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この世に客は存在しない

宴会。

その人の「仕事力」を測定するのに最適な方法は、宴会幹事の仕事ぶりを見ることだ。

宴会幹事は大変。

店のセレクト。参加者の顔ぶれ見て、好き嫌いも把握しなきゃならない(鳥がダメ、とか甲殻類アレルギーがあるとか)。宴会前のみんながいる場所からのアクセスも考慮に入れる必要がある。

座敷スタイルは好まない人がいる。大勢の宴会の場合、座敷に通されることが多いので、要注意。

飲まない人が寂しく思わないように、ソフトドリンクのメニューを調べておきたい。ヘタするとウーロン茶とジュースしかなかったりする。

「飲み放題」がどういうスタイルかも重要だ。生ビールをピッチャーで出されると怒りだすおやじがいたりする。事前に調べなければ・・・。

苦労して、店を選び、予約、席確保した。コロナを経て、店側も、キャンセルポリシーを厳しくしてる(致し方ない)。

ところが、やれ仕事が入ったの、やれ子どもがころんだのとキャンセルするのが出てくる。

急ですが、参加できるようになりました。

というのも出てくる。

苦労する。

・・・ということで、この辺にしておきますが、宴会幹事は大変なんです。

やると、「客というものはこの世に存在しない」という真実に気づく。

行くと言っておきながらキャンセルしたり、行かないと言っておきながら参加言ったりする連中は、自分を「客」と思っている。

ところが、この世に客は存在しないのである。

いやいやいや、マーケティングでは「カスタマー」と言うじゃないですかって?

あなたは会社にお勤めか、独立自営かわからないけれど、
誰かに何かを売って
生活を成り立たせています。

大きな会社だとダイレクトに「売る相手」が見えないかもしれないけれど、仕組みはそうでしょう? 誰かが買ってなきゃ、あなたのお給料はどっから来るの?

でも、その買ってくれる誰かは、買うためのお金をどうやって手にしているかというと、誰かに何かを売って手に入れているんです。

つまり、みんな売る人

ぼくは、MAIDOなどの勉強会で、懇親会をことのほか大事にする。
幹事は持ち回りで、やっていただく。

商人(あきんど)のセンスが磨かれるから。

店への態度もそう。

「オレ、客」

とやった途端、ぼくから鉄拳が飛ぶ・・・というのはウソだけど、そこで学びが止まる。

「客なんか、いない」
「店のことも考える」
「幹事さん、大変」
「自分は客じゃない」

という前提で考えると、たとえば幹事に対して、
「できるだけ早く出欠を連絡する」
「いったん参加と手を上げたからには、何があっても絶対守る」
姿勢になる。

これが商人(あきんど)としての力を磨いていく。

大きな会社では宴会が消えたらしい。
大企業がもたない、とぼくが予言する理由はこういうところにもある。
宴会幹事で商いのレッスンになるのに、そんな機会がないのだから。

ビジネススクールに行くより、宴会幹事一回やるほうが、仕事力、上がるよ。

イメージです

今日はこれから横浜へ。

叔母さんが米寿のお祝いの会をやるというので。
元気に飛び回っている彼女が米寿とは。思わず調べ直したけど、間違ってなかった。88歳だ。日本が高齢化社会だと、あらためて思いました。

旅のお供はこの本。そうそう、ビジネス書なんか読むより、天切り松シリーズを読んだほうがいいよ。よほど勉強になる。

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