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New Orleansの音楽を知るなら...Treme 1st Season "Won't Bow Don't Know How"...Playlist付

3月初旬に志賀高原ジャイアントでの最初の滑走で時速80㎞近くですっ飛ばしてうかつにも大転倒してしまった。これほどの大転倒は2017年に第三者行為災害で左肩上腕部を粉砕骨折して以来で、幸いにも左肩には支障は無く、2017年と同程度の左手首の捻挫で済んだ。

それでも左手首は数日間腫れあがり、ストックを握るのも難しい状態で、その後天候で雪も少なくなり、結局シーズン後半を棒に振ってしまった形だ。日常生活には支障が無いが、こういう時は本を読むか映画を観るかしかすることが無いのは前回の骨折と同じ境遇。

2017年の骨折時は、入院中を含めて米ABCの名作”LOST”の6 Seasonsをすべて見ることに成功したが、今回は随分前からDVDを少しずつ買い貯めていたHBOの”Treme”の4 Seasonsを一気に見ることにした。

”Treme”は2011年4月から2013年12月まで放映された作品で、タイトルはNew Orleansのある地域の名前。本作は2005年8月にNew Orleansを中心とする米南部を襲ったHurricane Katrinaによる防波堤の崩壊を契機とする大水害の三か月後という設定で、Musicians、Chef、Mardi Gras Indians(New Orleansで有名なMardi Grasという毎年1月に行われるお祭りでNative Indiansの衣装を着る人達)などのNew Orleansの住民達が、災害後苦しみながら生活や住居の立て直しをするさまを描いたドラマだ。

ちょうど私はこの頃米国に在住していて、この大惨事とBush Jr.のその後の無策が非難を浴びたことと、New York Cityで何度もCharity Concertsが開かれたのを覚えているが、本作は実際に現地に住む人達に脚光を浴びせているので、災害後の酷い現地の状況と逞しく生きていく人達の様子を理解することができる。

本作にはNew Orleansを代表する本物のMusiciansがCameo出演していることでも有名。そこでまずはSeason 1で登場したMusiciansを紹介していきたい。

1. Treme Song (Main Title Version)

本作のメインテーマはNew Orleans出身のJazz SingerであるJohn Boutteが歌う。

Season 1の最終回ではDavis McAlaryがNew York行を決意するKim Dickensを引き留めるために、玄関口でSam Cookの”Bring it Home to Me”を歌う役でCameo出演している。こういう口説き方は素敵だけど、緊急事態としてこのためだけに呼び出されたJohn Boutteにとってはたまったものではない。

2. Feel Like Funkin' It Up by the Rebirth

New Orleans出身のBrass BandであるThe Rebirth。Season 1の第一話の最初にSecond Line(New OrleansのBrass Bandを伴った伝統的なParadeの名称で独特のRhythmをSecond Lineとも呼ぶ)で演奏している。

3. Skokiaan by Kermit Ruffins & The Barbecue Swingers

 New Orleans出身のTrumpeter。第一話でElvis CosttelloがCameo出演し、本バンドの演奏をLive Houseで楽しんでいる様子を見ることができる。

演奏後DavisはKermitにElvisに声を掛けたらいいじゃないか、と促すがKermitは嫌がる。

4. Walking on the Sprit by Coco Robicheaux

Louisiana州出身のBlues Musician。第二話ではDavis McAlaryのRadio ShowでVoodoo儀式を初め生きた鶏をStudioで殺してしまい、これが原因でDavisはWWOZ-FM(実在のFM Station)のDJをクビになってしまう。

5. Sibelius Violin Concerto/Kashimir by Lucia Micarelli

イタリア人の父と韓国人の母の間に生まれたViolinistであるLucia MicarelliはAnnieとして本作のMain Characterの一人として登場し、音楽的才能を見せつけている。彼女はPopな曲を演奏するのでも有名で、このPBSでの演奏は素晴らしい。

6. Cha Dooky Do by Allen Toussaint featuring Art Neville

本作には故Allen Toussaintが何度も登場する。ここではメインキャストの一人であるAntoine Batisteが友人から得た「お金になる仕事」の一つとしてArt Nevilleと共演するAllen Toussaintの演奏を見ることができる。

7. Blackbird Special by Galactic

New Orleansを代表するMusicianの一人であるStanton MooreがDrumsを務めるGalacticも本作にCameo出演。Delmond LambreauxはElvis CostelloとのRecording Sessionが終わった後にGalacticを観に行き、Stantonに呼ばれてStageに立つが、Gig後に公道でJointを吸っているのを警察に見つかり逮捕されてしまう。

8. Shame Shame Shame by Steve Zahn with Friends

DavisはDJをクビになった後、父親の紹介でHotelに勤務するが、ChristianのVolunteerとしてNew Orleansを訪問したTeenager達に本当のNew Orleansを紹介するとして危険な場所にあるLive Houseを紹介したことがばれて再びクビになり、その後公道でBeer Canを開ける姿を警察に見つかり逮捕。釈放後怒りの中、New Orleans政府の無策を非難するこのカバー曲が思わぬヒット作になり、その売上金を元手に次はAlbum発売を、と意気込む。

9. Come Out, Ye Black and Tans by Steve Earle

本作ではAnnieとの絡みで何度もSteve Earleが登場する。Annieの才能を早くから発見し、色々なSession機会を与えるが、AnnieはSonnyとの仲がなかなか精算しきれない。

10. When I Die, You Better Second Line by Kermit Ruffins

本作では何度も葬式の場面が映し出されるが、これはSeason 1のMain StoryであるToniの弟Daymoの葬式。母親はSecond Lineを嫌がるが、Toniは悲しみの中Second Lineが好きだった弟を弔い踊る。悲しみをも吹き飛ばそうとする役割がSecond Lineにあることがよく理解できる。

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Treme Season 1のOriginal Soundtracksは配信サービスでも聴くことができる。



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