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MLR開幕-大本命Seawolvesは順調に白星スタート

みなさんこんにちは、アメリカ、シアトルでラグビーをしつつ、マーケティングを学んでいるおおたけです。

先週1/27、アメリカのラグビープロリーグ、Major League Rugbyが開幕。今日はその開幕カードの中から【Seattle Seawolves vs Glendale raptors】の試合についてお届けします。

そもそもMLRとは

MLRとは、2018年に開幕したアメリカ初のラグビーのプロリーグです。

2018年は全米から8チームが参戦し、HOME&AWAY方式でリーグ戦が繰り広げられました。2019年はカナダ・トロントからも1チーム参戦し、全9チームでのHOME&AWAY方式でシーズンが進んでいきます。(ちなみに2020年からは3チームが新たに加わり、12チームになる予定)

(要約された大体の情報はwikipediaから見ることができます。公式情報は以下の公式サイトから)

シーズンは1月の終わりから6月まで。Super Rugbyなどとフォーマットは近いかといえるでしょう。

Seattle Seawolves

MLRの初代チャンピオンチーム

2017年にシアトルのトップクラブチームであるSeattle Saracensより分化し、発足しました。(ちなみにSeattle Saracensはイギリス、プレミアリーグのサラセンズとも提携を結んでいます。)

ワシントン州、シアトルを本拠地にしています。

選手は35人ほどが所属しており、50%程度がアメリカ出身残りの50%にはカナダや南アフリカ、フィジーなどの出身選手がいます。

有名な選手でいうと、アメリカ代表のOlive Kilifi選手カナダ代表主将のフィル・マックフィジー代表トヨタ自動車でもプレーしたアピサイ選手など。またフィジー出身の選手が複数いる理由として、兄弟チームのサラセンズに、フィジーのセブンスの神様、ワイサレ・セレヴィがいることも一因に挙げられます。

対する

Glendale raptors

初代準優勝チーム。コロラド州、グレンデールを本拠地とするチーム。

2007年に設立し、Raptorsとして存在していましたが、MLR開幕に合わせGlendale raptorsとなりました。

所属する選手はSeawolvesより少し多い40人余り。80%前後がアメリカ人選手オーストラリア、南アフリカ、ニュージーランドが各数人ずついます。

有名選手でいうと、15年のワールドカップ、日本戦でもプレーしたHOのZach Fenoglioスコッド入りしていたSHのShaun Daviesなどがいます。しかしキャップ保持者はあまりおらず、Seawolvesより有名選手は少ない印象です。

多国籍移民に寛容なシアトルが故、Seawolvesのアメリカ人選手は50%程度しかいないのに対し、保守的な中西部は80%前後アメリカ人選手であるのは一つアメリカらしいところです。


今回試合が行われたグラウンドはStarfire field

5000人ほど収容するグラウンドで、アメリカのプロサッカーリーグ、Major League SoccerのSeattle Soundersの練習拠点でもあります。

規模としてはトヨタ自動車ヴェルブリッツや豊田自動織機シャトルズのホームグラウンドとして使われる瑞穂ラグビー場を一回り、いや二回り小さくしたようなイメージです(瑞穂ラグビー場は15000人収容)

規模は小さくとも熱は高く、チケットは試合前から完売。昨年もほぼ全ての試合のチケットが完売するなど、シアトル近郊におけるラグビー人気はそれなりのものがあります。

入り口前には移動販売者が並び、フライドポテトやビールなどが売られています。

選手入場の様子

キックオフは19:30

Seawolvesボールでキックオフ。まずは22メートルの奥に蹴りこみました。

Glendaleはまずはタッチに蹴り出し、Seawolvesボールのラインアウト、ここから数分間お互いのキック合戦で試合が進んでいきます。開幕戦ということもあり、お互いにエリアを重視した慎重な試合展開に

前半5分には敵陣10m付近でSeawolvesがペナルティを得て、ショットを選択。しかし昨年得点ランク3位のBrockのキックはわずかに距離が足りず。試合は0-0のまま

