見出し画像

クリエイティビティは規律から

エコノミスト誌『Is there more to Alphabet than Google search?』(アルファベットにはGoogle検索以上のものがあるでしょうか?)記事(2023年7月31日付)が大変興味深かった。ちょっとした学術論文クラスの濃さで、綿密な思考と緻密な取材に基づいている。こういうレベルの記事は、日本のメディアではおめにかかれない。

今年9月に25周年を迎えるアルファベット(Google親会社)。

そもそも2015年に社名をアルファベットへと変えたのも、ドル箱検索エンジンだけではいずれ限界が来る、という危機感からだった。

とはいえ、依然アルファベットの収益源は広告収入だ。

2004年に上場して以来、Googleの収益(80%がオンライン広告から)は、年平均28%の成長率で成長している。この期間に、営業経費を差し引いた合計4,600億ドルの現金を生成しており、そのほとんどが広告からのものだ。株価は50倍に上昇し、世界で4番目に価値のある企業になった。

デジタル広告は過去10年間は年率20%の成長を示したが、すでに飽和状態になっている。というのも、広告費そのものの3分の2がデジタル化しているわけで、もう、美味しいケーキのかけらは残っていない。

上れば、下るだけ。

そこでアルファベットは「次の一手」として、2つの健康関連の子会社(寿命延長のためのCalicoとより控えめな医療目標のVerily)を持ち、過去6年間で健康関連のスタートアップに約150億ドルを投資しているが、ほとんど成果を上げていない。ほかのベット(新規事業)たちもお金を食うばかり。

赤字だらけです 

検索エンジンのように、軽やかな資金運転利用のできるものは一つもなく、いずれも重い投資が必要なものばかりであり、さて、どうするか。

ぼくはこの記事を読みながら「創造性」について考えた。

アルファベットなどシリコンバレーの企業は、

「ラフな服装、無料のおやつやランチ、勤務時間の25%を業務とは全く関係ないことに使う」などで社員の創造性を育もうとしている。

ところが実体は、「ゆるーく仕事して、持ち株からのキャッシュが入ってくるのを楽しみながらチョコレートバーをかじる」社員の姿だ。

「おやつやランチを会社が全部持ちます」というのは創造性とはまったく相関がない。関数ではない。ただの費用項目の付け替えに過ぎない。「福利厚生費」とラベルするだけであり、「クリエイティビティ」とは無関係だ。

では、何によって創造性が生まれるか。

ぼくは、規律だと考える。

ぼく自身、大事にしているのがルーティンだ。
いま出張先ホテルでこれを書いているが、5時に起き、クライアントさんに必要な資料をまとめ、呼吸法、その後ストレッチ、スクワット50回、シャワー・・・そしてこのnote執筆。

毎朝のルーティンは変わらない。変えない。

ルーズにすれば、クリエイティビティが上がる? 冗談じゃない。人間の本質がルーズなんだから、ゆるめれば、創造性の花が開くわけじゃない。

Google、なくなったら困ります。Gメールに広告ついたら、使いづらいだろうなあ(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?