いて確認してもらう」「ただ見てるだけのお客様にはとにかく不要なプレッシャーを与えない」というスタンスを徹底した接客を心掛けました。

この戦略は個人的には功を奏したと思っていて、確かに「購入を迷っているお客様を無理やり購入に誘導する」ことで得られる利益は手放していたかもしれませんが、お客様が自分でチラシや箱裏を読んで、欲しい情報を得たうえで、足りないポイントを重点的に訴求することが出来たので、概要説明だけでは伝えられない細かい推しポイントや注意点などを詳しく説明することが出来ました。
また、声を掛けないことで立ち去っていくお客様もいるにはいましたが、こちらがプレッシャーを与えないことで長時間とどまってじっくり説明文を読んでくださるお客様も多く、何も声掛けをしなくともチラシを持って行ってくれる人もたくさんいて、かなりの数のチラシがもらわれて行きました。

※補足:チラシ置き場に置いておいたチラシは、1日目・2日目ともにカウントを行いましたが、だいたい10枚ちょっとが持って行ってもらえた様子でした。
本当に興味のある人は、押し付けなくてもチラシを持っていってくれるというのは今回のゲムマで得た学びでした。

何より、購入を促す販売者のプレッシャーに押されてつい勢いでゲームを買ってしまう人よりも、自分のペースでじっくりと購入を検討したうえで、なお購入を決断してくれたお客様については、おそらくゲームのリプレイ率も高くなるだろうと考えており、今後拡張版を検討している身としては顧客一人一人の満足度を高める方が結果的によい方向につながる…という確信があります。

決してチラシを積極的に配る販売方法やサークルさんが悪いということではなく、自分の売り方や、ボドゲ購入者にこうあってほしいというスタンスからすると、「声を掛けない」というスタイルが自分には合っている…という風に考えました。


「このゲームどこで知りましたか」アンケートを掲示する

今回試験的に、下記のようなアンケートをブースに置いておきました。

「このゲームをどこで知りましたか?」

濃い青は、試遊してくれた方を表しており、購入に至らなかった数も含まれています。
また予約購入の方には予約時に同様のアンケートを取っているので、このアンケートは非予約者の方のみを対象として取っています(土曜の前半はアンケート取り損ねたので購入数は正確ではないです)。
参考までに、予約購入者のアンケートの結果は下記です。

予約件数44件の内訳

今回これらのアンケートから分かったことは、
・事前予約はTwitterでの広報が最有力なのは予想通り
・Twitterに負けず劣らず、ゲムマ公式サイト・カタログで見て購入に至るお客様が多い
・当日試遊に来る人はその大半が「会場で初見」のお客様だった
ということでした。

「ゲムマが始まった時点で、もう勝負はほぼ決まっている」という話を以前伺ったことがあるのですが、それでも当日来場して初めてゲームの存在を知り、初見で購入に至るお客様がこれだけ多かった(試遊者の半数近くが購入に至った)ことを考えると、ブースの見せ方や売り方も決して軽視できない非常に重要な要素である…と感じました。
試遊卓ありのプランはそこそこの金額が必要になりますが、次回以降も絶対試遊卓ありのプランで申し込もうと決意しました。

※本作は通常プレイ60分前後の中量級ゲームなので、試遊用に2-30分の体験版ルールは用意していきました。
中量級以上の試遊には必須の準備であると感じましたので、試遊卓検討される場合は是非30分以内に終わるように調整していただければと思います。

※当日購入者の中には、いわゆる自薦他薦ツイを見て購入された方はほとんどいないようでした。


販促アイテムを用意した

スター型コマは販売元に許可を取って転売

本作が5,000円クラスの、お値段重量級なゲームなため、課金額がライトな層には厳しい商品と感じていました。
それでも名前だけでも知って帰ってほしかったので、今回販促用のアイテム(主にボドゲ制作者向け)を用意しました。

