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やっと会えたね

インスタリール動画再生回数が30万突破した。


これで実証されたのは「インスタにおいて、動画や画像は添えもの、主役は文章」というぼくの仮説だ。

みんなインスタは「映え」ないといかんと思ってる。映えなんてのは二の次で、要するに「面白い文章かどうか」で決まる。

若い人がフォローしてくれるのだが、すぐに「あ。違う」と思い直して外す。おじさんは傷つくから、それなら最初(はな)っからフォローしないでくれ。

この、「一見主役に見えるものが実は脇役で、引き立てるのはあくまで文章やセリフだ」ということがわかった芸人としてザコシショウに注目してる。

芸能人格付番組で、「映す価値なし」となった時、代わりに出てきたりする。その時は嫌いでね。大嫌いだった。ところが『風雲!たけし城』令和版で好きになった。

挑戦者が橋を渡るのを阻む役なんだけど、ほぼ渡り終えた挑戦者が「わー!」とザコシショウに向かってきたら、わざと負けてあげる背中があった。背中はその人を語る。

「あ。優しい、いい人かも」

それ以来、好きになって、注目してる。

新聞記事で、フジテレビ系バラエティ『トークィーンズ』に出演し、車を買わない理由として、「学生の時からお笑い芸人をやろうと思っていて、やっとなれたんですよ。絶対に手放したくないよ」と語ったという。

これ、ぼくと同じだからとても共感した。物心ついたときからなりたかったクリエイター。いまそれで生活してる。自分に自信ない。車運転なんていうのは武器振り回してるようなものだから、いつ誰を怪我させるかわからないやん。
だから免許返納した。

気になるので、『トークィーンズ』ザコシショウ出演回見るためだけにFODプレミアム契約した。

話は変わる。

難波橋(なにわはし)通称ライオン橋は通勤路。

外国人の中年カップル。

男性が橋の欄干にもたれる彼女を写真に撮ろうと歩行者が途切れるタイミング図ってる。

途切れた。ぼくは写真撮るのを待つつもりで、立って見てた。

と、男性がぼくに気づき、カメラを指して、「撮ってくれないか」のしぐさをした。もちろん、と笑顔でカメラを受け取った。その瞬間、わかった。

彼と、前世からのつながりがある。

彼も、わかった顔をした。

前世のどこでどんな事情なのかわからないけれど、「ようやく会えたね」と、お互い、つながったこころのパイプで確認し合った。

写真撮った。カメラ返した。
「ありがとうございます」風の言葉をくれた。何語かわからない。

顔を見れば、その人がどんな生活をしているか、わかる。
どこの国かわからないけれど、彼は商人(あきんど)してる。
誠実に、お客さんに向き合い、ここまでやってきた。丁寧な商いを積んできた。結果、日本へ行く旅費も貯まった。

「やった会えたね」

の余韻を、二人交わしながら、ぼくは橋を後にした。

良い旅を。

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