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母の日とBIGMAMA

母の日に一度だけプレゼントを送った事があります。何か小っ恥ずかしくて、照れ臭くて、そもそも選ぶのが面倒でと、やらない理由を重ねて今に至ります。毎年、そんな罪悪感を植え付けにくるバンド、BIGMAMA。
母を労わらず、真っ先に自分を労る為に今年も来ました。
先月も観たけど、それでも観たくなるバンド、BIGMAMA。
チケットがソールドアウトしていないのが、残念で極まりないですね。

遡れば、2006年。大都会東京に遊びに行った際、インディーズが大好きな私はタワレコ渋谷に寄って、RX-Recordsのフリーペーパーを見つけました。
その中に「short films」のレビューが書いてあり、名前がなぁ...と思いつつ、試しに買ったのが、名前が少し、ほんの少しだけ残念なバンド、BIGMAMAとの出会い。
ヴァイオリンがいるバンドという事で、Yellowcard好きとしては期待値低めでしたが、「CPX」で軽く期待を超え、心奪われました。Swing Out Sisterのカバーも良く、気付けば、新しい曲を聴きたい欲求に駆られてたのは懐かしい話です。

初めてライブを観たのは、Weekly Fairy Taleのツアーだったかと。そこから毎年のようにライブを観に行ってますね。

そもそもBIGMAMAの良さって何だろうと思いますが、楽曲が良い事はもちろん、金井さんの書 く歌詞ですね。ブログとかインタビューを読むと言語化と表現力が卓越しているなと。こんな文才があればと何度思った事でしょうか。
あとは、挑戦を止め無い事なんだと思います。

1st Albumの「Love&Leave」までは物語性の強い英語詞とエモやメロディックパンクを基調にヴァイオリンを加えた鮮やかな音色を武器にしたバンドは、続く2nd Albumの「Dowsing For The Future」でファンタジー要素を濃くしながら、日本語詞も取り入れるなど、新たな挑戦をし、ファンを増やしていったように思います。3rd Albumの「and yet, it moves」では、アルバム1枚の曲順を変えると、歌詞が一つの物語になるという新たな試みをしつつ、楽曲の幅を広げていき、「Roclassick」でクラシックとロックを融合させ、バンドが一つ完成形を迎えたように思えました。着実に動員を増やしながら、クリスマスや母の日ライブを定期的行いつつ、過去曲に光を当てるWe Don't Need A Time Machineツアーをやるなど、ファンを置いていかないようにするところとか、ずっと追っていきたいバンドですね。

本編のライブの前に個人的なベスト10を挙げてみます。BIGMAMA COMPLETEツアーを終えた中でのライブなので、半分くらい聴けるといいなという展望を込めて。

・Sleeping Beauty 〜二度寝する眠れる森の美女〜
・CPX
・かくれんぼ
・Ghost Leg
・Broken Apart
・春は風のように
・The Game is Over
・Strawberry Feels
・秘密
・#DIV/0

長い前置きでしたが、「Mother's Day」の開演です。

1."Mission 481"
交互に鳴らすツインギターから始まる、1曲目に相応しい曲ですね、歌詞を除いては。。。ギターフレーズがカッコいいながらも、Bメロからサビはポップになり、久々に聴けました。何故、こんな歌詞なのか。。。

2.HAPPY SUNDAY
1曲目の勢いをそのままに2ビートで畳み掛けるこの曲は聴くほど好きになる曲ですね。ちょうど日曜日ですし、良い流れですね。

3.the cookie crumbles
1st AlbumでCPXのような曲を期待していた自分の願望を見事に叶えたこの曲がまさかの3曲目。ダイバーが出ていて、ライブハウスに戻ってきたなというのを感じました。ちなみに、世の中なんてこんなもんだ、という慣用句の「That's the way the cookie crumbles」から取られていますね。

4.POPCORN STAR
1stと2ndと古い曲をやりつつ、比較的新しい曲のこの曲。POPCORNという明るい曲と見せかけて、切なさと疾走感を兼ね備えており、これまでの4曲でかなりの満足感でした。

5.あなたの声で僕の名を呼んで
ライブで初めて聴いた気がします。怒涛の4曲からブレーキを少し掛け、有名なクラシックのフレーズを引用したこの曲でライブハウスが明るく包まれたような気分になりました。

6.ダイヤモンドリング
Mewを彷彿とさせる美しいイントロ。先月のライブで1曲目に聴いたなと思いながらも、サビを聴いてやっぱり良いなと思わされました。自分には一切似合わないロマンチックな歌詞が憎いです。

7.Neverland
初期BIGMAMAというべき、激しさとメロディアスさ全開の楽曲。いつ聴いても色褪せないですね。MVがメリーゴーランドをバックだったのが印象深い。RX-Recordsのコンピレーション「...of newtypes」の荒々しいバージョンも好きですね。

