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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#029

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#029 :排泄物(はいせつぶつ)の臭気          

健康な時でも、自分がいる場所の空気を何度も繰り返し、呼吸すれば、肺や皮膚から有害物質が出るので、無事でいるわけにはいかない。病気の時は、体から出るものが全て非常に有害で、危険でもある。臭気を取り去るためによく喚起するだけではなく、患者が排泄するものは、発散するものよりも、さらに有害であるから、直ちに取り除かねばならない。

排泄物の臭気が致命的な影響及ぼすということについては、これが常にないがしろにされているのならば、話すまでもないことのように思える。在宅看護では、便器をベッドの下の布の影に隠せば、必要な注意を充分に尽くしたかのようにみえる。

しかし、ベッドの下の空気のことを一瞬でも考え、なま暖かい蒸気が、マットレスの下でむれているのを考えたら、きっと驚き、恐ろしくなるだろう。
(2023年5月30日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


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