ちいさな庭だより。2023年10月号。

[intro]
 ときおり夏日の気温になることもあり、しつこく居座っている蚊や日中と夜との気温差に悩まされつつも、庭に出る時間が増えてきた。目下は秋の土用の最中だが、いかんせん天候が不安定なので、土公神に詫びつつ天気の良いタイミングを見計らって集中して作業をしているこの頃だ。
 
 
[街なかの、裏庭より。] 
 

(ゲンノショウコ)

 秋といえば秋なのだけれど、気温が比較的高いままなので実感が薄い。しかしそんな中でも植物たちの体内時計はちゃんと動作しているようだ。ゲンノショウコが今季は花をいくつも咲かせている。一時期は枯れてしまったかと思ったが、なんとか復活してくれた。
 

(段菊)


 前号で蕾をご覧いただいた段菊はご覧のとおり無事開花した。交換会で昨秋にやってきた苗だが、当時は咲き終わっていた状態だったので、今季は咲くのが少しばかり遅いかもしれない。コバルトセージと共に、ちいさな庭の秋の青系の花として目をたのしませてくれている。
 

(ブルーベリーの葉)


(千島ツガザクラ)

  
 そして秋といえば、ブルーベリーの葉が紅葉したり、クランベリーの実が色づいたり、と赤い色も加わって、山ならぬ庭装う、といったところ。千島ツガザクラのちいさな葉も紅葉していた。こちらはまだ庭にやってきて日が浅いので、どんな風に育つのか、興味深々。ひとまずあの厳しい暑さを乗り切ってくれてよかった。
 

 

 草花交換会がこの秋も開催されている。来月初旬も含めると、秋は3会場での実施。今月は2つの会場で行われた。天候のこともあって例年よりはややコンパクトではあったが、その分、常連さんと植物の話に花を咲かせることとなった。今回はクランベリーとイチイを嫁に出し、サンセベリア・バキュラリス、ニシキスミレ、ヒラツカスミレ、ペパーミントゼラニウムなどを輿入れ。多肉植物にペラルゴニウム類、そしてスミレと、好きな系統のものがやってくるものだなぁ、とおもしろがっている。
 

(シクラメンの球根)

 初夏あたりから休眠させていたシクラメン、しわしわになっているけど根がしっかりしていたので球根をダメ元で植えなおしてみたところ、いつの間にかぽってりふくらんで芽吹きはじめた。夏越し成功、ということでいいだろうか。シクラメンはいつも夏越しがうまくいかず枯らしてしまっていたので、今回初めて夏越しできたのがうれしい。もとは昨秋の交換会で輿入れした風知草の鉢の中にあったもので、花を見ていないので、いつかそのうち咲いてくれたらいいな、と思っている。
  

(いちじくの挿し木)

 いつかやらなければ、と思っていたのが、旧宅のいちじくの移動と剪定である。まず剪定して、以前より少しばかりコンパクトにしてから車に詰め込み、とうとう新しい庭に連れてきた。剪定した枝で挿し木も可能と知って、早速やってみることに。さすがに活着はまだだと思うが、少しずつ葉が展開し始めていて、わくわくしてしまう。いちじくの挿し木の成功率は高いそうなので、期待したいところだ。元の苗にも少しばかりのお礼肥をして、来シーズンにまた元気に育ってくれることを願う。
 

(花月)

 
 室内管理チーム、特に多肉植物たちも目下は落ち着いている。花月(カネノナルキ)は挿し芽や葉挿しが悉くうまくいかなくて、向いていないのかな、などと思っていたのだけれど、育て方を調べて行く中で「クラッスラの成長期は9月から11月」という文言を発見し、なんだ、今からじゃん!と気を取り直す。かろうじて生きている苗を整理して、様子をみることにした。
 このほか、三時草は早くも器が狭くなってきたようなので植え替え。ハオルチアは元の苗は枯れてしまったが、子株が育ち始めている。セダム類やサボテンたち、そしてあらたにやってきたサンセベリア・バキュラリスも元気だ。むしろこれから気温が下がる時期の管理が少し心配。かわいさ余ってつい水をやりすぎる傾向にあるので、気をつけたい。
 
 
 
[ロザリアンへの途…落葉前の光合成?]
 

(レディ・オブ・シャーロット)


(ドッグローズのローズヒップ)

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