・チップの抜き型で出た余りの白チップ(一袋30数枚入り)
・制作の過程で使用しなくなった旧スター型コマ(駒のタチキタ様で購入したもの)

白チップの方は無料、スター駒は1,000円で配布したのですが、どちらもかなりの数がさばけて、特に白チップがボドゲ制作者の方々に大変好評でした。
余った分は日曜の閉幕後に配って回って、あいさつ回りの差し入れ代わりにもなったので良かったです。

スター型コマは当初、「イグナイター -魔窟の結晶-」のコンポーネントとして400個ほど用意したのですが、システム変更の過程でより小さく大量のコマが必要になったため、BGPさんで別のスター型コマを1,600個ほど購入した関係で余ってしまったものでした。
購入時の価格よりは安い値段で放出したので利益にはなりませんでしたが、それでもある程度の費用が回収できたのは良かったです。

※同様の転売を検討される際は、版元に事前に許可を取っておいた方がトラブルやいらぬ誤解を避けられて良いかと思いますので、真似される場合はご注意ください。


販売時に拡張版の予約フォームを渡した

今回、「イグナイター -魔窟の結晶-」は全てレジ袋に入れてお渡ししたのですが、その際に拡張版の予約フォームのQRコードを同封しました。
これは拡張版の需要を事前に把握したいのと、一瞬でも拡張版を欲しいと思ってくれた人に後ほど告知メールを飛ばせるようにしたかったのと、もうひとつ「まだまだ拡張とか出して売ってくぞ!」という意思を見せたかった…という気持ちがありました。
実際この記事を執筆している4/29(ゲムマ翌日)時点で6件もの予約が入っており、拡張版の需要が一定数ありそうだな…GWにみんな遊んだ後にさらに予約増えないかな…という期待を寄せています。

何部刷るか、という参考にもなる上、忘れたころに告知メールが飛ばせるようになるので、これは購入者全員に渡しておいて正解だったなと思います。Twitterで告知してもフォローしていない人には届かない&TL流れていきそうなので……


事前のPRでは「同業者にウケそうな情報」を積極的に放出した

当日販売分が多数売れたとはいえ、ゲムマはやはり事前PRが非常に重要と考えます。
初出展では当然無名からのスタートで、テストプレイ会や交流会に積極的に出席することは確かに横のつながりを広げる有効な方法ですが、SNSを活用してより広い範囲で「顔は知らないけど名前だけ知ってる」人をたくさん作ろうと考えました。

ボドゲ制作者は相互扶助の精神が強いと感じるので、積極的にフォローすればかなりの割合でフォローバックはしてもらえましたが、流す情報が自作品の宣伝だけではやはり記憶には残らないと考えました。

そこで考えたのが「ボドゲ制作者同士、有益な情報交換を行い、投稿や記事を拡散してもらうことで名前を売る方法」です。

同じボードゲーム制作者にとって、
・制作の参考になりそうな情報
・「あるある!」と共感してもらえそうな情報
を積極的に発信し、自作品の宣伝を合間に挟む戦略を取りました。

その最たるものが下記の記事です。

記事執筆の時点では「赤字販売を宣伝することでお得感を見せる」という意図は全くなかったのですが、一部でそういった捉え方をされてしまい、不快感を露わにされている方もいました。

それでも大多数の方が好意的にとらえて下さったこの記事は、投稿から一晩で600view、3日ほどで2,000viewと非常に多くの方に読んでいただき、一時TLの大半を「ボドゲの原価と赤字の話」が占めるほどに拡散されました。

ボドゲ制作の重鎮であるみさき工房さんにRTされたのも大きかったと思いますが、Twitterの投稿の方も100RTくらい行ったと記憶しており、その後の様々なイベントで「記事読みましたよ!!」とお声がけいただく機会が多く、改めてSNS上での情報の拡散力は侮れない…と感じました。

