自衛隊可哀想、とにかく予算増やせで食っている人たちは反発する「不都合な真実」


文谷数重氏の日刊ゲンダイの記事が面白いです。
自衛隊可哀想ビジネスやっている人たちやら、軍拡大好き軍オタさんたちは顔を真っ赤にして怒っているでしょうが(笑



「自衛隊かわいそう論」の大嘘 トイレットペーパーも足りない、を信じてはいけない
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/318494

>結論からいえば信じてはいけない。いずれも防衛側の怠慢か嘘である。
>まず、官舎は他の国家公務員と同じレベルだ。宿舎法の規定から横並びである。

>古い官舎だとしても、海自と空自の官舎は、それほど悪くはない。サッシを交換する、フローリングに張り替える、風呂釜を交換するとマメに手を入れているからだ。
>ところが、陸自はマメな手入れをしない。たまに官舎まるごとの大規模改修をするだけだ。そこから漏れる官舎はボロいままだが、それは自業自得である。

>産経系メディアでは「外壁にひび割れがある官舎」の写真が出てくる。そして危険であると主張している。

> 外壁補修中の写真を出しているだけだからだ。幅1ミリもない亀裂について、雨水の通り道とならないように黒色のゴムで止水した状態だ。安全性には全く問題はない。また仕上げに外壁塗装をするので亀裂跡も残らない。

>他例も同様である。冷暖房、コピー、トイレットペーパーが不足するのは陸自だけ。海、空では使い放題である。
>理由も、やはり陸自の自業自得だ。

>まずは予算配分の問題がある。これらは庁費や雑運営費ほかの予算で賄うが、陸自は中央が吸い上げる。地方部隊に十分な額を渡していない。
 その使い方も悪い。
>トイレットペーパーでは、関東や北海道の地方単位で高値で一括調達する無駄があった。その上、輸送費を使い倉庫から各地の部隊に渡していた。
>しかも、現地部隊にはカツカツな量しか渡さない。だから品切れが起きるのである。

 >当然だが、一度でもなくなると隊員はため込む。用心して自分用に1巻2巻を失敬する。そうなると、部隊中から紙がなくなる悪循環に陥るのだ。

 >自衛隊かわいそう論は嘘でしかない。人情を利用して防衛費増額を迫る悪質詐欺であり、だまされてはいけない。 

まあ、小笠原理恵氏あたりはその最右翼でしょう。自衛隊は貧しい、それはアカが悪い、予算が少ないせいだと仰る。
ですが世界有数の予算を使っていながら、何故そのようなことが起きるのか、と考えるのは常識ある人の疑問の持ち方でしょう。

河野太郎氏は防衛大臣時代に彼女の「自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う (扶桑社新書)を読んで「勉強」していました。大臣の一声で、陸自のトイレットペーパーは増えたようですが、その背景にある硬直した体制は何も変わっていません。
大臣に言われたから見えるところだけをやりました、というところです。背景を知らないからぼくが質問した広域多目的無線機が通じないというはなしも、プレス用のデモをやりましたが、分隊規模で「通じるよう」な設定をしてそれでデモをやれば通じるのが当たり前でしょう。連隊基幹通信システムを通すわけでもなく、周囲に電波の障害がある建物があるわけではない。従前に準備した条件でやればそら、通じるでしょう。

これで大臣は騙せるわけです。ですから未だに周波数帯の問題は手つかずです。
本来大臣は目に見える事象だけでなく、その背景を理解すべきだし、そのような助言をしてくれるブレインを持っておくべきです。どうせ役所は自分たちに不利な話をしませんから。特に防衛省では重要です。厚労省や法務省ならば、民間の医療関係者や法曹関係者が多く、セカンドオピニオンが入ってき易いですが、防衛省はそれがないわけです。
そういう官僚組織に騙されないようなソースを持つべきです。少なくとも財務省や会計検査院からは情報を取るべきです。



*陸上自衛隊の「音楽隊」は21個で世界一多い…音楽以外の分野で積極的活用を
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/318436

>ほぼ司令部ごとに配置する音楽隊の数も世界一となっている。陸自の音楽隊は中央に1個、方面隊に5個、師団と旅団あわせて15個と合計21個にも及んでいる。6個と5個の海自、空自の4倍である。50万人規模で音楽隊14個の米陸軍より8個も多い。おそらくは世界一、音楽隊の多い陸軍である。

>音楽隊そのものは無駄ではない。国家行事や閲兵式や観艦式には必須である。それらの行事で勝利が怪しい戦争でも勝ったように宣伝できる。日露戦争ではそうして対外宣伝に努め、同時に国民の不満をなだめた。

>とはいえ21個はあまりにも多い。四国には陸自は2800人しかいないのに音楽隊は1個配置されている。同じように兵力2万人の東北にも音楽隊を3つ配置している。

>整理は陸自にとって悪い話ではない。
>なによりも優良隊員を活用できる。その効果は音楽隊のコストを削減できるといった、さまつな節約どころではない。

>音楽隊員は素質良好である。音楽大学を出た上で高い競争率の採用試験を突破している。勤務態度も真面目であり、問題行動は起こさない。
>幹部自衛官に適しており、音楽以外でも活用できる。そのような優秀な人材が陸自には1000人ほどいる。音楽以外の分野にも積極的に活用すべきである。

これまたお説のように削減をすべきでしょう。ぼくの以前霞が関の某官庁の課長クラスの人から、「音楽隊減らせませんかねえ」と相談を受けたことがあります。流石に全廃は無理ですが、陸自はある程度集約できると思いますとお答えしておきました。

方面隊を削減して、部隊を旅団に統一、それを組み合わて数個師団にすれは必然的に音楽隊の数も減ります。
海自にしても地方総監部は横須賀、呉、佐世保に集約して舞鶴や大湊は格下げにすれば音楽隊は減ることになります。

それから一般向けの音楽祭などは無料でやっています。これは広報の一環ということでしょうが、それにしてもホール代などはかかっているわけです。せめて実費ぐらいは取るべきです。
それからCDなどを販売する際にはきちんとロイヤリティをとってガンガン売って、防衛費の足しにすべきです。例えばアニメとか売れる企画を考えてレコード会社に持ち込むとかでもいでしょう。
最も昨今はレコード会社ではCDが売れないそうです。そこそこ人気のあるアーティストでもインディーズ程度しか枚数が売れないそうです。ですので自衛隊で直接企画してアマゾンなどのECサイトで販売するとか、演奏会で販売するほうが実入りがいいかもしれません。

英軍では軍楽隊を民間に有料で貸し出したりしていますが、そのようなマネタリングも検討すべきです。

それから全く関係ない話ですが、防衛省が使用する輸入装備の関税を無料にしてはどうでしょうか。ものにもよりますが武器関連だと9パーセント近いそうです。無論財務省の税収の問題と絡んでくるのできちんと精査する必要がありますが、例えば5千億円輸入するのであれば400億円以上の費用が削減できることになります。

apan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
オスプレイは陸自から海自に移管すべき
https://japan-indepth.jp/?p=73052

European Security & Defenceに次期装輪装甲車の記事を寄稿しました。
https://euro-sd.com/wp-content/uploads/2023/01/2023_01_ESD_P.pdf




■本日の市ケ谷の噂■
調達が始まる陸自の92式信管の改良型だが、あいも変わらず総務省に押し付けらた周波数帯なので機能不全が心配されており、規制のせいで有事に外国製が導入できない。もっともその時はバックレて入れちゃえばいいという、文民統制、法治無視を陸幕は決め込む、との噂。

日記


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