テクノロジーと楽しさで障害と言語の壁を超える

Code for Japanが取り組むCivic TechとGovTechの日本国内の事例紹介を「Civic Tech & GovTech in Japan」として連載していきます。
日本では80以上の地域で「Code for XX」というシビックテックの団体が活動をしています。各地の団体の活動内容は様々ですが、共通点は「自分たちの興味のあることをしている」ことです。
第一弾の本レポートで紹介するのは、アクセシビリティをテーマに活動する東京都練馬区のCode for Nerimaです。

アクセシビリティという言葉からは何を連想しますか?
ITにおけるアクセシビリティとは、高齢者や障害者が情報端末やソフトウェアにおいて、情報を取得あるいは発信しやすいことです。
そう、ちょっと堅い感じがしますよね。でも、誰とでもコミュニケーションがとれることだと考えるとワクワクしますよね。
Code for Nerimaでは、アプリや手話、筆談を使って、日本人と外国人、視聴覚障害者などが楽しく活動をしています。ぜひ、その様子をご覧ください。

日本と台湾で大注目のUDトーク

2018年に設立されたCode for Nerimaは、2018年9月に開催されたCode for Japan Summitで使われた「UDトーク」というアプリによって大きく注目されました。
UDトークはCode for Nerima代表の青木さんが開発したコミュニケーションアプリで、音声認識機能を使ってリアルタイムに音声を文字に変換していきます。UDトークによって、聴覚障害者や視覚障害者、言語が異なる人がコミュニケーションをとることができます。
Code for NerimaのイベントではUDトークによって常に文字が表示され、全文の記録を毎回作成しメンバー内で共有しています。そのため、Code for Nerimaには多くの聴覚障害者や視覚障害者が参加することができ、とても活気があります。

そして、Code for Nerimaでは飲み会でもUDトークが使われています。手話を使うことができない人でも、誰とでもコミュニケーションをとることができるのです。はじめて参加する人は、障害があっても自然にコミュニケーションがとれることに衝撃を受けます。

UDトークの凄さを知った私は青木さんにお願いして、2018年のCode for Japan SummitのすべてのセッションでUDトークを導入しました。参加した全国のシビックテッカーは大きな衝撃を受けて、自分の地元のイベントや会議で次々にUDトークを活用していきました。


さらに、Code for Japan Summitに参加していた台湾のシビックテック コミュニティ「g0v(ガブゼロ)」によって、UDトークはg0v Summit in 台湾 でも利用されました。

多様なコミュニケーションが生まれる多言語カフェ

2019年、Code for Nerimaで新しくはじまったのが「多言語カフェ」です。多言語カフェは様々な人とコミュニケーションをとるために、音声言語や手話、筆談、アプリなどどのような手段を使うかを考え、楽しむ企画です。
最初のグループ分けではトランプを配って同じ番号の人が集まります。普段は声を出してすぐにグループに別れますが、外国人や視覚障害者、聴覚障害者が参加する多言語カフェでは番号を叫んでも言葉が通じなかったり耳が聴こえなかったりするので、簡単には同じグループの人が見つかりません。

そして、テーブルに分かれて、コミュニケーションが生まれます。4月の多言語カフェにはチュニジア人のろう者の方が参加しました。アラビア語とフランス語の読み書きができる彼と日本人の参加者は筆談ではコミュニケーションできないので、翻訳アプリを通じてコミュニケーションをとっていました。

また目隠しや耳栓を使って、普段とは異なる状態にしてコミュニケーションをとることも楽しむグループもありました。目隠しをすると誰が話しているかを音声だけで確認しなければいけません。また、話す前に周りに誰がいてこれから誰が喋るのかを伝える必要があります。しかし、目隠しをしている人の周りに誰もいないのに目隠ししてる人が話しているというシーンがありました。こうしてコミュニケーションを通して他者に対する理解が言語カフェでは生まれていきました。

課題を持つ人とシビックテック

テクノロジーで地域課題を解決するシビックテックですが、参加したことがない人から「特に解決しようと思う課題がない」という声を聞くこともあります。それに対してCode for Nerima代表の青木さんは次のように答えます。

僕も東京都練馬区に住んでいて「特に気になる課題がない」です。もしCode for NerimaがUDトークを使っていなかったら、そこに参加できない人がいます。聴覚障害者の方や外国人の方です。その時点でその方たちは「参加できない課題」を抱えてるわけで、UDトークを使うことで「課題が解決」できたことになります。そういう方たちは他にもたくさん課題を持ってきてくれます。つまり「課題は探すより、持ってる人に参加してもらった方がいい」と言うことです。

ぜひ、皆さんも仲間と一緒に活動しましょう!

Code for Nerimaプロフィール
活動エリア:東京都練馬区
イベント:毎月第3週火曜日に定例ミーティング、その他に不定期イベント(https://www.facebook.com/pg/code4nerima/events/ 参照)
代表者:青木 秀仁
設立:2018年3月
ウェブサイト:https://note.mu/code4nerima

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