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艦隊決戦ボケで、ドローンなどそこにある脅威をみない海上自衛隊


護衛艦をドローンで撮影か 映像分析で防衛省
https://www.sankei.com/article/20240508-MH3N4W57SVNA5MJCYLTN5PMQKY/


>海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」をドローンで撮影したような動画が交流サイト(SNS)で拡散した問題で、映像を分析した防衛省が、ドローンが上空に侵入して撮影した可能性があるとみていることが8日、関係者への取材で分かった。当初は偽動画との見方もあった。9日に開く自民党の国防部会と安全保障調査会の合同会議で報告する。

この映像はことし3月下旬に中国の動画共有サイトなどに投稿され、その直後からフェイクではないと分析していた専門家もいました。防衛省が事実を認めるまでに一ヶ月以上かかったのは防衛省、自衛隊の情報分析能力、危機管理能力、公報能力の低さが原因でしょう。

これが可能であれば戦時において開戦当初に、ドローンのスウォーム攻撃で自衛艦隊は停泊地で撃破されるでしょう。無人機だけではなく、無人水上艇も使用されるでしょう。ウクライナの戦訓を見れば明らかです。

このような脅威に対して海上自衛隊は鈍感でした。恐らくは華々しい艦隊決戦を夢見ているのでしょう。だからこのような外洋での艦隊決戦以外の脅威を真剣に考えていない。
 ドローンジャマーも未配備です。これには周波数帯の問題もあります。防衛省に割り当てられている周波数帯では外国製のドローンジャマーを使えなません。
防衛省は防衛三文書にでも指摘されているにもかかわらず、周波数帯の見直しを行う気が全くありません。つまり総務省と交渉するより、戦争で負けた方がいいとおもっているのでしょう。
そもそもドローンの脅威に鈍感であるうえに、周波数帯の問題があるので手を付ける気にもならないのでしょう。

更にRWSの問題です。自衛隊の殆どの艦艇にはRWSは装備されていません。海軍用のRWSは2000年にUSSコールが自爆ボートに襲撃された事件をきっかけに各国海軍が近接防御用として急速に採用してきました。
更に2009年3月13日、我が国はソマリア沖・アデン湾における海賊行為対処のための海上警備行動を発令し、翌3月14日、海上自衛隊の護衛艦2隻をソマリアに向けて出航させ、以後も海賊対処の派遣は続いています。
それ以前の2001年12月22日には北朝鮮不審船追撃という「実戦」も経験しています。

 これだけ世界の海軍で高速ボートなどのよる海賊やゲリラ攻撃、ドローンによる攻撃が深刻化し、かつ北朝鮮不審船事件も経験していながら、脅威に対して鈍感すぎるとしか言えません。

 RWSはもがみ級フリゲートおよび、あさひ級二番艦のしらぬいには搭載されており、今後は新造艦に搭載される可能性はあります。それと予算レクで質問したらイージスシステム搭載艦には中口径のRWSが搭載される可能性があります。
 ですが既存艦にはおそらく装備はされないでしょう。43兆円も軍事費使って軍拡して、長距離ミサイルとか、トマホークとか見栄えの良い「火の出るおもちゃ」を買うと気持ちがいいいのでしょう。

現実の脅威を直視せずに「ぼくの好きな艦隊決戦」を夢想して戦争ごっこするなら税金でやらないで欲しいものです。戦争に備える気がないなば、海自の予算を削って海保に回すべきです。


Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
陸自装甲車両調達の最新情報 24年度防衛予算
https://japan-indepth.jp/?p=82517

月刊軍事研究4月号に陸自の18式防弾ベストに関する記事を寄稿しました。


軍事研究 2024年 04 月号 [雑誌]

apan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695

次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667

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