順番に、平等に「死」は迫ってくる。

子供の頃、お盆が嫌いだった。

おじいちゃんは厳格な人で、うちの家ではお盆には必ず家族総出で墓参りに行くことが決められていた。

行き先は祖父の故郷、静岡。大阪から車で7時間。

子供にとっては、法事や墓参りなんて面白くもなんともない。
同級生たちはディズニーに行ったりしてるのに。


唯一の楽しみは出前の寿司が食べられること。

親戚の子供たちと木登りをして、汗だくになって帰ってきたら縁側で冷えたスイカを食べる。

田舎特有のでかい家。

だだっ広い畳の部屋で横になったら、隣の部屋から大人たちの笑い声が聞こえてくる。
子供ながらに、悪口やら下世話な話をしているのがわかる。

心地いい風が吹いてきて、風鈴が鳴る。
ウトウトしてたら、ふわりとブランケットをかけられて意識がまどろんでいく。

そんな子供の夏はもう二度と来ない。


あの頃下世話な話をしていた大人達は、すっかり年寄りになった。

法事に出たらビールを注ぎに回る側になってしまった。


病院に行く回数も増えたし、葬式にも何回も出た。

葬式に出るたびに、「人って簡単に死ぬんだな〜」って思う。


子供の頃は墓参りの意味なんてわかっていなかったけど、今は知ってる人が入っていると思うとやっぱり意味のあることなんだなと思う。


順番に、平等に「死」は迫ってくる。

弱っていく親戚達を見ているとそう思わざるを得ない。


もちろん親の順番が回ってくる時もいつかはやってくる。

あと10年もしたら、私が運転して親を墓参りに連れて行くことになるんだろう。

あと15年したら、遊び疲れて寝ている子供にブランケットをかける側になるだろうか。


そんなことを考えながら今日も日常をビールで流し込む。


私の順番が来たら、死んだおじいちゃん達と出前の寿司でも食べながら

ビールを飲んで下世話な話でもしようじゃないか。


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ほな

マルチクリエーターです。「飲酒ROCK」と言うYouTubeチャンネルをやっています。ex.こじらせギャング

徒然なる落書き帳

これはほなの脳みそである
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