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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#249

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#249 :英国で看護師として雇われている女性の数についての所見(第1話)

1851年度の国勢調査によると、職業看護師は2万5,466人であり、個人の家庭で看護・保育にあたっているものは3万9,139人であり、助産師は2,822人であった。

年齢別の数の統計からは面白いことがわかる。つまり、家庭で看護・保育にあたる3万9,139人のうち、その約半分にあたる1万8,122人が5~20歳の年齢層である。

一方、公的あるいは職業看護師のほうは、ほぼ同じ比率の者が60歳以上である。

この人たちの能率をよくし、できるだけ多くの人に、健康の本当の意味を普及させる役割を果たしてもらうことが、国家としての大きな事業であろう。

なぜなら実際には、「この件の結論」は、病人を看護しているであろうと、害しているのであろうと、そこにこそ覚書の材料はあり、看護に使われるだろうからである。医療のおそらくトップにある人が、私にこう漏らしたことがある。「患者を看護させようと個人宅に看護師を送るのですが、結果は患者の害になるだけなのです」と。
(2024年4月25日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


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