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こちらが愛せば

カチン、とくる時がある。

出張。

駅タクシー乗り場。

雨。

長い行列をようやく自分の番になった。

運転手、席からぼくの大きなスーツケースを見て、後ろトランク、開けた。

が、出てこない。

ははん、これは自分でトランクに積め、ということか。

駅乗り入れ権利を持っているタクシーあるあるな、ナマケモノ姿勢だ。

そしてワトソンくん、ぼくはこの姿勢が一番カチンとくるんだよ。

そうか、それならこっちも応戦しようじゃないか

と、いつもなら。

ただ、今日は待てよ、実験してやろう。

こういう、周波数低い相手のときこそ、こっちが周波数高くする機会をもらったわけだ。

どうするか。

愛そう。このおじいさん運転手を。

思った瞬間、おじい運転手、出てきた。この間コンマ1秒。

出てきて、「任せてください」。

重く大きいスーツケースをトランクへ積もうとする。

敬老精神がくすぐられ、ぼくも手伝う。

乗った。

走り出した。

「雨、よぅふりますねー」お愛想言う。

ひらすらおじい運転手を愛しつづけた。
何も言わないよ。
思い。

到着した。

宿泊先ホテル。

前に何台か止まって、その対応にベルボーイが追われてて。

おじい運転手、自分でトランクからスーツケース出すべく準備始めた。

「時間に余裕ありますから、待ちましょう。ベルの人がスーツケース出してくれますから」

「そうですか・・・」

ただ、この日はパーティか宴席が多いみたいで、車が連なってる。
終わらない。

おじい運転手、さっと外出た。

自分でトランクからスーツケース出してくれる。

ぼくも出て一緒にやりたかったが、何しろまだ料金精算してない(笑)

気づいたらしく、おじい運転手、戻ってきて。

ようやく料金決済し、

「ありがとうございました」
「お世話になりました。良い一日を」

お互い、相手の目を見て、笑顔で別れた。

あり得ますか?
こんなこと。

相手に愛があればこちらから愛を発する

のではなく

こちらが愛せば、愛が返ってくる

立派な実証実験になりました(笑)

今日、一度、どこかでお試しあれ。

びっくりするほど効果ありますよ。

さて;

こちら、昨夜いただいたミシュラン一つ星割烹の一品。

「愛のない」事例として、今日これからメルマガで書きます。

よろしければ。

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