未経験からいきなり大阪のアメリカ村に音楽スタジオをオープンさせた話

こんにちは。
川真田 清(カワマタ キヨシ)と言います。

現在42歳で、今も現役でSABOTEN🌵と言うバンド活動を行っています。

SABOTENは1999年に結成し、
過去にアニメNARUTOのエンディングテーマ(タイトルは「シナリオ」)を担当したり、
毎年、大阪城音楽堂でイベント(MASTER COLISEUM)を行ったり、
現在も多い月は10本ほどのライブを行うほど精力的に活動しております。
※現在は新型コロナウイルスの影響により、ライブ本数は少な目になっています。

SABOTENの話はこの辺にしておきまして、
今日は経営未経験の僕が、いきなり音楽スタジオ『心斎橋GREEN STUDIO一号店』を立ち上げオープンした話を書きたいと思います。

まず、簡単に僕がどんな人間かと言うと、
小中学生時代は、特に目立ったタイプでも無く、成績もそれなりの、少し不真面目な少年でした。

そんな平凡な僕でしたが、高校に入り校庭で演奏する先輩のバンドの音を聴いて衝撃を受け、そこから人生感が、180度変わったと思います。

その後SABOTENを結成して、怒涛のライブ活動、CDデビュー、大型タイアップ、大型フェスの出演、などなど、様々な経験をさせていただきました。

そんなバンドマンの僕が音楽スタジオを立ち上げようと決めたのは2013年の33歳の頃。

経営どころか、音楽スタジオでアルバイトすらした事のない僕でしたが、協調性の無い性格と言うのもあり、
自分で何かを立ち上げて、自分の納得のいく理想の事をしたい(SABOTENを除いて)と思い立ちました。

“やらずに後悔するより、やって後悔しよう”と心に決めて、頭の中だけで“音楽スタジオ”をやると決め、実際には何も始まってもないにも関わらず、
友人や当時の関係者に「来年に音楽スタジオをオープンする」と言い回ってました。

今考えると本当に無謀だと思いますが、
そうする事によって、逃げ道を断ちたかったのだと思います。

その勢いのまま、大阪中を歩き回って物件探しをしました。
スタジオのコンセプトや内装、設備機材などは頭の中でなんとなくイメージはありましたが、物件探しなんてもちろん全くの未経験。

不動産屋さんに相談すればいいのに、と思われるかと思いますが、
なんせアナログな人間でして、一期一会に期待を。
自分の足で歩き探すことがやりたかったんですね。

大阪は北の、大阪(梅田)駅周辺から中津周辺、中崎町や茶屋町、天満など、
大阪の南は、なんばを中心に、アメリカ村、堀江周辺、船場など、
更に地元の門真含めて、約一ヶ月間ひたすら歩き回りました。

気になる物件があれば建物に記載してある電話番号にその場で電話。
いろんな物件を内見させていただきましたが、業種が音楽スタジオというのもあって、なかなか理想の物件には出会えませんでした。

そんなある日、すでに何度も歩き回っていた心斎橋アメリカ村を再び散策していたらリボンオープンしたばかりのとてもキレイな建物が目に入りました。

黒を基調としたとてもキレイなビルで、建物の名前は「心斎橋ロジック」
名前もかっこいいなって思いまじまじ見てみると、地下一階のテナントが「FOR RENT」と小さく書いてあったんです。

大阪の一等地で、立派すぎる建物、こんな場所の家賃を考えるとまず無理だと思ったのですが、とりあえず電話をかけてみました。
その電話に出てくれたのが商空間の大串さん。

確か19時くらいで遅い時間にも関わらず、すぐに内見の手配をしていただき、駆けつけてくれました。

中は想像以上に広く、全体で約170平方メートル、天井は5〜6mはありました。
家賃も桁違い。。(予定では30万円前後で検討していましたが、軽く倍以上)

これは僕のような個人が契約するものではないと、半ば諦めた上で大串さんとお話させて頂いてたのですが、なんと、、大串さんも元バンドマンとの事。
しかもやられてたジャンルはハードコアバンドで、僕の居る界隈と、とても近いところにありました。

関西のハードコアシーンのお話を聞かせていただき、意気投合。
元同業者というのもあり、音楽スタジオに関してもとても理解を示していたのもあって、その翌日に契約の電話をしました。笑

それから急ピッチで防音工事の出来る施工業者探しに入りました。
しかし防音工事と言っても用途は様々。
音楽スタジオ専門の施工業者さんと言うのは存在していなくて、家庭の防音〜コンサートホールの防音、研究室の防音まで、様々でした。

数々の業者さんの実例を調べて、各社に電話連絡。
その後イメージをお伝えしてそれぞれ見積もりをいただきました。

そこで驚いたのが、その値段の差。
安い所で2000万円代で、一番高い所は1億円越え!
全部で7社ほどに見積もりをいただきましたが、平均で4000万円ほどでした。

もちろん、この4000万円と言うのは、防音スタジオや内装のみの見積もりなので、
店舗に必要な照明やカウンター、楽器機材、音響機材、それらは別途で必要になります。

勢いでスタートしたものの、想像を遥かに超えるお金が必要になり、何度も諦めようかと思いました。

しかし、友人知人に既にはなしまわって逃げ道を経ってた以上、意地でもやるしかない。

その時準備できる全ての資金だけでは足りなかったので、積み立てていた保険を解約したり、身内の力をお借りしたりして、なんとか施工開始する事ができました。

工事がスタートしてからは毎日現場に立ち会っていました。
全てお任せするのではなく、自分でも出来ることはやりました。

自分が作っている実感が欲しかったのもありましたが、手を止めると先の不安に潰されそうになっていたからです。

続く(中途半端ですみません。後日更新していきます。)

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