上記の記事の他にもnoteで多数記事をあげており、それらもこの記事の拡散をきっかけにview数が劇的に伸びていました。
その中にはボドゲ制作者に向けた記事もあったのですが、「イグナイターの説明書」の記事が大幅に閲覧数増加したこともあってか、記事の拡散の翌日には予約が5-6件入るなど、販売数のUPにもつながったと感じています。

noteでの記事だけでなく、Twitterでの投稿も
・ワッシャー(座金)を使ったモックのコイン作成方法
・「東京駅にカタンが!!」
など、ボードゲームを作ったり遊んだりする方に役に立ったり共感したりしてもらえそうな投稿を心掛けることで、時折数十件のRTが入るなど手ごたえを感じることがありました。

自作品の宣伝だけでなく、フォロワーに何かしら良い印象を与えられる情報発信を心掛ける、という手法は、PR相談会でフォアシュピ主催の翔さんにも頂いたアドバイスにも強い影響を受けており、このPRの方針が一定数の売上効果も出せたのかな……と考えています。


イグナイター -魔窟の結晶-の販売結果

で、実際いくら売れたんだよ、って話ですが、下記のような結果でした。

▼制作数100部のうち
土曜日:予約35部 当日18部
日曜日:予約6部 当日12部
その他:ボドトラでの事前販売、友人の購入8部
総合計:79部(348,000円) +販促スター駒4,000円

制作当初、100部を1-2年かけて売り切るつもりで、初回50部売れたらいいね、最低30は売れないと厳しいな…と考えていたのですが、初出展・強気の価格設定…という大幅なハンデを背負ってこの結果は非常に満足のいく結果でした。
一時、記事がバズって予約が激増した時は完売もあるかも…!?!?と思ったのですが、今回は購入したいと思ってくれた方全員にお届けすることが出来たという点で、完売してゴメンナサイするよりも良かった…と感じています。

一個知見としては、今回予約限定で1,000円割引という売り方をしたのですが、この売り方をした場合「予約数1部に対して当日は追加で2部売れる」というゲムマでよく聞く法則は当てはまらないな、と学びました。
予約の方は4,000円という価格だから予約した…という方がおそらく大部分で、当日購入に至らなかった方のうち「面白いけど5,000円では買わないな…4,000円なら買ったな」という層が一定数はいたのだろうなと推測しています。

とはいえ、4,000円で売れば売るほど赤字が拡大していくチキンレースだったので、今回は早めに予約を締め切って割り切ったのは間違っていなかったと考えています。


ゲムマを終えて

最後になりますが、今回初出展でこのようなイベントに参加させていただいて、あんな高い価格設定をしていたにもかかわらず開幕数秒で並んで買って下さる方がいたり、初見でブースに立ち寄って興味を持って試遊して下さった上で「面白い!買います!」と言って下さる方がいたり、2日間本当に楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。
次回以降も「イグナイター -魔窟の結晶-」を主力商品に据えつつ、今後は軽量級のゲームや流行りのトリテにチャレンジしつつ、あわよくばいつかイグナイター続編の中量級ゲームを作ったりしたいなとか、ボドゲを通じて何かしら人の役に立つことや社会貢献が出来たらいいなとか考えています。

2日間来場して下さった全ての方、ボドトラ・フォアシュピなどの事前試遊会や、試作品段階のテストプレイ会で「面白い!」と言って下さった全ての方々、通りすがりの来場者も思わず足を止めるような美麗イラストのパッケージを描いてくれたれんさん、取説やカードテキストを100か所以上校正して分かりやすく仕上げて下さったunion talesさん、おつかいや売り子でサポートしてくれた友人夫婦と後輩、そして前日記憶を失くすほどヘビーな飲み会だったにもかかわらず土曜の6時から日曜の23時過ぎまで2日間ぶっ通しで試遊や会計、搬入搬出、打ち上げに付き合ってくれた挙句ゲムマで2万円を超える買い物をして満足げに帰って行ったポンDに感謝を申し上げます。

今後とも何卒よろしくお願いします。

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