先週末から二泊三日で、実家のある大分に息子と二人で帰省。初めての「男ふたり旅」。

この時期、奥さんは土日は仕事で忙しく、航空券のマイルも大人1人(キヨはまだ無料)が大分に行ける程度に貯まったため、今回は奥さん抜きで二人で帰省ということに。
「二人だけずるい!」
という反対にあうかと思いきや、「どーぞ!どーぞ!」という感じで拍子抜け。
息子が生まれて3年弱。1日たりとも息子と離れていないんだから、そりゃたまには奥さんも1人にもなりたいよな、うん。

出発の朝、仕事に向かう奥さんと三人で最寄り駅までスタスタ。
駅が見えてきた頃、キヨが道端でヤモリを発見!そこに通りがかりの小学生二人組も加わり、皆でしゃがみこんでヤモリ観察会のスタート。
捕まえようと何度も手を伸ばす小学生。
その魔の手をかわし、尻尾を切り離して逃走に成功したヤモリ。
まだクネクネ動いている尻尾だけが残った道路。
その様子がよっぽど面白いのか、そこから動かないキヨ。
「お母さん遅れちゃうでしょ!」
と言っていた奥さんも、いつの間に「ミイラ取りがミイラに」状態でキヨと一緒にクネクネしてる尻尾を観察。
おかげで奥さんは仕事に遅刻し、こちらも空港行きバスに1本乗り遅れた。

こんな時、「遅れるよ!」と無理やり抱きかかえて連れて行くという手もあると思いますが、我が家では極力息子の興味を優先することにしています(時と場合にもよりますが)。
夫婦で話し合ってそうしたわけではなく、なんとなく子育ての方向性が一致している。
急がなければいけないのに急がない息子と奥さん。いいじゃないか。これが我が家の子育て。我が家の教育方針だ。

*ちなみに、このあと「完全に遅刻だ。なんでわざわざ私と同じ時間に出発するの!」と奥さんからクレームのLINEが届きましたがスルーしました。

羽田空港行きのバス乗り場のあるたまプラーザ駅に到着。バスの中では爆睡してくれていたので空港までは平和な道のり。

しかし、そんな束の間の平和は空港に着くとすぐに崩れ去る。想像していなかった困難が次々と父を襲った。

・航空券を発券しているときに息子が逃走。
・お土産を買ってるときに息子が逃走。
・手荷物検査しているときに息子が逃走。

とにかく息子が逃走する。
逃走というか、必ず父が追いかけてくるので本人は鬼ごっこをしているつもりのようなのだ。2歳児とはいえ間も無く3歳になる子どもの全力疾走はそこそこ速く、追いかけまくった父の電池は離陸前に限りなくゼロに......

ようやく機内に乗り込むタラップまで辿りつくと、息子がこう言った。
「ニーナちゃん、いるかな?」

一瞬、「???」。でもすぐに分かった。
一月ほど前、家族で沖縄旅行した時、タラップで偶然友達親子とタラップで偶然したのだが、その友達が手を引いていた子が「ニーナちゃん」なのだ。
キヨは目も合わせず、ほとんど無関心でクールを装っていたのですが、きちんと覚えていたのだ(なんとムッツリな息子!)。
タラップにはニーナちゃんがいるものだと思い込んでいるのか? 2歳児の記憶もなかなか侮れない。

ようやく飛行機が離陸。あとは大分に到着するのを待つだけー

と思ったのも刹那、機内でも困ったことが。
「トイレに行きたい......」
逃走を繰り返すキヨから目が離せず、空港ではトイレに行っている時間もなかった。いま、静岡あたりの上空を飛んでいる機内で、父は猛烈にオシッコがしたい......

目を離せば逃走する2歳の息子を1人座席においていけず。
うーん、困った。
仕方ない、一緒に連れて行くか......

片手でキヨを抱っこして自分のズボンを脱ぎ、便座に座って右の膝にキヨを座らせてオシッコを試みる。キヨはその様子をおもしろがり、父の股間をのぞき込んでは手を伸ばし、キャッキャッと○○○を掴もうとしてくる。
なんとかキヨの攻撃をかわしつつ用を済ますことができたが、
「これが大きい方だったら......」
と思うとゾッとする。

席に戻ると、後ろの席のキヨくらいの子どもを抱えたお母さんが、
「トイレに行くのでちょっと見ておいてもらえますか?」
とCAさんに頼んでいた。

なんだよ、そんなサービスあったのかよ!
俺は一体何と戦っていたんだ.....

父もまだまだ学ぶことが多い。

そして飛行機は大分を目指して飛び続けた。

次回へ続きます。


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