先にスコアしたのはGlendale前半16分にSeawolvesのオフサイドによりショットを選択。これを落ち着いて決め0-3となりました。

ちなみにキッカーのWILLは昨年度の得点ランク2位でした。

お互いキックで慎重に探り合う時間帯は20分過ぎまで続きます。しかし、20分過ぎ、ハイタックルでseawolvesがペナルティを獲得、今度は難なくきめて3-3の同点に。

2019年最初のファイブポインターとなったのはSeawolves

キックの蹴り合いからフルバックのMat Turnerが大きくラインブレイク。続くSeawolves ボールのなかで、日本でもプレーしたアピサイからのオフロードで大きくブレイクすると、ジリジリとフォワードで押し込みます。

最後は3番のTim MetcherがピックゴーからトライBrockのコンバージョンも決まり、10-3に。

(トライの際の大歓声)

前半終了間際にSeawolvesのノットロールアウェイで、Glendaleにショットを決められ、3点返されますが、10-6とSeawolvesのリードで前半を折り返します。

Seawolvesのトライに湧く、観客たち。

後半

の最初は一転してGlendaleペース。キックオフを確保したSeawolvesがボックスキックを蹴ると、そのボールをGlendaleが確保。ハイタックルも重なり、敵陣5mへ。右ラインアウトからの左展開ののち、右に振り返し、最後は15番のDYLANのトライで10-11コンバージョンも決め10-13に。Glendaleが逆転します。

48分にはGlendaleの7番、Hanco Germishuysが右サイドをビッグゲイン。そこから左サイドへ大きく展開し、最後は14番のJohn Rybergがトライ。キックは外れたものの10-18とリードを広げます

しかし、これでスイッチが入ったSeawolvesSeawall(チーム名Seawolvesと鉄壁のディフェンスを意味するwallを掛け合わせ、よくSeawallと表現されます)が炸裂し、Glendaleはたまらずノックオン、そのボールを蹴ってBrad Tuckerがインゴールで抑えたかに思われました。しかし判定はノックオン

スコアならず。

それでも”Seawall”からペースを掴み、Seawolvesボールの時間帯が続きます。60分には右展開からチップキックを織り交ぜ、華麗なトライ。このトライはその週のベストトライの一つにノミネートされています。

これで17−18となりました。

この試合の最大の山場は75分Glendale陣内中盤でのGlendaleボールのスクラム。ここでSeawolvesがスクラムをターンオーバーし、ペナルティに。
この瞬間にフォワードは大喜び、観客のボルテージも最高潮に達しました。

これを14番のBrockが落ち着いて決め、20-18。あとはSeawolvesが守りきり、最後はタッチへ蹴り出して試合終了

昨年チャンピオンのSeawolvesが、大接戦の開幕戦を勝利で収めました

match in a minutes=1分に収めたハイライトはこちらから!

フィジカリティを前面に押し出したゲームをする傾向のつよいアメリカのラグビー、その中で規律の取れた組織ディフェンスを売りにするSeawolvesが今年も連覇を果たすのか、昨年涙を飲んだGlendaleがリベンジを果たすのか、それとも他のチームが第2代王者に輝くのか。

3日前の第2戦ではSeawolveが敗れたため、わからなくなってきました。

余談ですが、アメリカのラグビーの観戦スタイルはアメフトの影響を大きく受けています。

例えば、前半20分と後半20分ごろにはテレビのCMのために、ウォーターブレイクの時間が入ったり。

また普通、コンバーションやラインアウトをするときは、応援しているチームかどうかは関係なく静かにするものの、アメリカでは違います。

コンバージョン、ラインアウト共に、観客が大きな声を出し、相手を妨害するシーンなども見られます。


このような観戦スタイルの違いも今後発信していけたらと思います。

最後までありがとうございました。

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アメリカの学費高いです。バイトも禁止。助けて・・。