8.CPX
イントロの一音目から激アガりしました。先月のCOMPLETEツアーで聴けず、その前のフリーライブでも聴けなかったので、喜びが一入でした。問答無用にカッコいいですね。Love&Leaveの再録版より、short filmsの方が勢いがあって、断然そちら派ですが、ライブ版も同じように演奏してくれるので、何もいう事はありません。

9.INVIS
先程とは打って変わって、ピアノの旋律が美しくも儚く、美メロな一品。The Vanishing Brideが発売された時はスルーしてましたが、COMPLETEツアーのセトリを見て、どんなんだっけと聴き直した時に、スルーしてた事を後悔しましたね。

10.CRYSTAL CLEAR
INVISに続き、美メロ攻め。雲間から差す光のような楽曲だと勝手に思ってます。ミドルナンバーですが、心を晴らしてくれるような気分にさせてくれます。

11.Wind in her hair
Let it beatのカップリングでしたね。全然ノーマークでした。ライブはもう終わるのかぐらいに思えましたが、今考えると、これから始まる怒涛の後半戦の前のささやかな安らぎだったのかもしれません。

12.The Vanishing Bride
13.Flame out
このアルバムで一番好きな曲が後半戦最初の曲に。怒りにも似た激しさと燃え滾るような厚さも感じられ、ヴァイオリンが良い味を出していますね。ラスサビで爆発する前の緩急がアクセントになっていて、やはり名曲。

14.ファビュラ・フィビュラ
重めのリフとシンガロングが特徴的なこの曲はライブで真価を発揮しますね。声が出せるようになったからこそ、よりその威力を増したと感じました。私は口パクですが。。。

15.Strawberry feels
メジャーデビュー1発目で、当時のBIGMAMAの武器である疾走感と美メロとツインボーカル等々を余す事なく詰め込んだ間違いない1曲。華麗で流麗みたいな感じですかね。相変わらずのクオリティでした。

16.the last song
別れの歌ではあるから、悲しさを感じつつも、幸せでいて欲しい事を切々と歌っているこの曲。こんな風に相手を思えたら素敵だなと思いますね。

17.17 (until the day I die)
まさかの新曲。金井さんがデモを聴いたに青春を感じ、結果としてこのタイトルになったと話していた通り、「until the day, day I die」から始まり、昔を思い出すような楽曲で、まだまだこんな曲を隠し持ってるのかと、期待が膨らんだ、そんな時間でした。

18.I Don't Need A Time Machine
イントロのヴァイオリンが特徴的で、緩やかにA→Bメロと続き、サビでギアを上げるタイプのこの曲。大学時代にライブを観に行っていた日々をふと思い出しました。金井さんはタイムマシンがあっても、今日を選ぶと歌いますが、私は迷わず過去を選びますね。若いって素晴らしい。

19.The Naked King〜美しき我が人生を〜
裸の王様を題材にし、ポップであり、コミカルさもありながらも、全体的にカッコいい楽曲だなと思います。UVERworldも裸の王様を題材にした曲がありますが、知らない方は聴き比べても面白いかと思います。

20.PRAYLIST
ドラムのBisさんが正式にメンバーとなって最初に作った曲だそうで、歌詞が示すように冒険の歌であり、聴くたびにワクワクさせてくれるような気分になります。Snow Motion epに入っているので冬のイメージではありますね。

21.MUTOPIA
BIGMAMA初ぐらいのEDMが混じったダンスナンバー。最初は抵抗感しかなかったですが、ライブで何度も聴いてると、いいなと思うようになりました。MVのようにメンバーが踊ってるのを観られる日が一回ぐらいないかなと、少しだけ願う自分がいます。

22.荒狂曲"シンセカイ"
ドヴォールザークの「新世界より」のフレーズを引用し、ロックとクラシックを見事に融合、昇華した楽曲。歌詞もワンピースをモチーフにしていたはず。ライブでは鉄板ですね。発売当初はエンドレスリピートに近いぐらい聴いていました。良いものは良い。

23.虎視眈々と
去年10月のフリーライブ「Hello, my name is...」で初披露された、激しい曲好きな人のツボを押さえた楽曲。早くCDにならないかなと待ち望んでいましたが、もう直ぐ叶いそうで嬉しい限りです。

アンコールは案の定ありませんでしたが、COMPLETEツアーの集大成のようなセットリストで、Sleeping Beautyが聴けなかった以外は大満足でした。ライブも1時間40分と濃密過ぎる時間でした。

Zeppツアーとアルバム発売がアナウンスされ、楽しみで仕方ないですね。ただ、チケットが売り切れるのかは正直心配です。

そんな心配よりも周りにファンが居ない、そもそも音楽好きがそんなに居ない、元より友達が居ないという悲しい事実を気付かせてくれるBIGMAMA。

1,2歳ぐらいしか変わらないのに幸せと酷い仕打ちを与えてくれる素敵なバンド。。。

ありがとう、BIGMAMA。
来年も親不孝します。

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