見出し画像

美しさの本質


昔から、自分の奥二重が嫌いだった。
目も大きくないし、ぱっちりもしない。
私の青春当時の流行は、

目の大きな女の子=可愛いだった。
西洋のお人形みたいな。

ぱっちり、くりくり、おめめ。


だから、余計自分の目が嫌いだった。
ガミースマイルも
鼻が低いのも。
欠点はどんどん溢れてく。(女だから)
鏡も見たくない程。

だから、メイクで隠す事にした。

二重の幅を大きくして
付け睫とかもして

でも、メイクもヘタだったので
余計変になった。
(これは、私の黒歴史と化す)


『ブスだなぁ』


と何度も言われて、
いつの間にか麻痺してしまって、
まぁ、そうだよな~。
可愛いなんて縁のない事だよなぁ~笑)
と思ってた。


自分の顔なんて、永遠に美しくならない。





ある日、
夢枕獏さんの『陰陽師』の
影響から
『能』に興味が出てきて

観に行った。

まぁ、学が皆無なので
何を言ってるのかも理解できず、

初めての能は…寝オチしました。

それから、リベンジを果たし!!

何度か能を観に行き
演目、あらすじを色々と調べてみた。


『小面』という女の能面がある。

イメージは、ホラーに出てきそうな
怖いものだと思ってた。
お歯黒で、切れ長の目。無表情で無機質な感じ。

でも、違った。

例える事の出来ない『美しさ』があった。

能面は照明の角度で、喜怒哀楽を表現できるらしい。(間近で見たことはないから分からないけど)



そして、役者は能面に魂を重ねるらしい。
綺麗な装束を纏い、

舞うことで、


能面は命が吹き込まれるらしい。



とにかく、小面を見て、
その色んな感情を秘めた目が
とても魅力的というか、神秘的に思えた。

それから、なんとなく
自分の腫れぼったい目が好きになった。
本当にふとしたきっかけ。

そしたら、自分が無理な事をしなくて
すむようになった。

自分の欠点で卑屈になるのは
あまりにも簡単だ。
でも、その欠点さえも
エネルギーにするのは ひどく難しい。



整形を否定する訳ではない。
メイクで美しくなろうとする人を
否定する気もない。
それぞれの、価値観があっていいと思う。


ただ、当人が悩んで、苦しんで
自分なりの答えを出した事に
水を差すのは、あまりにも稚拙だと思う。
正解なんて、その人(自分自身)が決める事だ。

他人が決めた、美しさは
果たして本当に正解なのか。
時代で、美しさや可愛さの
基準は変わる。

最近は、外見だけではなく、
内面から滲みでるものも
美しさのひとつだと思ってる。

というか、外見だけで判断する人に
私は興味もなくなった。

美しさは、衰えるものではなく
経験や、心のあり方の
積み重ねで増すものだとも思ってる。

自分らしい美学を貫く人を
私は本当の美と思う。

上手に
纏まらないけど、

その人が幸せな顔が一番、
美しいのだと思う。

女で有る限り
もっと美しく在るように
努力しないとなぁ。


やっぱり、能もっとみたいな。

そして、小面は、やはり
美しーなぁ。

歌舞伎も浄瑠璃も観てみたい。


自分を、愛するのは自分自身


というお話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?