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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#069

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#069 :ヒソヒソ話の害悪

同じ部屋の中で、ヒソヒソ話をするのは実に残酷である。患者は嫌でも聞こうとして、注意を集中させて緊張するからだ。

抜き足、差し足で歩いたり、室内でそろそろと黙って手足を動かすことも、全く同じ理由で有害である。しっかりした軽やかな素早い足取り、着実で無駄のない手の動きが、切(せつ)に求められている。迅速さと軽快さは両立できるのである。

不要な音は多くの場合、患者に一時的な錯乱を誘発したり、病状を悪化させてきたのは確かだ。私はそういうケースを知っている。

あるケースでは、ヒソヒソ話のあとに、患者が死亡したことさえある。この場合、患者の見えるところで、差し迫った手術について、延々とヒソヒソ話をしていた結果であった。
(2023年7月26日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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